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お米2007 ~ 食後の感想5

◆作りたい米が作れない生産者
今の米作りは、販売を農協(JA)に依存している。
JAの指定する米を作らなくては売ってもらえない。
一般の農家は、米の流通ルートを持たないので止むを得ない。

流通ルートだけでなく、米の乾燥機を持っていない。
コンバインで収穫した米はJAのカントリー・エレベータで乾燥される。
巨大なカントリー・エレベータは、地区一帯の農家の米を次々と飲み込む。

つまり、多くの農家の米が自動的にブレンドされてしまう。
つまり、作りたい米を作りようがない。
以前はそれで済んでいた。

しかし、米余りや米価低迷でJA依存は壁にぶち当たっている。
しかし、流通ルートはないし、米はカントリー・エレベータで乾燥するしかない。
こうした状況の下で多くの農家は立ちすくんでいる。

◆食べたい米が食べられない消費者
消費者は市販の米を迷いながら、あるいは物足りなさを感じながら選んでいる。
親戚や知り合いの農家がない消費者は、生産者の顔が見えない米を買っている。
食べたい米を探し、続けて食べるにはどうしたらよいのか。。

重要なのは、消費者が十分な『米知識』を持つことである。
『米知識』とは、味とか産地とかだけの知識ではない。
しかし、消費者への『米知識』の情報提供は十分でない。

◆考えたいこと
その1:消費者が食べたいより安全でよりおいしい米が、世の中に確かに存在する。
その2:米には同じコシヒカリでもいろいろな味があり、それぞれを楽しむことができる。
その3:農家との顔の見える交流は、農家も求めている。

その4:農家がJA依存から脱却するカギは、消費者への流通ルートの確保にある。
その5:農家と消費者の直接取引は、農家にとって負担が大きく、仲介機能が必要である。
その6:インターネットはきわめて有用であるが、農家への技術的支援が必要である。

その7:食べたい米は、農家の経営が安定する妥当な価格で購入する。
その8:米作りは国土保全と食料安保に必要不可欠で、消費者が支えなければはならない。
その9:米作りの実態への理解を欠いた効率化政策は、農家・農業を滅亡させる。

(→ 次回からは、「米作りを考える」シリーズを掲載します)