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大阪風景:道頓堀と法善寺横丁(2008年5月)

◆ミナミ
大阪ミナミの道頓堀は変った。
数十年前のおぼろな記憶しかないけれど。
そして、法善寺横丁は、昔のたたずまいであった。

道頓堀と法善寺横丁

◆道頓堀は今
シンボルでもあった「くいだおれ」食堂がこの6月で閉店するという。
道頓堀はかつて、おっさんの街であったと思う。
にぎわうお客も並んだ店も、懐かしく温かみがあった。

「かに道楽」の巨大看板と「くいだおれ人形」は全国に知られていた。
暖簾と格子戸の店も、たこ焼き屋台も活気にあふれていた。
そして幾星霜。

道頓堀はすっかり若者の街になった。
煌々とした看板と照明、絶え間なくがなりたてるマイク、スピーカー。
嬌声をあげるグループ、幅をきかせるチェーン店などなど。

活気はあるがどこか空虚な空間だ。
儲かるときに資本が群がり、儲からなければサッと引く、そんな時代の鏡かも。
喧騒の中で消える「くいだおれ」食堂の後は、どんな資本の店になるのだろうか。

◆法善寺横丁の「粋」
いま、「粋」といえる街は、どこにどれだけあるだろう。
法善寺横丁はまさに「粋」な横丁だ。
静かなたたずまいの店が並び、石畳には打ち水。

道頓堀から通りひとつを隔てただけの別世界。
「粋」であっても、とりすましてなどいない。
とことん横丁であり、庶民的だ。

まだ「鯛めし銀家」しか知らないが、これから横丁探訪をしていくつもりだ。
この横丁を「くいだおれ」にしてはならない。
大阪を訪れたら、ぜひ法善寺横丁に立ち寄って欲しい思う。