« 2008年03月 | メイン | 2008年05月 »

2008年04月28日

わっぱ飯 ~ マイ・レシピ編

◆わっぱ飯のレシピ
わっぱ飯は味付けご飯を炊いて、好みの具をのせて、せいろで蒸す。
それだけの料理であるから、レシピは簡単。
具の食感と風味を引き出す薄味がポイントだ。

ネットのレシピを参考に、適当にやってみる。
4人分とあるが、ボリュームのある2人分として作ることにした。
具は、鮭、ホタテ、エビにしてみた。

◆材料と準備
・米2合(360cc)+ 水320cc  (固めにした)
・A)料理酒(大さじ2)+みりん(大さじ1)+醤油(大さじ1/2)+塩(小さじ1/2)
   → 混ぜておく
・だし昆布 5cm角位

・B)一塩鮭(一切れをそぎ切り)+ホタテ貝柱(2個を半切り)+エビ(適量)
   → ご飯が炊ける頃に、軽く塩をふり料理酒をまぶして20分おく

・ミツバ + キヌサヤ

・イクラ醤油着け(好みの量)+オオバ
   → 食べるとき加える
・きざみ海苔

◆調理手順
1)米をとぎ、水を加え、Aと昆布を入れる。
2)30分位で昆布を取り出し、炊飯器のタイマーをセットする。
3)炊き上ったご飯をミニせいろ(2段)に移す。
4)Bの具をのせる。(具の分け方はお好み)
5)せいろに合わせた大きさの鍋に水を入れ、せいろをのせて中火で5分蒸す。
   → 水はかなり蒸発するので、800cc位は入れる
6)キヌサヤを加え、ミツバをのせ、さらに1分蒸す。
7)でき上りに、イクラをオオバに盛ってのせ、キザミ海苔をふりかける。

(続く)■

2008年04月27日

わっぱ飯 ~ そもそも編

◆わっぱ飯との出会い
四十年程前、東京・神楽坂の近くに「わっぱ飯」の店があった。
そこで「わっぱ飯」を初めて食べて、すっかりとりこになった。
お昼の定食メニューが楽しみだった。

海老わっぱ、鮭わっぱ、鳥わっぱなどは定番メニュー。
特製の五目わっぱ、海鮮わっぱがあり、季節メニューもあった。
山菜わっぱ、松茸わっぱ、牡蠣わっぱ、カニわっぱ、などなど。

値段の高いものは給料が上がった時の楽しみにして、もっぱら定番メニュー。
それで十分においしく、ボリュームもそこそこ。
店の前の通りには都電が走っていたっけ。

まもなく会社が引っ越して、店にも遠くなってしまった。
この前、久しぶりに神楽坂へ行き、あの店を探した。
あたりの様子はすっかり変っていて、店もない。

◆わっぱ飯を求めて
食べられないとなると、どうしても食べたくなる。
ネットで探したわっぱ飯の店も、どうも合わない感じ。
新潟駅の近くや新発田の店でメニューにあるのを食べたが、ち・が・う。

値段が安く、具材はささやか、ボリューム不足。
そこで決めた。
自分の自分による自分のための「わっぱ飯」を作ろう。

◆ミニせいろとレシピのゲット
わっぱ飯作りは難しくはなさそうだった。
赤飯や混ぜご飯よりは手間がかからないだろうと思った。
ミニせいろとレシピがあればいい。

 ◇ ◇ ◇

ミニせいろは、入手に苦労した。
市販のせいろは大き過ぎるし、ネット検索でも見つからない。
キーワードを「ミニわっぱ」にしたためでもあった。

結局、大館の曲げわっぱ「栗久」のHPで思いがけず見つけた。
求めよ、さらば与えられん。
3月に「栗久」まで行き、曲げわっぱ「おひつ」と「ミニせいろ/二段」を購入。

「おひつ」の方は在庫持ち帰りであったが、「ミニせいろ」は在庫なしのため予約。
製造順が回ったらしく、24日に届き、感謝感激雨あられ。
木の香りがいい。

 ◇ ◇ ◇

レシピはネットで、いろいろ見つかる。
以前よりヒット数が増えたよだが、納得できるものはほとんどない。
シンプルで応用が効く内容のAJ社のを基本にすることにした。
(続く)■

2008年04月26日

土釜でご飯を炊く

◆土「釜」
以前に買ったとき、土「鍋」のつもりだった。
つい最近使い始めたとき、使用説明書を読んだら土「釜」だった。
鍋にも見えるし釜にも見えるし、どこが違うのかな?

