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F1野菜:遺伝的生物的特性

◆F1について考える
<blogサイト日記>から引き継いで、『F1』をテーマに当ブログで考えていきたい。
頼りにするのは、前述の野口さんの本である:
-- ・「タネが危ない」野口勲著(2011年9月発行 日本経済新聞出版社 1,840円

本書では、F1について多くの具体例を挙げながら丁寧に説明している。
しかし、申し訳ないけれど、F1とは何かを要約して理解するのがなかなか難しい。
もともときわめて複雑な分野である上に、我が読み取り能力が貧弱なせいもある。


◆F1の遺伝的生物的特性(=私的な理解)
F1を理解するには、簡潔な表現が覚えやすくて有効だ。
それには専門的な用語(キーワード)を避けない方がよさそうだ。
そこで、私的につぎのように表現してみた:

-- ・F1は、雑種強勢による一代交配雑種で、多くは雄性不稔ミトコンドリアを持つ

前半部分は<F1が急速に普及した理由>にもなっている。
後半部分は<F1の危うさを示唆する要因>になっている。
ただ、初めて見たらチンプンカンプンかもしれないので、以下で用語の説明をしたい。


◆用語の説明(=私的な理解)

◇<雑種強勢>(ざっしゅきょうせい)
・雑種第一代が両親のいずれよりも優れた形質(大きさ、耐病性など)を示す現象
なぜそうなるのかは未だ解明されていない、という。

◇<一代交配雑種>
・雑種強勢を利用して、より有用な形質を伸ばす方向に品種改良されたもの
交配一代目のみが有用で、その形質は二代目以降には引き継がれない。

◇<雄性不稔>(ゆうせいふねん)
・雌しべは正常だが、雄しべに欠陥があるため、受粉・受精や種子形成ができないこと
もう少し具体的には、雄性不稔の植物の株は、

・花粉を作る能力を欠いている
・花粉粒は作るものの正常に発芽できない
・葯が物理的に裂開不可能、など

◇<ミトコンドリア>
・細胞内に共生している微粒子で、細胞にエネルギー源である酸素を供給する。
反面、自分が傷つくと活性酸素を発生させ、細胞の老化やガン細胞化の要因ともなる。

ミトコンドリアは、一つの細胞に数千個も含まれている。
ミトコンドリアは母系からのみ遺伝し、父系のミトコンドリアは受粉時に消滅する。
なぜ、父系のミトコンドリアが消滅するのかは、まだ分らないそうだ。

F1では、多くは、このミトコンドリアの雄性不稔の遺伝作用を利用している。
自然界では、雄性不稔のミトコンドリアはごく稀に出現するが、すぐに淘汰される。
しかし、F1の世界では、雄性不稔のミトコンドリアは<金の卵を産む鶏>なのだ。

F1は、自らの種を再生産できない一代雑種である。
F1は、異常な遺伝子のミトコンドリアを、全体重量の約10%含んでいる。
どんな野菜をどのように交配してF1にしたのかは、種苗会社の企業秘密である。。


こんなF1野菜を毎日食べ続けて、ホントに大丈夫なのだろうか?