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奈良紀行~2011年05月

2011年05月07-09日の奈良紀行

◆奈良に惹かれて
3/11の大震災発生で、予定していた3月下旬の城下町紀行を中止した。
とても旅行などをする気分になれなかった。
約2ヶ月経って、ようやく日常性を取り戻し始めた。

我々は普通に動かねば、と思った。
心が落ち着くところをゆっくり歩きたい。
ということで、ごく自然に<奈良>に惹かれた。

 ・ぶらぶらと<ならまち>を散策してみたい
 ・春日大社の藤が見ごろかも
 ・写真美術館で、入江泰吉氏の写真を見たい

もうひとつ、奈良を選んだ大きな理由がある。
それは、奈良中心部のビジネス・ホテルに空き室があったこと。
通常なら、ゴールデンウィークのさなかに考えられない。チャンスだ!

大震災の影響で、特に外国人観光客が激減したためのようである。
奈良に泊まれず、大阪に泊まって近鉄で通うのがパターンであった。
サンルート奈良に、金曜日の夜、5/7-9の土日2泊の予約ができた!

◆久しぶりの奈良の印象
奈良は、2008年に2回訪れている。
ちょうど、藤の季節と紅葉の頃であった。
その簡に、昨2010年の「平城遷都1300年」の大イベントがあった。

平城宮大極殿や唐招提寺金堂などが復元された。
興福寺の中金堂も、現在、復元工事が進められいている。
これらは、奈良の好ましい変化である。

しかし、あの<ならまち>も大きく変わっていた。
こちらは、個人的には、きわめて悪しき変化であると感じる。
<ならまち>の魅力は、半減(以下かも)してしまった。

  ◇ ◇ ◇

 <ならまち>は、ふつうの住宅街に古くからのお店が点在する街であった。
 観光客目当ての店は、ごく少なく、さほど気にならなかった。
 「この通りに入ると、住民の方に迷惑かな?」と思うような街であった。

 今は、至るところの角に新規のお店が増え、角を曲れば別の店がある。
 それらの店は、明らかに、外部から参入してきた資本によるものだ。
 遷都イベントの観光客を当て込んだ商売優先の経営であると思う。

 奈良の伝統にはあまり関係のない飲食メニューや民芸的商品を扱う店が多い。
 イベントは終わり、そこに大震災の観光客減少が追い討ちをかけている。
 経営は続けられるのであろうか?

  ◇ ◇ ◇

今回は、 <ならまち>の街角を撮影し、散策マップを作成しようと思ってもいた。
その夢は、ほぼ崩壊してしまった。(<ならまち>メルトダウン)
角を曲がって、先の角を曲ると年来のお店がある、という<ならまち>はもう無い。

◆春日大社の藤
今年の藤は、少々、小振りであった。
長~く垂れ下がるはずの花は短く、葉が多いということであった。
藤は一年置きに盛んに咲くそうで、前回は当り年、今回ははずれ年ということかも。

◆奈良市写真美術館
奈良市街の東北部の高畑地区にある「奈良市写真美術館」までサイクリング。
ここは奈良・大和の風景を終生撮影し続けた入江泰吉氏の業績を記念した施設。
プロの切れ味を実感させる作品は、さすが圧倒的迫力であった。

◆興福寺の阿修羅さん
帰京日に時間があったので、興福寺国宝館の阿修羅さんに会う機会に恵まれた。
実は、仏像拝観にはあまり関心がない。(仏様ゴメンナサイ)
でも、興福寺の数々の仏像には、すっかり魅了されてしまった。

(3日間、初夏の好天で、汗ばむ陽気でした)