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2008年11月06日

世相:オバマ新大統領

◆オバマ氏が勝利
アメリカの大統領選が終わった。
民主党のオバマ氏が事前の優勢を維持して勝った。
変化を求める流れに乗って、期待も集めた。

次期大統領は5日未明にシカゴで大観衆を前に勝利を宣言した。
若さを感じさせる力強い内容であった。
きわめて困難な状況に直面する新大統領に注目と期待をしていきたい。

◆ひるがえって日本は
解散時期をつかみ損ねた麻生内閣は、早くも迷走気味だ。
アメリカは新大統領の下、変革を旗印に政策を打ち出してくる。
対する麻生内閣は、1年以内にある総選挙を意識した目先の政策しか出せない。

旧態依然とした給付金支給などが目玉である。
政治の堕落、官僚の腐敗、医療・福祉・教育の荒廃、経済格差、などなど。
どうするんだよ。いい加減にしてくれ!

◆NHKの報道姿勢に異議あり
NHKも報道機関としては迷走中だ。
オバマ氏の勝利宣言は本時間5日14時頃に始まろうとしてた。
現時点で、もっとも重要な報道場面だ。

その時、NHK BS1のアナウンサーがごく当然のように言った。
「それでは、ここで(2時の)定時ニュースをお送りします」
なんというバカさなのだ。

勝利宣言をリアルタイムで報道する貴重なチャンスを、NHKは自ら捨てた。
CNNに切替えて、二ヶ国語モードで視聴した。
途中で、NHK BS1をみてみたら、小室哲也関連の映像を流していた。

結局、NHKは既存のスケジュールを機械的にこなしているだけなのだ。
定時ニュースなど15分位ずらせばいい。
大相撲中継では、「ニュースはこの一番が終わってから」とやっているのだ。

定時ニュースが終わってからすぐ、勝利宣言をビデオで流していた。
リアルか否か、NHKとCNNの決定的な相違点が浮き彫りになった。
NHKの報道機関としての基本姿勢を問いたい。

それとも、新大統領の勝利宣言よりも小室問題の方が重要と考えたのか。
今、金融問題で世界中の政府や株式市場が右往左往している。
そんな時に大リーグやサッカーやゴルフを延々と中継している「NHK BS1」とは何なんだ。

(NHKのニュース報道姿勢には、ほかにもいろいろ異議がある。追記したい。)

2008年06月21日

将棋:考える人としゃべる人

◆将棋のTV中継
NHK BS2では将棋の名人戦と竜王戦を中継する。
トップ棋士の対戦を解説付きで見れる貴重な番組である。
先日までの名人戦も全6局が中継された。

◆考える人
真剣に考えている人の姿を拝見できる機会はまずありえない。
将棋と囲碁のTV中継は、それを生の映像で提供してくれる。
次の一手を読みふける棋士の姿には、深い感動を覚える。

一対一の勝負で、誰にも助けを求めることはできない。
対戦相手と戦い、自らと戦い、時間とも戦う。
「待った」ができないから、慎重の上にも慎重に読む。

指した手は全て棋譜に記録され、詳細に分析・評価される。
棋譜と勝負を汚さないのもプロ棋士の心得である。
勝てばいいとも言えず、よい手を指しても負けてはだめだ。

読みに没頭する姿は「考える人」を具現している。
静かな対局室に扇子を開閉する音だけが響く。
姿勢を変えては、盤面に集中する「考える人」は崇高でさえある。

◆しゃべる人
そのTV画面に見入っていると、邪魔な雑音が入る。
司会担当アナの言わずもがなのおしゃべりだ。
静寂の思考空間に土足で踏込む無神経さに腹が立つ。

「現在の対局室の様子です。画面の左側が挑戦者**で、右側が名人**です。」
ただいま、**の手番で、云々」
うるさい! だまれ! 引っ込め! 失せろ!

