宇治平等院と春日大社の藤、興福寺の仏像拝観の紀行。
宇治平等院を訪れた後、JR奈良線で奈良へ。
興福寺の北円堂の特別公開で「無着・世親」像を拝観できた。
国宝館はすいていて「阿修羅」像などをゆっくりと鑑賞できた。
<4月25日(水) > 曇り
◆宇治から奈良へ
13:50-14:20 宇治→奈良/奈良線快速
三条通りで、興福寺の稚児祭りの行列に会う。
14:50-15:10 珈琲「たまき」 /\400
◆興福寺北円堂
15:20-16:40/\300
春季特別公開の「無着l・世親」像を拝観。
【北円堂】(4/25撮影)
◇「唯識」と法相宗
興福寺は、飛鳥時代から続く、法相宗の本山。
中国・唐の玄奘(三蔵法師)がインドから「唯識」を伝えた。
その「唯識」を基に、玄奘の弟子が法相宗を開き、さらに日本に伝えられた。
「唯識」は、無着・世親の兄弟が集大成し、後の仏教に大きな影響を与えた。
世の中の現象は、全て自らの心が描いたイメージである、というような考え方だ。
現代の悩める社会に最適な仏教思想と思われる。
(「唯識」については、1990年台にNHKラジオ第2で講座があり、一年間聴講した)
◇「無着・世親」像(国宝、鎌倉時代)
【無着像】(ネットより)
【世親像】(ネットより)
二人の彫像は、鎌倉時代に運慶の指導の下、無著像は運助、世親像は運賀が制作した。
温厚・沈着・清楚で慈愛に満ち、強い信念を感じさせてくれる。
実に貴重な、初めての拝観であった。
惜しむらくは、彫像が北円堂のご本尊・弥勒如来像の背後に配置されていること。
そのため、間近に拝観できない。
保存の安全性も考えると、ぜひ、国宝館で常設展示して欲しいものだ。
<4月26日(木) > 晴れ
10: 30- 12:00 春日大社・万葉植物園で<藤>を撮影
12:30 猿沢池
【猿沢の池】(4/26撮影)
ならまち散策、昼食、買い物、見学、珈琲
◆興福寺・国宝館
15:00-15:30/\800
折りよく、スカスカにすいていた。
◇天燈鬼・龍燈鬼立像(国宝、鎌倉時代)
【天燈鬼】(ネットより)
天燈鬼像は、2本の角と3つの目を持つ。
口を大きく開き、やや横目で前方をにらむ。
左肩に乗せた燈籠を左手で支えている。(興福寺HPより引用)
【龍燈鬼】(ネットより)
龍燈鬼像は、腹前で左手で右手の手首を握る。
右手は上半身に巻きついた龍の尻尾をつかむ。
頭上に乗せた燈籠を上目づかいににらんでいる。(興福寺HPより引用)
◇ ◇ ◇
『ネットで見つけたホント情報』
この天燈鬼と龍燈鬼、明治の初年頃には、バラバラの古材だった。
それも仏像の修理用材木として職人達に提供されたものだった。
つまり興福寺では、それが鬼の彫刻である事を知らなかったのだ!!!
職人の森川 杜園(もりかわ とえん)が、この古材が鬼の像になることに気づいた。
何を担いでいたのか不明だったが、燈籠を制作して加え、現在の姿に復元した。
天燈鬼・龍燈鬼は、もともとは四天王像に踏みつけられる邪鬼(餓鬼)であった。
これを独立させ、、燈籠を持たせて仏前を照らす役割を与えた。
鎌倉時代と明治の職人の創作が合成され、傑作彫刻を生み出した。
◇ ◇ ◇
◇阿修羅像(国宝、奈良時代)
【阿修羅】(ネットより)
もっとも人気の高い仏像「阿修羅像」。
今回は、観光客がまばらで、像のすぐ前で独り占めして鑑賞。
阿修羅というイメージとは異なる、少年らしい表情と姿・形を心に刻むことができた。
◆帰路へ
16:23-16:55 JR奈良→京都
17:32-20:10 京都→東京 ひかり530号
21:100 帰宅
■
宇治平等院と春日大社の藤、興福寺の仏像拝観の紀行。
宇治平等院を訪れた翌日、奈良の春日大社へ。
ここの藤は、2008年と2011年のGW直後の満開の時に撮影に訪れた。
今年はGW前に満開という情報であった。
<4月26日(木) > 晴れ
◆春日大社へ
近鉄奈良駅前からタクシーで春日大社の万葉植物園へ。\1,020
◇万葉植物園の藤の園
10: 30- 12:00 入園料\500
万葉集に詠まれた植物を栽培し、身近に鑑賞できるようにしているのが、春日大社の万葉植物園。
藤の園はその一角にある。
約200株の各種の藤が植えられている。
【藤】
