« 野菜畑:ソラマメとキヌサヤ | メイン | 肥料の散布(ビデオ編) »

溝切り作業

6月24日午前、西名柄のHさんの溝切り作業を見学。
昨日から晴れの天候で、かなりの暑さ。
すでに早朝からの作業で一町歩を済ませておられた。

◆溝切りとは
「溝切り」とは、田んぼの苗の間にV字型の溝を掘ること。
苗の8条毎に1本の溝を掘る。
加えて、田んぼの手前と向こうの横方向に各1本の溝を掘る。

ビデオ・ギャラリー

写真ギャラリー


◆溝切りの効果
「溝切り」の効果は、3つある。
ひとつは、田の水はけがよくなり、苗の根が下方向に伸びること。
苗は強くなり、おいしい米が実る。

もうひとつは、根が下方向に張るので収穫時にコンバインで刈りやすいこと。
さらに、土が乾燥していて、コンバインの重みで田が沈むことがなくなること。
溝切りは、米作りに欠かせない重要な作業である。

◆重労働
その溝切りは、重労働で、農家の人達の大きな負担になっている。
ほかの作業では車両化が進んだが、溝切りは遅れている。
映像で紹介したように、小型エンジン付きの溝切り機を手で押して使う。

泥の田んぼの中を、ひたすら押して、往復を繰り返す。
強い日差しをさえぎるものはなく、田んぼの中の孤独な作業。
時々息を整え、水分を補給して、作業を続ける。

よく紹介される米作りは、田植えや稲刈りの車両化された作業である。
初めて、溝切りを見学して、きびしい現実を知ることができた。
おいしい米は、この重労働をこなす農家の人達のおかげで作られている。

◆溝切り車
その溝切り作業も、ようやく車両化されそうである。
つまり、溝切り車を運転して、作業ができるようになる。
そうすれば、重労働が消えることになる。

◆米作りを思う
ずいぶんと省力化が進んできたが、米作りの難しさはそれほど変わらない。
機械を使って誰でもできるなどというものでは、決してない。
経験と技術と判断力と体力と運が総合される必要がある。

そこに、米作り農家のプライドがあり、醍醐味もあるのだと思う。
おいしく安全なお米を食べ続けるためには、まだ知らないことが多い。
奥の深い米作りを、さらに学んでいきたい。■