だいたい将棋・囲碁のTV中継を視ているような人には、分かりきっていることだ。
貴重な「考えている」場面を、司会アナもじっくりと味わったらどうなんだ。
勝負の緊迫感に浸ろうとしている視聴者の思いを、司会のしゃべりがブチ壊す。

野球で騒音を撒き散らす私設応援団や、駅のホームでマイクでがなり続ける駅員と同じだ。
画面の音声が途絶えたら、それを補充するのがアナの役目と思っているのだろう。
「考える人」が主役の将棋中継に、こんなアナは無用だ。ゴミ箱へドラッグ&ドロップ!

◆挑戦者の手の震え
名人位を奪う第6局の最終手、「金」を打つ挑戦者・羽生二冠の手が震えていた。
TV(録画中継)に映されたこの緊迫感はすさまじい。
終局後のインタビューで、羽生名人は珍しく言葉少なであった。

2008年04月23日

世相:世界の食料争奪戦

◆やっぱり
低価格で世界中から買い集めた食料で成り立ってきた日本の食生活。
食料価格の高騰と需給の逼迫は、こうしたモデルを崩壊させる。
地球人口の増大と農耕地の荒廃で、いずれこうなることは予想されていた。

米ブッシュ大統領のバイオ燃料政策で、トウモロコシが不足したのがきっかけだ。
その価格が高騰し、連鎖的に食料争奪戦が始まった。
途上国では食料危機で、暴動まで起きている。

◆学者のたわ言
昨年の秋にNHKの「米」番組で、「米は野菜の一種だ」
「世界のどっかから輸入すれば済む」とある東大教授が言った。
現在の状況でも、同じ発言をするのだろうか。

こういう教授などが、官庁の審議会などで発言力がある。
官僚や族議員と結託して、国の方向を誤らせる。
マスコミは頼りにならないから、国民がきびしく国の方向を監視しなければならない。

◆食料自給を強化すること
国の安全保障の基本は食料の確保だ。
自動車や液晶テレビを輸出して得た外貨で食料を輸入する、というワケにはいかなくなる。
無い食料は買えないし、食料無くして国民は生きていけない。

効率優先、大量生産・大量消費のために大資本を優遇し、零細農家を切り捨ててきた。
農業への補助金も、農家の基盤強化ではなく、農道・施設・ダムなどに浪費された。
あるいは、中間機関の利権に搾取された。

懸命に努力している農家を直接支援することで、自給率を上げるべきだ。
規模を拡大するか、何をどれだけ作るかは、農家自らが市場競争の中で決めればよい。
現実を知らない学者や官僚が口を挟む余地はまったくない。

【ここで一首】
   <足りないよ 小麦も米も もろこしも 国民の食 自給が基本>

2008年01月16日

世相 : IT出版のエクスメディア社を惜しむ

◆エクスメディア倒産を知る
あの「超図解シリーズ」のエクスメディア社が倒産した。
昨年の10月31日、東京地裁に自己破産を申請していた。
同社の本をネットで探しているときに分かった。

◆お世話になりました
この出版社の本には「超図解シリーズ」でずいぶんお世話になった。
HPを開設してからは、FlashのActuin Scriptの参考書でお世話になった。
最近は、素材集を活用し始めたところである。

◆出版の志
お世話になった、というのは同社の本に対する実感だ。
徹底的に読者の視点・立場で書かれている。
おそらく編集者の「志」に著者も「共鳴」して、優れた本を出版できたのであろう。

内容に加え、装丁も印刷も紙質も一級品で、書棚に並べても気分がいい。
その割に、価格が安い。
薄利多売を期待したのだろうか。

◆商売はきびしい
しかし、IT参考書に限らず、消費者の活字離れで、出版界は苦しい。
今年になってからも「声を出して読みたい日本語」の草思社が倒産。
自費出版を受託する新風舎も倒産した。