この日(4/26)は、全体として、満開までもう少しの感じだった。
2008年は、「砂ずりに藤」と称されるとおり、水面すれすれまで長?く垂れ下がった花が実にみごとであった。
花が長過ぎて、うまく写真で表現するのに苦労したのだった。
藤の当たり年といわれ、出かけた花時も良かったのだろう。 2011年は、85点位で、今年は、甘く見て60点。
2011年は、85点位で、今年は、甘く見て60点。
ただし、春日大社のすばらしい「砂ずり」の藤を、一度、見てしまったための印象。
ぜひ、「砂ずり」に再会したいものである。
■
宇治平等院と春日大社の藤、興福寺の仏像拝観の紀行。
今年は藤が例年より10日ほど早く、GW前に満開を迎える。
また、一度拝観したいと思っていた興福寺北円堂の仏像が4/23?5/7に春季特別公開される。
さらに、ホテルが予約できたことで、「大人の休日倶楽部」の割引が効かなくなるGWの前に、一泊二日で出かけた。
<4月25日(水) > 東京は雨、関西は曇り
◆宇治へ
07:00 出発、JR中央線は通勤ラッシュ
07:50-10:08 東京→京都/のぞみ13号
10:19-10:46 京都→宇治/奈良線 8 番線/各駅停車
◆宇治平等院
駅から徒歩10分
11:00-13:00/拝観料\600
【宇治平等院の境内図】 WebよりCopy
注)鳳凰堂は東向き。上図は下方が東になっている。
◇藤の撮影
正門から進むと、左に満開の藤棚、正面に池越しの鳳凰堂の北側部分が見える。
藤の花がたわわに垂れ下がり、その香りが漂ってくる。
周囲でカメラを構える観光客に混じっててシャッターを切る。
【平等院の藤】
◇鳳凰堂周囲一周
鳳凰堂は池に囲まれている。
美しい左右対称の建物が水面に写っている。
中堂の大屋根で向き合う金色の鳳凰が映える、
【鳳凰堂】
【金色の訪欧】
◇鳳翔ミュージアム
池を巡る順路の途中に通り抜けの形式の鳳翔ミュージアムがある。
ここには、平安時代から伝わる国宝の
・鳳凰堂大屋根の鳳凰像2体
・中堂の雲中供養菩薩像の半数の26体
・梵鐘
などが展示されている。
ごく間近に本物を鑑賞できるのは嬉しいことだ。
鳳凰像は、すっかりくすんでいるが、造形は優雅で躍動的ですばらしい。
現在、鳳凰堂大屋根に飾られているのは金色に復元されたレプリカ。
それはそれで、みごとに往時を偲ばせてくれている。
雲中供養菩薩像は、それぞれの菩薩が雲に乗り、楽器を演奏したりしている。
のびやかで、優美な極楽浄土を想わせてくれる。
梵鐘は優雅で力強い形状で、つい見とれてしまう。
「甦る鳳凰堂の美」を購入/\1200
◇鳳凰堂拝観
鳳凰堂の拝観が空いていたので申し込む。12:30?/\300
朱色の欄干の橋のたもとに30人ほどが集合し、係員の誘導で橋を渡る。
靴を脱いで、鳳凰堂の濡れ縁を曲がって中堂正面の阿弥陀如来像の前に並ぶ。
【鳳凰堂へ渡る橋】
係員が、平等院の由来や鳳凰堂、如来像などについて、約10分説明。
ミュージアムの展示にも触れ、なかなか良かった。
実は、鳳凰堂に入れるのはここだけで、両翼や胴体部分は非公開。
◇平等院のHPは こちらhttps://www.byodoin.or.jp
◆宇治平等院からJR宇治駅へ
途中で昼食。
13:15-13:35 宇治抹茶そば \980
【そば処】
13:50-14:20 宇治→奈良/奈良線快速
(続く)
■
◆◆◆ 行程の概要(第3日&第4日)◆◆◆
◆12月1日(月) 快晴
◇手向山八幡宮へ
近鉄難波から奈良へ。
近鉄奈良駅からまっすぐ東大寺まで歩く。30分。
大仏殿前から右手の参道を上って、手向山八幡宮へ。
ここの紅葉もいいという情報があったが、どうも八幡宮の裏手の山の方らしい。
道も様子も分らないので、つぎの機会に回ることにした。
八幡宮の前に1本だけあるモミジを撮影した。
◇奈良町へ
東大寺→興福寺→猿沢池→奈良町と歩く。
お昼を食べようと店を探したが、ほとんど全て月曜定休。
やむなく、もちいどの通りで、ステーキランチ。
◇奈良町:佐久良
奈良町のメインの入口に近い『吉野葛』のカフェ「佐久良」に寄る。
その場で作る葛きりが黒蜜にツルッとして実においしい。
それと、築140年という町家のお座敷がすばらしい。中庭がある。(→blog食!)
