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最近の紅茶事情:2011年03月

◆紅茶がものたりない
どうも今季(2010年産)のダージリン紅茶は、ものたりない。
いつもと比べて、お気に入りのリーフが揃わない。
紅茶不作のようだ。

しっかりと楽しめるのは、<サングマ>だけという状況。
他のリーフもいろいろと試してみたが、どれも個性が薄い。
それなりの味わいだが、決め手に欠ける感じだ。

<サングマ>
香りが良く、甘みがあり、香ばしくて、マイルド。
安定したリーフで、風格すら感じられる。
今季はこれ一本、ということだ。

<ギダパハール>
まろやかでフルーティな味わいで、香りが良く、ほのかな甘みが優しい。
それでいて、惹きつけるほど個性的ではない。
それが特徴なのかも。

<ロヒニ>
マイルドで、ほのかな甘みがある。
ひなびた香り、あるいは干し草のような香りが感じられる。
まずまずという感じはするけれど。

 ◇ ◇ ◇

この<ロヒニ>は「クローナル」という栽培法の品種である。
「クローナル」とは、「クローン」に通じ、接木(つぎき)で増やす。
つまり、DNAは全て同じで、品質が一定のリーフ、ということになる。

桜のソメイヨシノも「クローナル」だ。
突然変異で出現した優れた雑種を、接木(つぎき)で増やしてきた。
だから、同一地域のソメイヨシノは一斉に満開になるのだそうだ。

◆珈琲は値上り
まもなく、珈琲が大幅に値上がりするという。
新興国の需要が伸びたとか、投機資金が買っているとか、天候不順のせいだとか。
ゆっくり楽しむ紅茶は、春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)であって欲しいものだ。

(春風駘蕩=春風がのどかに吹くさま。物事に動じないで余裕のあるさま)