◆絶版に備えて買出しに
どうしても買っておきたい1冊があって、ネットで検索し、大手書店も回った。
どこでも見つからず、Amazon.comに中古本があるのみ。
今日、最後のつもりで、ジュンク堂のサイトで検索した。

あった! 1冊だけの池袋本店在庫、さすがは最大をうたうジュンク堂さん。
取り置きを依頼して、早速出かけて無事ゲット。
ただ、レジで支払いのとき、予定よりかなり低価格なのが気になった。

◆エクスメディア本のバーゲン・セール
他の本もあるかと、同店6階のIT関連フロアへ。
ぐるぐる探すうちに、ふとひとつの書棚に眼が留まる。
「エクスメディア本のバーゲン」と書いてある!

定価の半額で、エクスメディア本が並べられている。
なめるように書名を追って、さらに3冊の優れものを選んだ。
全部で四千円ほどお得だったのに、どこか寂しい満足感ではあった。

◆消え去るのは惜しい
既に倒産し、出版物は絶版となった。
しかし、エクスメディア本が消えるのは極めて惜しい。
あの「志」を受け継いだ本が、いつの日か出版されることを心待ちにしていたい。

【ここで一首】
  <良きものの 消えて行く日の 寂しさよ エクスメディアの 本を重ねて>

2007年12月31日

世相:福田総理の訪中

福田総理が訪中を終えて、31日帰国した。
中国側の手厚い歓迎を受けた。
温首相とのキャッチボールまで演出した。

しかし、あきらかに手ぶらで帰った。
国民に分かる形の成果は示せなかった。
パンダとは言わないが、お正月のお年玉が無くてはどうしようもない。

何とか互角に肩を並べたい。
ともかく仲良くやりましょう。
そんな姿勢が見え見えの訪問だったと思う。

聖徳太子が遣隋使に持たせた国書に書いた。(事実ではないらしいが)
「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。つつがなきや、云々」
その意気やよし。 現状でそこまで気張ることはないけれど。

【ここで一首】
 <日出づる国から 日没する国へ 福田丸 暖かいおもてなし お帰りは手ぶら>

2007年12月26日

世相:政治家の『偽』~ 年金問題

◆選挙公約と現実
「年金記録問題は全て解決する」と参院選で公約した安倍前首相。
それを引き継いで、大見得を切った舛添大臣。
来年3月までには、約2千万件の記録が受給者を特定できないことが分った。

◆無責任無自覚な発言
「公約というほどのものかどうか」と福田首相。
「選挙だから縮めて言ってしまった」と町村官房長官。
「予想よりデータがひどかった」と舛添大臣。

◆コンピュータの常識なのに
コンピュータ・データの実態を確認しないままの発言だ。
こういう問題データは、「ま、何とかなる」と「手をかければなんとかなる」と、
「どうしようもないゴミ」が、3分の1位ずつあるのが常識。

それを全部解明してみせるといってしまった。
現実を確認しようとしない軽薄でダメ政治家の発言だ。
たぶん、現場の担当者は分っていたであろうに。

◆官僚的逃げ口上
「予想よりひどかった」とは、なにごとか。
「予想」はよかったがそれに外れた「現実」が悪い、予想した私に責任はない、という論理。
『予想自体がひどかった』のだ。

舛添大臣も東大出身で、高級官僚とはお仲間。
苦しくなると、つい官僚的思考の本音が飛び出す。
官僚の傲慢さや自己保身を押さえるのが政治家であり、官僚の手先ならもういらない。

【ここで一首】
  <甘々の 予想をさておき 悪いのは 記録のせいと 逃げてますぞえ>

2007年12月24日

世相:『偽』の世に思う

『偽』が、2007年世相を表わす漢字に選ばれた。
揮毫した清水寺の貫主が「こんな字を書くのは情けない」と嘆いておられた。
世の倫理観が失われたことが『偽』をはびこらせている。