◇奈良町:砂糖傳
奈良町の南端に近い「砂糖傳」を訪れる。
ココでは昔ながらの製法で『米飴』を作っている。
ご主人といろいろとお話をさせていただき、壷入りの米飴を求めた。(→blog食!)
◇奈良町ぐるぐる
地図で確認しながら、横丁、路地をぐるぐる回る。
奈良町の主要部分はほとんど歩き尽くした。
東側部分だけ未踏破。
◇ひと休み
「羅漢」で珈琲。
例の迷路をあちらこちらと歩く。
三条通りで買ったよもぎ餅3個を猿沢池のベンチで味わう。
◇再び「京冨」
迷路の一角(元林院町)の「京冨」に入る。
この隠れ家の居心地のよさに甘えて、つい長居。
居合わせたお客さん、ママと話が弾んだ。
◇大阪・難波へ戻る
東向き通りでカツ丼を食べる。
近鉄で難波へ。
21:40 ホテル着。
◆12月2日(火)快晴
◇竜田川へ
JR難波駅から大和路急行で王寺へ。約30分。
奈良交通バスの法隆寺行きで、三つ目の「竜田大橋」で下車。10:06着。
バス停の案内板(広告入りの地図)で、川と橋を確認して歩く。約2分。
「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川」と詠われた面影はない。
竜田大橋の上流方向の川沿いに公園が延びていて、遊歩道がある。
途中に二つの歩行者用の橋がかかっている。
モミジはポツポツと植えられていて、紅葉は盛りを過ぎていた。
爽やかな空気に包まれて歩いていると、快晴の青空と名残の紅葉が心地よい。
さりげなく過ぎていく秋を肌で感じた竜田川であった。
◇奈良へ
バス→JR王寺→JR奈良。12:35着。
JR奈良駅から歩いて20分で近鉄奈良駅辺。
登大路から左の通りに入る。(右は東向き通り)
◇マグロの専門店
比較的短い商店街の終り近くに「まぐろ小屋」がある。
ココはマグロ料理の専門店で、地元の方に教えていただいた。
鉄火丼(800円)は、これまで食べた最高の鉄火丼であった。(→blog食!)
◇奈良町ぐるぐる
東側部分の十輪院あたりまでを歩き回ったが、東端部分が残ってしまった。
次回に回れば、もう奈良町で道に迷うことはない。
当初は地図を見ても迷っていた。
「ならまち格子の家」は奈良町の町家を忠実に再現した市営施設。
無料で見学自由、写真自由。
案内係の女性は、奈良町コンシェルジュのような方で、いろいろ教えていただいた。
「砂糖傳」に寄って、純粋な『和三盆』を買う。
昨日、味見をさせていただいた舌の感触が忘れられなかったから。
純粋を味わう、ということは大切にしたい。
マークしていたカフェ・レストランに寄る。15:30頃。
町家を改造したお店は、しかし、どこか田舎家ドライブインの感じがした。
食事もちょっと素人っぽかった。
ガイドブックなどのヨイショの情報には、こういうのが多い。
町家であればいいわけじゃないし、料理もプロの味であって欲しいもの。
でも、これでいいという人は多いだろうし、一度は食べてみるのも経験だ。
口直しと奈良の締めに「佐久良」へ。
くず餅と葛珈琲をゆっくりと味わう。
これで奈良にお別れだ。17:25。
◇大阪・難波経由で帰京
近鉄で難波へ、コインロッカーからキャリーバッグを出して、地下鉄で新大阪へ。
19:27-22:08 始発ののぞみ自由席で東京へ。
西荻窪でタンメンを食べて、帰宅。23:30。
■
◆奈良へ
紅葉の季節、奈良へ出かけた。(11/29-12/2)
やや遅めであったが、天気にも恵また。
古都の晩秋の散策を満喫。
昨年は京都で、なかなかの紅葉の写真を撮る。
京都では、紅葉の名所は寺院などの境内や庭園に多い。
奈良では、むしろ散策路で紅葉を楽しむのがいい。
写真撮影から見ると、京都の方が五重塔や池などのポイントがあって、「絵」になる。
奈良は、紅葉の風景の中をぶらぶらと散策する。その体感を写真に撮るのは難しい。
そのことは、とくに4日目の竜田川で実感した。
今回の奈良紀行では、歩くほどにその魅力に引き込まれていった。
ガイドブックの案内文の行間を読み、地元の人に教わることもできるようになった。
またひとつ、「お気に入りの街・風景」ができたことがうれしい。
◆◆◆ 行程の概要 ◆◆◆
