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米作りを考える7 ~ 米を知らずして米を語るなかれ

◆米を知らない人達の米議論
米問題を議論するTV番組を視ていていつも気になる。
学者も、政治家も、ゲストのタレントも、消費者代表も、司会者も、
ほとんどが、米作りの現場・現実を知らな過ぎる。

報告書や統計数値、経済理論、伝聞情報などを知識のベースにしている。
平均値やらグラフやらアンケートやらを、もっともらしく振り回す。
リアルな現場体験がない、スカスカの意見が多い。

彼らは、ふだん自分が食べている米について知っているのだろうか。
5キロでいくらで、銘柄は何で、産地はどこか。
米を作るプロセスも理解できていないようだ。

我が国の米作りは、きわめて地域性が強く、地形や気候などは多種多様だ。
現地の実状に合わせた、きめの細かい対策の積み上げが必要なのだ。
全国一律の減反政策や大規模化などは、愚策のきわみだ。

医療の知識もなく、患者を直接診断もせずに、処方箋を書くようなものだ。
米を知らないで米を議論するのは遠慮してもらいたい。
始末が悪いのは、こういう人達が米政策に影響力を持っているということだ。

◆消費者の米知識
一般の消費者も、米についての知識はあまり持っていない。
いろいろな味の米、隠れたおいしい米があることをご存じない。
農家の人たちがひたむきに作業する姿、その心情をご存知ない。

他人のことはいえない。
吾が身を振り返れば、いつもスーパーの特売で「あきたこまち」を買っていたっけ。
新発田で農家の人たちと接するようになって、すっかり変った。

生産者側からの情報発信が、不十分なのは確かだ。
インターネットのサイトでも、米作りを丁寧に紹介するものは少ない。
米販売サイトは多いが、商品としての米の宣伝情報が主だ。

食品偽装の問題は、信頼できる食品への関心が高めた。
安全でおいしい米の知識を普及させるチャンスでもある。
当サイトもささやかながら、消費者への情報提供に役立ちたいと思っています。(自己PR)