宮澤菓子店の「粉菓子」
「粉菓子」は、木型に材料を入れて押し固め、それを打出して作ります。
落雁に似ていますが、より大型で、中に小豆餡が入っています。
型や彩色により、鯛や松などの種類があります。
サクサクの白い粉地としっとりした餡の絶妙な味のハーモニー。
50年来の懐かしの味です。
子供の頃は、結婚式の引出物で、よく食べました。
その頃と、製法も材料も味も変わらないとの事です。
ここのご主人は、時々、お店で手ずから、お菓子を包んでくれます。
そんな折り、いろいろとお菓子作りのお話などを伺えます。
材料のもち米、小豆、砂糖などの入手が困難になっています。
木型を作る職人もいなくなりました。
菓子作りの後継者もおりません。
当代限りの「粉菓子」です。
50年ぶりに味わえたのは、まことに幸いでした。
もうしばらくは、この味を楽しませていたけそうです。■