◆11月29日(土) 快晴、奈良は夕方に小雨。
10:00-12:22 のぞみで京都へ。
12:43-13:40 近鉄で奈良着。
昼食後、「羅漢」で珈琲。
◇路地に迷い込む
今夜の宿泊先「サンルート奈良」へ向かうが、近いので甘く見て途中の路地を曲がった。
後で知ったが、ここは「猿沢池」と「もちいどの通り」の間の迷路のような地区だった。
結局、40分位、隣の「ならまち」地区までも迷い歩いて、やっとホテルに到着。
キャリーバッグを引いて、重い三脚とカメラを背負ってウロウロと徘徊した。
しかし、この徘徊が、新しい奈良発見につながったのだから、何が幸いするか分らない。
どのガイドマップにも載っていない迷路に、奥深い奈良が隠されていたのであった。
◇東大寺、興福寺をひと回り
すぐにホテルを出て、徒歩で東大寺へ向かう。
30分で大仏殿前→手向山八幡宮→三月堂→二月堂→大仏殿前、17時近く夕闇が迫る。
15分で興福寺五重塔に着いたが、小雨となり、近くの商店街アーケードに避難。
◇夜の部へ備え
しばらく先程迷った路地を徹底探索。気になるお店が一軒見つかる。
ホテルへ戻って、一時間昼寝(夕寝?)。
スタミナを回復。
◇夜の部
20:00 近くの猿沢池で、興福寺五重塔のライトアップを撮影。
東向き商店街で夕食。
迷路に入り、マークしていた町家の飲み処「京富」に寄る。
これがすばらしい巡り会い。
奈良に我が<隠れ家>を見つけたと実感。(→blog食!)
軽く焼酎を楽しんで、ホテルに戻って寝る。
◆11月30日(日)快晴
◇正暦寺(しょうりゃくじ)へ
09:40-10:10 JR奈良駅から臨時急行バスで、紅葉の名所という正暦寺へ。
寺の境内や周囲の山は、紅葉に染まっていた。
客殿である福寿院には、枯山水の小庭園があり、紅葉が映えて趣があった。。
◇薬師寺へ
奈良へ戻って、昼食後に近鉄電車で西の京の薬師寺へ。
東塔、再建された西塔、金堂、大講堂を回り、写真撮影。薬師如来、日光・月光菩薩を拝観。
観光客や就学旅行生で混んでいた。ココには紅葉はなし。
◇大阪・難波へ移動
これから2泊は難波の東横イン。近鉄電車で難波へ。
ホテル到着後、2時間昼寝。
20:00 ホテルから徒歩で約15分、道頓堀へ。
◇道頓堀、法善寺横丁
「くいだおれ食堂」は閉店、「かに道楽」の蟹看板も脚が動かないものに変ってしまった。
近くの法善寺横丁の串カツ店で、ビールとセットメニューで夕食。
帰りに「かに道楽」で蟹のにぎり寿司(3個パック)を買い、ホテルに戻り、食べて寝る。
(→ 次回へ続く)
■
◆花紀行はカラ振り
5/8-10に出かけた奈良・大阪紀行は花紀行のつもりであった。
今年は花が早くて、残念ながらカラ振りとなった。
以下、その残念紀行の報告。
◆長谷寺のボタン
ボタンといえば長谷寺、長谷寺といえばボタン。
しかし、一週間前に満開が終り、鉢植えの数輪が残るのみ。
長い坂(石段)を降りて登って、また降りたところで待っていてくれたボタン。
捲土重来を期すが、ここの満開時には、たぶん人の波、波。
狭い参道の石段の両側に咲くのだが、写真などまともに撮れそうもない。
もっと静かなボタンの名所を探すことにしようと思う。
◆春日大社のフジ
フジの春日大社、春日大社のフジ。
ここも本苑のフジは終っていた。
ただ神苑の方は遅咲き種が満開で、見事な花を観賞できた。
フジの花がこんなに長く下がっているとは知らなかった。
後で奈良の人に「昔は地面に着くくらい長かった」と聞いた。
地ずりのフジというそうな。
この長~いフジの花をどう撮影するか実に難しい。
他の花と違う撮り方が必要で、来年までの宿題だ。
ここのフジ園内は三脚使用禁止であった。
フジも普通咲きの「藤」色の花が見たい。
三脚を据えて、長いフジの花をきれいに撮りたい。
やはり、春日大社以外の名所を尋ねるのがよさそうだ。
◆まずまずの花紀行
今回は、満足できるボタンとフジの撮影はできなかった。
でも、それぞれの名所の様子も分かったし、花の撮影方法も少し会得できた。
来年のボタンとフジが待ち遠しくなる花紀行であった。
【ここで一首】
ボタン散り 遅咲きのフジ 大和路に 過ぎ行く春は 名残りゆかしく