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彦根~喫茶店『ベニヤ』

◆旅先の喫茶店
旅先で、<街のよい喫茶店>を見つければ、その旅の半分は成功だ。
たいていは2泊3日で滞在するから、喫茶店には3~4回は立ち寄る。
繰り返し寄るお店に出会うと、うれしくなる。

 ・街中(なか)にある純喫茶
 ・会話を楽しめるマスタ
 ・なじみのお客さんとも会話ができる雰囲気

などが、<街のよい喫茶店>の条件だ。
ただ珈琲を飲むだけでなく、土地の人と言葉を交わし、情報を収集する。
こういう店は、珈琲もしっかりと入れてくれるのである。

◆彦根の『ベニヤ』
彦根でも、純喫茶は絶滅危惧種のようだ。
絶対数が少ない中で巡りあった『ベニヤ』は、けなげにも生き残っている。
往年の繁華街・銀座通りにあり、わが理想の<街のよい喫茶店>である。

最初に訪れたのは、2日目の日曜午後。
サイクリングの途中で、ふと、看板が目に留まった。
店構えがいかにも純喫茶風であり、ドアを開ける。

シックな店内、他に客はなく、ボックス席に座り、珈琲とトースト(700円)を注文。
午前中に通った道順などを地図で確認したりして、ホッとひと休み。
帰りかけに、マスタの奥さんと話し始めたら止まらなくなって、30分ほど立ち話。

和菓子、キャッスルロード、街の景気、などなど。
これがなれそめで、次の日も立ち寄る。
今度はカウンタ席で、なじみのお客さんも交えて、おしゃべりのひとときを過ごした。