世相 : IT出版のエクスメディア社を惜しむ
◆エクスメディア倒産を知る
あの「超図解シリーズ」のエクスメディア社が倒産した。
昨年の10月31日、東京地裁に自己破産を申請していた。
同社の本をネットで探しているときに分かった。
◆お世話になりました
この出版社の本には「超図解シリーズ」でずいぶんお世話になった。
HPを開設してからは、FlashのActuin Scriptの参考書でお世話になった。
最近は、素材集を活用し始めたところである。
◆出版の志
お世話になった、というのは同社の本に対する実感だ。
徹底的に読者の視点・立場で書かれている。
おそらく編集者の「志」に著者も「共鳴」して、優れた本を出版できたのであろう。
内容に加え、装丁も印刷も紙質も一級品で、書棚に並べても気分がいい。
その割に、価格が安い。
薄利多売を期待したのだろうか。
◆商売はきびしい
しかし、IT参考書に限らず、消費者の活字離れで、出版界は苦しい。
今年になってからも「声を出して読みたい日本語」の草思社が倒産。
自費出版を受託する新風舎も倒産した。
◆絶版に備えて買出しに
どうしても買っておきたい1冊があって、ネットで検索し、大手書店も回った。
どこでも見つからず、Amazon.comに中古本があるのみ。
今日、最後のつもりで、ジュンク堂のサイトで検索した。
あった! 1冊だけの池袋本店在庫、さすがは最大をうたうジュンク堂さん。
取り置きを依頼して、早速出かけて無事ゲット。
ただ、レジで支払いのとき、予定よりかなり低価格なのが気になった。
◆エクスメディア本のバーゲン・セール
他の本もあるかと、同店6階のIT関連フロアへ。
ぐるぐる探すうちに、ふとひとつの書棚に眼が留まる。
「エクスメディア本のバーゲン」と書いてある!
定価の半額で、エクスメディア本が並べられている。
なめるように書名を追って、さらに3冊の優れものを選んだ。
全部で四千円ほどお得だったのに、どこか寂しい満足感ではあった。
◆消え去るのは惜しい
既に倒産し、出版物は絶版となった。
しかし、エクスメディア本が消えるのは極めて惜しい。
あの「志」を受け継いだ本が、いつの日か出版されることを心待ちにしていたい。
【ここで一首】
<良きものの 消えて行く日の 寂しさよ エクスメディアの 本を重ねて>
■