本体も蓋も、ぶ厚くてずっしり重い。
土釜でご飯を炊くというのは、けっこう勇気が要る。
初めてだし、火をつけたら「赤子泣いても蓋とるな」である。

◆慣れれば簡単
水加減が、好みの炊き上がりにするポイントだ。
説明書よりは、少ない水量で調節した。
3回目で合格点のご飯が炊けた。

2合(カップ)のコシヒカリに340ccの水がよかった。
説明書では400ccだが、軟らか過ぎる。
お米をといで、土釜に水と入れて20分置き、ガスの中火で15分炊く。

火を止めて15分蒸らし、ヘラでかき混ぜ、おひつに移す。
普段の炊飯器より優しい感じに見えるご飯だ。
土釜では高圧で芯まで火が通っているようだが、味にさほど差はないと思う。

◆土釜の効用
何万円もする炊飯器と3千円弱の土釜で差がないのは皮肉だ。
米をといでからご飯が食べられるまで、今回は55分。
炊飯器は、2時間の浸け置きが必要で、約3時間かかる。

おひつとハイテク炊飯器のことを、以前(4/3 )に論じた。
そのとき、圧力をかけて炊くのと土釜を使うのがあった。
対してこちらは、低価格の素朴な「伝統ハイテク」の土釜そのままだ。

つまりは、土釜で炊いて、わっぱのおひつに入れればOKということ。
後は食べるときに、電子レンジで約2分暖めれば、おいしいご飯だ。
電気を食い、不燃廃棄物になり材料浪費の高価格ハイテク炊飯器と正反対だ。

【ここで一首】
  圧力で 芯まで通す 水と熱 土釜の炊飯 味は優しく

2008年04月19日

おひつ:使用体験 ~ 72時間後のこと

◆大丈夫!
ご飯を炊いて3日目、前日の食べ残しがおひつの中に。
72時間は経過している、大丈夫かな、と思いつつふたをとる。
指でつつくと、表面はパラパラ、全体はひとかたまり状態。

耐熱皿に移して、そのままレンジで2分間温める。
取り出して、ほぐしやすくなったのを、ヘラで細かにほぐす。
再びレンジで、今度は1分。

レンジを開けると、中は蒸気がもうもう。
ご飯は十分柔らかに温まっていて、味もよし、香りも通常。
ごく普通のご飯として食べた、というより「3日前」の意識はなかった。

◆実力に感嘆
曲げわっぱのおひつなら、72時間後でもご飯はおいしい。
十分過ぎるほど十分だ。
3~4日に一度は炊きたてのご飯が食べたいから。

片手で軽く持てるコンパクトな木の器に、ただ入れておくだけなのにこの効果。
これからの梅雨時や暑い夏にはどうであろうか。
結果が今から楽しみである。

2008年04月17日

打ち豆

◆打ち豆の味噌汁
食器棚の奥から「打ち豆」の袋が出てきた。
賞味期限は、約2年前。
でも、そう悪くなるものでもないからと、味噌汁の具にする。

適量を水で戻して、軽くゆすぎ、鍋を火にかける。
軽く沸騰すると、アクがかなり浮いてくるので、すくい取る。
ダイコンを入れて、後はダシと味噌でできあがり。

味は上々、打ち豆は歯ごたえもよし、大豆の味もバッチリ。
この打ち豆は、栃木県のメーカーが国産の青大豆で作った。
安心で、純粋で、味がよくて、食物繊維もたんぱく質も十分な優良食品だ。

◆打ち豆はふるさとの味
打ち豆を食べると、いつも思い出す光景と音がある。

子供の時、親戚の婆ちゃ(ばばちゃ=叔母)が、孫をあやしながら打ち豆を作っていた。
石臼の上に豆を一粒置き、木づちでピシリとつぶす。
秋の陽だまりに拡げたムシロの上で、一粒一粒をていねいに力強く打っていく。

