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米仙人の手植え2009(中)

5月6日、晴れ。手植えの田植えの日。
親戚の車で仙人宅へ。
奥さんは先に出かけたとのこと。

◆手植えが始まる
現地では、仙人が田植え枠を転がしていた。
娘さんと親戚の奥さんは手植えの姿でスタートの直前。
すぐに、カメラとビデオを用意。約2時間の撮影となった。

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◆田植え枠を転がす
手植えでは、田植え枠で田んぼの表面に筋目を付ける。
仙人は、目が八寸角で六角柱の枠を使っている。
田植え機導入以前に使っていたものだ。(よくぞ残してあった!)

泥んこの田んぼで、枠を真っ直ぐに転がすのは難しいそうだ。
仙人は、実に力強く、確実に転がす。しかも早い。見事な技だ。
正方形の桝目がきれいについていく。

◆仙人の仕事振り
仙人はつぎつぎと作業をこなしていく。座ってひと休みなどという暇は見せない。
田植え枠で田んぼを一枚終わると、自分も手植えに参加して片道を植える。
と、今度はあぜ道を渡って、田んぼの向う側へ補充用の苗を運んでいる。

また、手植えを片道こなす。
水の流れを調節して、すぐ下の田んぼに田植え枠を移して、転がす。
終わると、一輪車に枠を載せて、一番上の田んぼに運ぶ。

田んぼは5枚で、段々で、狭くなっていく。
そこで田植え枠についた泥を丁寧に洗い流しいる。(まるで磨くように)
いやはや超人的な仕事振り!!!

◆手植えは進む
手植えは時間がかかる。機械に比べれば、非効率の見本だ。
しかし、ここは効率とは無縁であり、生活をかけているわけでもない。
おいしい米を作るためだけの作業だ。

二人の植え手は、一歩一歩進んでいく。
親戚の奥さんは、かつて早乙女で活躍したキャリアウーマン。
昔とった杵づかで、手馴れた技がすばらしい。

仙人の娘さんは、今年が二年目の、まだ駆け出し。
しばらくすると、二人の差はかなりついてきた。
しかし、熱心に楽しそうに植える娘さんを見ていると、慣れるのも早そうだ。

手植えでは、苗を差し込んだ後、指で周りの土を寄せて、苗の根元を押さえておく。
これをしないと、苗が浮いてしまう。水中の隠れ技。
また、前の方に植えているが、後ろへ下がりながら植える場合もあるという。

◆自然のリズムで
ホーホケキョ。ウグイスが鳴く。鳥達のにぎやかなさえずり。
ケロ、ケロ。カエル達の声も。
ポチャリ、ポチャリ。苗を植え進む水音。

菜の花が咲き、わらびが芽を出している。
心安らぐ自然のリズム。
人は、こんな世界に浸ることを夢見て生きているのかもしれない。

◆おいとま
正午頃、田植えは一枚目が終わりに近づいている。
この田んぼは約4畝(400平方米)で、2時間位かかった。
全部で約1反5畝(15畝)なので、明日の午後に完了か。

「お昼食べていきなせえ」とお誘いを受けた。。
撮影も続けたかったが、ここでおいとまする。
土に生きる尊い姿を拝見できたことに、心よりの感謝を捧げたい。

(感動の余韻は、今でも残っている)

【芭蕉の一句】
田一枚 植えて立ち去る 柳かな (奥の細道)