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◆趣味の古代米作り
西名柄のHさんは、古代米の一種である黒米(紫黒米)を作っている。
作付けはわずかで、趣味の産物。
少な過ぎるので、コンバインではなく、手で刈る。
乾燥は天日干しで、ビニールハウスのフレームに掛ける。
いわば、ミニ・ハサ掛けで、秋の薄日を受けている。
このあと、「千ばこき」という道具でもみをそぎ落とす。
もみをJAのカントリーエレベータに持込み、検査用の籾摺り機で玄米にする。
特殊な米なので、籾摺り機を2回通す。
なかなかに工夫されたやり方だ。(拍手~)
◆古代米を食べる
古代米は、弥生時代に栽培されていた赤米や黒米の仲間で、もち米系である。
紫黒米は、見かけは黒いが、白米にごく少量を混ぜて炊くと、小豆赤飯のような色合いになる。
雑穀飯にしたり、寿司飯に色をつけたり、炊き込みご飯の地色を付けたり、などで利用できる。
◆出会いの不思議
3年前の田植えの時に、田んぼでHさんに出会った。
そのHさんが古代米を作っていた。
今年は稲刈りの予定日朝に雨が降り、畑の方に行ったら古代米のハサ掛けに出会った。
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◆仙人の田んぼへ
9月5日の夕方、親戚の車で仙人の田んぼを訪れた。
仙人は、田んぼの脇の畑で草を刈っていた。
除草剤は使わないので、鎌で刈る。
◆輝く稲穂
田んぼは黄いろく色づいていた。
いや、遅い午後の日差しに、キラキラと輝いていた。
段々の田んぼが軽く浮かび上がっているように見えた。
爽やかで、鮮やかで、豊かで、小粋で、優しくて ‥‥
すっくと伸びて、全体に実りの力があふれている。
仙人が手塩にかけた稲穂の田んぼ。
◆宮沢賢治の世界
ふと「どんぐりと山猫」の一場面を思い浮べた。
山の中のカヤの木に囲まれた、美しい黄金(きん)いろの草地。
ここで、山猫の裁判官が黄金色のどんぐり達の争いを裁く童話。
そんな宮沢賢治の世界をほうふつとさせる仙人の田んぼ。
澄みきった心象のイーハトーブ。
この世で巡り会えた不思議。
◆次は稲刈りとハサ掛け
下旬には稲刈りだ。 刈った稲は、すぐハサ掛けするという。
見学、撮影させていただくことを了解していただいた。
ひたすら楽しみである。
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