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童謡・唱歌:『朧月夜』

 『朧月夜』 高野辰之作詞 岡野貞一作曲 1914年(大正3)

菜の花畑に 入り日薄れ
見渡す山の端 霞深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて におい淡し

里わの灯影(ほかげ)も 森の色も
田中の小道を たどる人も
かわずの鳴く音(ね)も 鐘の音も
さながら霞める 朧月夜

 ◇ ◇ ◇

黄色に霞む菜の花畑。
「ぼぉ」とした夕闇に包まれて、田んぼのへりに立っていました。
いつまでも忘れられない朧月です。

清少納言は、「春はあけぼの。~ 秋は夕暮れ」とおっしゃった。
でも、こんな風景を眺めて書いたなら、「春は夕暮れ」となっていたかもしれません。
テレビは、素朴な朧月夜ではなく、一面の菜の花の黄色い映像を流しています。■