古典~ことば(2)
◆母の教え給いしことば(2)
『天知る 地知る 子知る 我知る』
- 出典:「後漢書」、「十八史略」
後漢の楊震のことば。楊震は高潔で名高い官吏であった。
地方へ赴任の途次、以前に才能を認めて引き立てた王密が楊震を訪ねてきた。
二人だけの席で、王密は世話になったお礼にと、金品を渡そうとした。
楊震が断わると、王密は言った。
「賄賂ではありませんし、誰も見ていないから、よろしいではないですか」
すると楊震は、「天知る 地知る 子知る 我知る」と、再度断った。
◇ ◇ ◇
まずは、天が知っている
ついで、地も知っている
そして、君が知っている
さらに、私も知っている
誰も知らないということなどないのだよ。
◇ ◇ ◇
自らを厳しく律することばである。
王密は羞じて引下がった。
『天知る 地知る 子知る 我知る』を「四知」というとのこと。
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母は、「天知る 地知る 我知る」と言っていた。
相手がいなくても、天・地・我は知っている。
いづれも、ありがたい教えであると思う。■