側にしゃがんで眺めていたこの光景と音は、古きよき時代の田舎の原風景だ。
あの婆ちゃの打ち豆はもうない。
機械で作る今の打ち豆もおいしいのだけれど。

【ここで一首】
   打ち豆を 食(は)めば懐かし 秋の陽に 石臼でピシリ 婆ちゃの木づち

2008年04月10日

おひつ:使用体験 ~ 60時間でもOK

◆長時間保存OK
ご飯をおひつに移してから、56時間位。
ハサ掛け米がだいぶパラパラになっていた。
お皿で軽くほぐして、電子レンジで暖める。

炊き立てには及ばないが、しっかりと本来の風味を再現している。
ご飯全体が均一で、しっとりとして、香りもいい。
木の香りの方はもうほとんどしないけれども。

レンジのかけ方を少し工夫する余地はある。
それでも、60時間保証は間違いない。
朝炊いたご飯が翌々日の夕食までOKということだ。

◆優れた保湿性
曲げわっぱのおひつはスグレモノだ。
ハイテク炊飯器が四苦八苦している保湿性で圧倒的に強い。。
ハイテク炊飯器はようやく40時間に手が届いたに過ぎない。

各社各様の製品を競っているのは、決め手に欠けるということだ。
大企業が開発費・人材・原材料・生産設備などを相当に投入している。
大企業にはもっと他にやるべきことがあると思うが、如何?

◆環境/地域社会の伝統型ハイテク
曲げわっぱ・おひつは、杉材と伝統の技と機能設計の結合した「伝統型ハイテク」製品だ。
ふつうのおひつでも、けっこうな保湿機能を持っているであろう。
環境/地域重視の社会では、「大企業型ハイテク」過剰製品は見直す必要があると実感する。

2008年04月03日

おひつ:おいしい炊飯生活

◆ハイテク炊飯器情報
おひつを使い始めて1ヶ月になる。
そんな折に、日経新聞(3/29朝刊)が、炊飯器の比較記事を掲載した。
これがナカナカおもしろい。

◆各社各様(要約して転載)

<圧力タイプ>
ZM社:沸騰する前から加圧するので、米の甘味・うま味が十分引き出される。
    圧力は七段階の設定で好みや用途で炊き分けることができる。
HA社:圧力で一気に炊き上げた後、高温スチームで蒸らす。
    保温中は定期的にスチームをかけ、乾燥を防ぐ。
TC社:浸し時にポンプで減圧し米の芯まで水を吸収させ、炊飯時には圧力をかける。
    保温時は内部を減圧して真空状態で黄ばみ・乾燥を防ぎ、40時間迄の保温ができる。

<釜素材タイプ>
MD社:99.99%の純度の炭素素材の釜で一気に炊き上げる。
    米の一粒一粒がしっかりと膨らみ、歯応えを楽しめる。
TM社:土鍋釜の蓄熱性で熱をじっくりと伝えて炊くので、素朴な味を楽しめる。
    保温には向かない。

◆ハイテクご苦労さま
いやはや、ハイテクもたいへんだ。
圧力をコントロールしたり、スチームをかけたり、減圧してみたり。
炭素釜にしたり、土鍋釜にしたり。(5年前に買った我が中テク炊飯器はチタン釜)

どれも、ご飯をおいしく炊くためにハイテクの粋を尽くしている。
問題は保温で、今は40時間が最長か。
余ったご飯は冷凍しておいて、食べる時に電子レンジでチンするのがお勧めのようだ。

◆おひつを使う炊飯生活
おいしいご飯は、おいしい米を炊けばよい。
おいしい米は、炊飯器の性能にはほとんど関係ない。
ハサ掛米も農家自家用米も、我が中テク炊飯器で十分おいしい。

市販の米には、ハイテク炊飯器が役立つかと思う。
米と炊飯器のどちらにコストをかけるかは考え方による。
どちらでも、おいしいご飯を食べることは幸せだ。

いずれにしても、炊いたご飯は早めにおひつに移すのがいい。
炊飯器の保温は非自然であり、ず~っと電気を消費する。
冷凍庫に入れてもず~っと電気を消費する。

おひつは消費エネルギー0で、50時間はちゃんと保湿&保存してくれる。
食べる時食べる量だけ暖めるのに、電子レンジで電気を少々使うに過ぎない。
おいしい米とおひつと中テクの炊飯器+電子レンジで十分だ。

大事にすれば、おひつは10年以上使えるし、壊れても危険はなく、可燃ゴミで処分できる。
電気製品は、製品寿命が尽きると故障したり、まれには火を噴いたりする。
廃棄は不燃ゴミになるから環境に良くないし、金属などの資源のムダ使いにもなる。

【ここで一首】
   <ハイテクも 電気も控え目 おいしさは おひつ任せの 炊飯生活

(続く)■