米作りを考える9 ~ 小規模米作りへのエール
◆大規模化の強要はやめる
大規模化しなければ米作りの補助はしない、というのは誤った効率主義の強要だ。
町のラーメン屋さんはダメで、チェーン店や大飯店ならOKというようなものだ。
小さいから非効率で厄介物だと政治が決めるのは、国民の生活権の否定だ。。
決めるのは消費者であり、生産者=農家だ。
どういう規模でやろうが、その努力を支援するのがスジだ。
小規模ながら個性的な農家は、適切な支援があれば、米作りを続けていくことができる。
◆市場経済で勝つ小規模米作り
小規模農家も自立の努力が必要だ。
安全安心でおいしい米を作り、自信をもってアピールすることだ。
小規模ゆえに顔の見える米を消費者に提供できる強みがある。
農家の弱点は販売力がないことで、そこを支援するのがポイントだ。
中間の販売経費を排除して、利益が上がるようなルートを構築してあげることだ。
米の販売で利益が出れば、補助金に頼ることなどなくなる。
◆米作りは米を作るだけではない
水田は、千年以上にわたって祖先が営々と築き上げてきた第二の国土である。
そこでは自然との絶妙なバランスで米を生産してきた。
わずか四、五十年の効率至上経済の歪みの犠牲にして、荒廃させることは許されない。
国民の主食の確保、水田を含む国土の自然環境の保全、地球温暖化防止。
米作りの果たす役割は、米価だの補助金だのとは、次元が違う世界にある。
国家として国民として、これからもずっと水田を維持していかなくてはならない。
排気ガスを振りまいいて走る自動車を大量生産して、巨大利益をあげている企業がある。
一方で、水田耕作は二酸化炭素を吸収して米を生産している。
自動車産業が納める税金の一部は、ノシをつけて米作り農家に還元してはどうだろうか。
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