「石油やぐら」と「れんげ」と「菜の花」
石油掘削用の「やぐら」の写真です。
新発田市の国道7号線城北町交差点近くの田んぼに残っています。
ひっそりと、しかしキリッと立つ、往年の勇者の姿です。
つぎの写真は、交差点角にあるやぐらの足許辺です。
左の方に上の写真のやぐらが見えています。
もう一基が、さらに100米位先の田んぼにあります。
◆石油の時代
昭和20年代には、汲み上げ装置がギッコンコと動いていました。
昭和40年代まで、原油生産が行われていたようです。
輸入原油に押され、やがて廃鉱となりました。
現代は、石油エネルギーに依存する機械文明の時代です。
化石燃料資源を浪費し、二酸化炭素を排出して環境を破壊しています。
このような文明はやがては破綻します。
◆話は飛んで、「れんげ」です。
昭和20年代には、田植え前の田んぼは一面のれんげ畑でした。
れんげは、当時、農耕用に飼われていた牛馬の飼料になりました。
いわば、動力源である牛馬のエネルギーでした。
刈り取られたれんげの残りは、田んぼの有機肥料になりました。
風景、エネルギー、肥料の一石三鳥です。
みごとな自然との調和です。
◆今度は、「菜の花」です。
石油文明以前、油の原料のひとつは、菜の花でした。
菜種油は、料理や照明に大いに利用されていたのです。
唱歌「朧月夜」が思い出される風景もありました。
その菜の花を石油の代替エネルギーにしようという試みを知りました。
休耕田などを活用する「菜の花プロジェクト」です。
菜種油から軽油などを生成し、石油エンジンに利用します。。
◆「石油やぐら」と「れんげ」と「菜の花」
「石油やぐら」は、田んぼに残る遺物です。
牛馬の時代の「れんげ」は、もう消えました。
一度消えた「菜の花」は、思わぬ復活を遂げるかもしれません。
◆夢のまた夢
「菜の花プロジェクト」が成功して、農村に普及する日が楽しみです。
田んぼの菜種油でトラクターが走るなんて、すばらしい。
いつか、菜の花畑に立つあの石油やぐらを見ることができるのでしょうか。■