藤原真理さんのチェロ・コンサート
◆第7回のクリスマス・コンサート
12月16日(日)、新発田市民文化会館。
例年開催される藤原真理さんのチェロ・コンサートを鑑賞する機会に恵まれた。
喫茶「2楽章」のマスタに、前日紹介された。
今回は、中越沖地震復興支援のチャリティでもあり、入場無料、義援金募集であった。
主催は市内の福祉法人で、市教育委員会等の後援。
第7回目という貴いクリスマスのプレゼントを新発田でいただいた。
◆チェリスト藤原さん
藤原さんは、世界で活躍する女流チェリスト。
NHK-Hi で新年の元日から三夜連続で放映される「エジプトの遺跡をめぐる旅」に出演。
完全生中継の番組で、藤原さんはナイル河の船の上で、チェロを演奏されるとのこと。
◆チェロの響き
今回の楽器は、いわゆる「名器」だそうで、音の状態も最高に近いらしい。
それを藤原さんが演奏すると、まさにチェロから音が紡ぎ出されるようだ。
音楽が、チェロの中央の穴から流れ出てホールに響き渡る、という感じ。
◆曲の解説
バッハから近現代まで、年代を追った選曲で構成されたプログラムであった。
藤原さんは、演奏の前にマイクを手にしては、全ての曲を優しく解説された。
チャリティ・コンサートにおける藤原さんの暖かく誠意ある心遣いが感じられた。
◆演奏を聴いて
実は、不肖私はモーツァルト以外は、ほとんどのクラシックが苦手。
後半の小曲集で、「トロイメライ」などに救われるというレベルの情けなさ。
ただただ、チェロのすばらしい音色に酔うのみでありました。
◆コンサートへの距離
それにしても、藤原さんのチェロを聴けたことは奇跡に近い。
東京ではコンサートがあっても、腰が重く、まず出かけないと思う。
出かける気になっても、たぶんチケットが手に入らないか、高額だ。
新発田では、「2楽章」から歩いて5分の会場で、当日でも入場できる。
自分にとっては、むしろ新発田が文化・芸術への距離を縮めてくれる。
一流の演奏家を招聘する活動を続ける関係者の方々に感謝しなければ、と思う。
◆余韻
藤原さんのチェロは、耳に残るというより、お腹に響いている。
弦楽器は、特にチェロは生演奏でなくてはならない。
またのコンサートが楽しみである。■