鶴岡紀行~2012年06月19日
◆城下町・鶴岡へ
JR東のジパング会員パスで新発田へ出かけ、その足を延ばして鶴岡を訪れた。
台風4号の影響の雨の中、タクシーと徒歩で回る日帰り紀行であった。
軽い下見気分で、ざっと鶴岡の情報を得ることができた。
(鶴岡の中心市街地のマップを作成中。まもなく公開予定です)
小学生の時に遠足で羽黒山に行き、その際にバスで鶴岡を通ったと思う。
事前にいろいろ調べていったが、やはり百聞は一見に如かず、であった。
もっとも意外だったのは、お城に櫓や城門などが何も遺されていなかったことだった。
今回は、城下町・鶴岡の一部を知っただけである。
次回は一泊して、居酒屋・スナックのカウンタで地元の人達と語ってみたい。
そこからどんな鶴岡の素顔が見えるか楽しみである。
◆鶴ケ岡城の概要
鶴岡のお城は「鶴ケ岡城」という。
城を築いたのは、庄内藩初代藩主・酒井忠勝。
1622年(元和8年)に信濃松代藩から入封した。
四角い本丸を、内堀、二の丸、外堀が囲んでいる。
天守閣は二層櫓で、内堀と外堀には土塁が廻らされていた。
現存するのは、内堀の三分の二位と外堀の約半分のみである。
本丸には、明治時代に建てられた荘内神社と護国神社がある。
また、2010年に開館した藤沢周平記念館が荘内神社の前方にある。
南東角には、大正天皇の即位を祝して建てられた大宝館がある。
本丸内には城の面影は見当たらない。
旧二の丸大手門の跡には荘内神社の大鳥居が建っている。
ここの内堀と外堀は埋め立てられ、参道が神社に直通している。
◆致道博物館
藩主の隠居所であった御隠殿と庭園を中心に、全7棟の建物からなる博物館。
-- ・御隠殿と庭園 藩主の隠居所
-- ・旧西田川郡役所 ミニ博物館
-- ・旧鶴岡警察署庁舎 内部は非公開
-- ・民具の蔵 古民具を展示
-- ・重要有形民俗文化財収蔵庫 多彩なコレクションを展示
-- ・田麦俣の民家 茅葺きの農家
-- ・美術展覧会場
見ごたえのある展示をゆっくり鑑賞することができる。
特に「田麦俣の民家」は、内部を見学すると往時の農家の様子がよく分かる。
質素で勤勉、繊細でしたたかな日本人の生活ぶりをこの家屋で実感できた。
致道博物館の入館料は700円、休館は12月~2月の水曜日。
◆旧致道館
致道館は庄内藩の藩校である。
文化2年(1805)に創設され、文化13年(1816)に旧三の丸の現在地に移設。
荻生徂徠の教義(徂徠学)に基づいた教育を行った。
当時の幕府は朱子学を推奨し、多くの藩はこれに従った。
しかし、庄内藩は敢えて徂徠学を選択した。
朱子学は朱子の解釈によって学び、徂徠学は原典を自ら学ぶ、ということらしい。
致道館の教育の特色:
-- ・天性重視
-- ・個性伸長
-- ・自学自修
-- ・会業重視 会業:ゼミナール形式の発表・討論を行う
小学生レベルには指導教官がつくが、中学生レベル以上では自学自修と会業が中心。
年に数回の試験があり、武芸や馬術の習練もあった。
試験に合格すると年齢や修学年数に関係なく順次進級できた。
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建物は、講堂と御入間(おいりのま=藩主用の部屋)、孔子を祀る聖廟が遺さtれている。
講堂内には教材の版木や古文書資料、学年別の教程表などが展示されている。
もとの敷地は、約15,000平米であったが、現在は約7,000平米という。
致道館は無料公開、毎週月曜日休館。
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