経済優先の拝金主義が、その根底にある。
行き着くところは、一人ひとりの心の問題だ。、
時間をかけて社会を修復するしかないと思う。

「歌を忘れたカナリヤ」になぞらえて、替え歌を作りました。

 ◇ ◇ ◇

倫理を忘れた世の中は
背中を向けて 泣きましょか
いえいえ それはなりませぬ

倫理を忘れた世の中は
ゴミ処分場に 捨てましょか
いえいえ それはなりませぬ

倫理を忘れた世の中は
教育勅語で ぶちましょか
いえいえ それはかわいそう

倫理を忘れた世の中は
無欲の船に 無私の櫂(かい)
心の海に浮かべれば
忘れた倫理を思い出す

2007年11月10日

世相:小沢辞任騒動

民主党の小沢代表が11月4日(日)に辞意を表明した。
結局、党の慰留を受けて続投を決めた。
なんなんだよ。

総選挙で決着するといいながら、大連立をもくろんだ。
賞味期限の切れた代表のラベルを張り替えて、さあどうなるのか。
自民も民主もどうしようもない。

【ここで一首】
  <ぶち切れて 小沢またまた 「もう辞めた」 自民とあうん 自党はいやいや>

2007年10月19日

世相:ベビーカー事故で思うこと

このところベビーカーが電車のドアに挟まれる事故の報道が多い。
母親が赤ちゃんを抱き、ベビーカーをたたんで乗り降りすればよいという。
しかし、現実は荷物を持ったりしていて、母親には大きな負担である。

電車のドアを改良することも検討されている。
これはコストはかかるし、普及するにも時間がかかる。
ベビーカーにロボット機能などをつけるわけにもいかない。

 ◇ ◇ ◇

こうした問題に出会うたびに思い出すのは、コペンハーゲンで見た光景。
それは、1972年(35年前)頃、鉄道の駅の連絡地下道へ階段を下りていた時のこと。
何か人のかけ声がした。(たぶん、デンマーク語)

地下道に車椅子の人がいて、周りに4,5人が集まってきた。
それぞれが階段に荷物などを置くと、合図の声とともに皆で車椅子を持ち上げた。
そしてたちまちホームに運び上げてしまった。

そして何事もなかったように荷物を手にして、それぞれ歩き去った。十数秒間の光景。
いったい何があったのか、すぐには理解できなかった。
しかし、脳裏に焼き付いていて離れない。

 ◇ ◇ ◇

こういうサポートがあれば、ベビーカー事故などは防ぐことができる。
要は、他を思いやる心の問題である。社会の心といってもよい。
側に困っている人がいたら、すぐ手を貸してあげることに尽きる。

駅のアナウンスでも、乗客に繰り返しサポートを訴えるべきだ。
社会は、習慣的なものには、きわめて従順になる。
繰返すことで脳に刷り込まれ、誰かが実行するとそれに習う。

電車内での携帯電話のおしゃべりは、ほとんどなくなった。
混んでいる時の駅のトイレは、自然に一列行列になる。
エスカレータでは、片側を空けて乗る。

ボタンを押せば動くメカニズムに依存する社会は、もうほどほどにしたい。
声をかければ人が動く社会が、これからの優しい社会であると思う。
それにしてもコペンハーゲンで見た光景はうらやましい限りである。

【ここで一首】
  ITも バリアフリー機器も 何せむに 勝れる宝 心に如かめやも

(かなりの字あまりです)■

2007年08月28日

世相;安倍改造内閣の発足

昨27日、安倍改造内閣が発足。
マスコミは概して冷ややかだが、評価はこれから。
あんまり足を引っ張るのも良くない。

ただ、参院選惨敗の責任はうやむやのまま。
「反省すべきは反省」といいながら、何をどう反省するか不明確。
要は「分かってない」で、この先どうなることやら。

【ここで一首】
  あべ川は 挙党きな粉の てんこ盛り 餅の素顔は 見えず分からず