京都:醍醐寺 ~ 柴燈護摩(さいとうごま)
11月27日、本曇り、醍醐寺へ京都駅から地下鉄で行く。
醍醐駅から新興住宅街の登り坂を越えて15分で、山門前に到着。
鳥のさえずりを聞きながら、門を抜けて参道を進む。
◆三宝院の庭園 ~ 藤戸石(ふじといし)
参道左手の三宝院を拝観、表書院から庭園の中央にある『藤戸石』を眺める。
この石は、源氏が平家を破った藤戸の浜で戦いの帰趨を見届けたという。
足利義昭、織田信長らを経て、豊臣秀吉が手に入れここに据えた。
絢爛豪華な『醍醐の花見』のわずか半年後に、秀吉は死去。
自ら設計した三宝院の庭園の完成も、死後のこととなった。
<露と落ち 露と消えにし わが身かな なにわの事も 夢のまた夢>
◆柴燈護摩(さいとうごま)
金堂奥手の不動堂で、柴燈護摩が焚かれていた。
ドイツで開催される「醍醐寺展」の無事を祈祷するものとのこと。
紫の袈裟の僧侶が祈祷文を読み上げておられた。
居並ぶ僧侶の紫と紅い衣、紅い天蓋の傘、修験者の白い装束。
柴燈護摩のモクモクの白い煙、メラメラの黄色い炎。
般若心経を唱える中、不動明王の前で祈祷が進められた。
醍醐寺は、修験道の大本山であるという。
三宝院にいた時、法螺貝の太い響きが聞こえていた。
貴重な儀式の場面に遭遇できて幸運であった。
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