« 世相 : IT出版のエクスメディア社を惜しむ | メイン | 東京風景 ~ 雪2008 »

童謡・唱歌:『冬の夜』

 『冬の夜』 作詞・作曲不詳、1912年(明治45)

燈火(ともしび)ちかく 衣(きぬ)縫う母は
春の遊びの 楽しさ語る
居並ぶ子どもは 指を折りつつ
日数(ひかず) かぞえて喜び勇む
囲炉裏火は とろとろ
外は吹雪

囲炉裏の端(はし)に 縄なう父は
過ぎしいくさの 手柄を語る
居並ぶ子どもは ねむさ忘れて
耳を傾け こぶしを握る
囲炉裏火は とろとろ
外は吹雪

 ◇ ◇ ◇

囲炉裏の周りに家族が集う、明治45年頃の光景です。
昭和20年代でもまだ残っていました。
少子化のいま、「居並ぶ子ども」というのが印象的です。

とろとろとした囲炉裏火、ポツリポツリと語る母と父、聞き耳を立てる子ども達。
囲炉裏の暖かさと家族の暖かさがありました。
最近、家庭内の相克による事件が相次いでいるのは、こうした家庭が崩壊したからでしょう。

 ◇ ◇ ◇

この歌の作詞作曲は不詳となっています。
確証はまだないそうですが、高野辰之作詞、岡野貞一作曲という説があります。
「ふるさと」や「紅葉」などの名コンビです。