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2008年12月10日

鉄火丼:奈良「まぐろ小屋」

◆鉄火丼を食べに行く
近鉄奈良駅から東向き北通りへ入る。
登大路を挟んで、東向き通りの反対側。
短い通りの終り近くの左側に、「まぐろ小屋」がある。

ココは、地元奈良の型のお勧めとして紹介された。
ランチタイムのメニューは、マグロづくし。
手狭な店内のカウンタに座り、迷わず『鉄火丼』800円を注文。

◆フツーの鉄火丼
マグロの量が少なくて、薄い。
それをカバーするために、タクアンやキュウリなどが添えられている。
ダイコンのツマやワカメなど脇役が並ぶ。

マグロと飯を按配しながら食べる。
そして、たいていマグロが先になくなる。
そうなると、残っているタクアンやキュウリで飯を食べるハメになる。

◆「まぐろ小屋」の鉄火丼
マグロだけがたっぷりのっている。
マグロは、厚くて大きくて枚数がある。
上質な赤身のづけマグロだ。

いつものように、マグロと飯を按配しながら食べ始める。
しかし、途中で気がつく。マグロが余る!
なんと、マグロで飯を包んで食べるハメになった。

◆最高の鉄火丼
こんな鉄火丼、食べたことはない。
鉄火丼の<★★★>だ。
奈良に行くたび、「まぐろ小屋」へ鉄火丼を食べに通いそうだ。

2008年12月09日

米飴:奈良「砂糖傳」

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◆米飴とは
米飴とは米から作った水飴である。(当たり前といえば当たり前)
一方、今時の水飴は米ではなくデンプンから作る。
両者は、原料も製法も味も色も香りも異なる。

 ◇米飴
「砂糖傳」の、米に麦芽を加え、麦芽の糖化酵素を利用して作る水飴である。(麦芽法)
米飴=麦芽水飴は原料に含まれる成分により琥珀色(飴色)をしている。
味にもコクと風味と香りがある。

 ◇市販の水飴
一般に売られている水飴は、デンプンに酸を加え、加水分解して作る。(酸糖化法)
酸糖化法の水飴は、無色透明で、ほぼ水分と糖質しか含まない。
コクも風味も香りもない。


◆「砂糖傳」の『御門米飴』(みかどこめあめ)
「砂糖傳」の米飴は、麦芽法で作る純粋米飴だ。
商品名は『御門米飴』で、壷入りの350gで1,250円。
壷は黒と赤があり、容器としても利用することができる。

米飴は、純粋で優しい甘さで溶けていく飴が、極上の美味感触。
懐かしい味である。
小学生のとき、麦芽で作った飴の味を思い出す。

◆米飴は割り箸で
米飴には、割り箸がよく似合う。
半分の長さにした割り箸を、壷の米飴に突っ込む。
ニューっと持ち上げて、壷のへりに箸をとめる。

箸をくるくると回して飴を巻く。
飴は巻かれても巻かれても伸びて、なかなか切れない。
ようやく細くなった飴を切ると、箸の頭に重ね巻きの飴の塊ができる。

口に入れる。とろける。
う~ん、いい甘さだ。
最後に割り箸をしゃぶる。

2008年12月08日

吉野葛カフェ:奈良「佐久良」

◆町家の葛カフェ
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「佐久良」は、奈良町の町家で営む吉野葛のカフェ。
入口は店舗で、吉野葛のいろいろな商品を並べて販売している。
すれ違うのがやっと位の通路。

靴を脱いで左手の小座敷(3?)に上がる
まっすぐ次の間(3畳?)へ進む。
右手が主座敷で、左手は通りに面した染色工芸のお店になっている。

◆部屋の様子と中庭
主座敷は20畳程で 床の間があり、座卓が四つ。
テーブルの大きさがそれぞれ違うのがおもしろい。
さりげない和の空間に、ホッとする。
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障子、廊下、ガラス戸を隔てて中庭。黒い鉄の釣灯篭。
隣家との境は土塀で、晩秋の午後の陽射しに輝いている。
庭の奥は、板べりの建物で、住居部分とのこと。
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◆いただきました
ココでは、注文を受けてから、ものを作るという。
シンプルなメニューだが、どれも魅力的。
初回(12/1)は葛きり、翌日はくず餅とした。

 ◇葛きりと抹茶のセット(12/1)
ツルっとして弾力のある葛きりを黒蜜ににつけていただく。
長い葛きりが喉を流れていく。いい感触だ。
抹茶がよくあう。

 ◇くず餅と葛珈琲(12/2)
くず餅も黒蜜でいただく。
ちょうど白玉のように丸いくず餅が、ツルっと喉から落ちていく。爽快。
葛珈琲は珈琲のくず湯で、これはおもしろい。暖まる。今度作ってみよう。

◆中庭を眺めながらトイレへ
間口が狭く奥行が長い町家のトイレは、奥の方にある。
障子を開けて、中庭に面した廊下に出る。
右手に行って、突き当りの左にあるガラス戸を開ける。

板敷きの縁側の突当りの右側がトイレ。(雨のときはどうするのかな?)
ちょうどL字型に曲がるので、往復に中庭を鑑賞することができる。
トイレは最新式のウォッシュレット。

◆「佐久良」は
町家の形をそのまま残しているのがすばらしい。
葛のメニューも心づくしの味がすばらしい。
奈良美人(ココのお嬢さん?)の応対サービスも実にすばらしい。

2008年12月07日

飲み処:奈良「京富」

◆隠れ家のような飲み処
11/29(土)の夜9時頃、もちいどの通りから路地に入る。
ポツポツと町家が残っている細道を歩く。。
と、ひっそりとした店構えの「京富」に気を惹かれた。

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小木戸の入口。
小さなメニューに「焼酎 500円」などと書いてある。
格子戸の窓から灯りが漏れて、軽い音楽。お客さんの声もする。

「よし」と木戸を開ける。背をかがめてお店に入る。
先客は男性二人でおなじみさん。自分は右手のテーブルに座る。
エネルギッシュな感じのママさんに、芋焼酎のお湯割りを注文。

◆店内の様子
4人掛けの木製テーブルが二つ、格子を背にした二人掛けベンチ。
先客はこのベンチに、酒・小皿を挟んで、並んでいる。
ござ敷きで小座布団、それぞれに脇息が置いてある。

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音楽は、懐かしのジャズ・ボーカルのCD。
奥の壁にエキゾチックな大きな板がかかっている。
(アジアのどっかで、牛に穀物を粉に挽かせる道具らしい)

入口は、町家の商家から譲り受けた扉の、閉店後に出入りする小木戸部分を利用したもの。
トイレへ通じるドアは、元郵便局から譲り受けたものをはめ込んだ。
このお店は、出入りは小木戸、トイレへは小ドアをくぐる。『隠れ家』的仕掛け。

和がベースでありながら、隅々までママさんのこだわりが息づいている。
それでいて、おもてなしの心が優しく伝わってくる。
初めてなのに、すぐにその雰囲気に溶け込んでしまった。

◆花街の置屋であった
「京富」のある町名は、元林院(がんりいん)町。
この一帯は、もと花街で、「京富」は置屋であった。
その建物を玄関部分だけを少し改装して、お店にした。

◆飲み物・食べ物
焼酎は陶器のグラス。
小皿のつまみは、焼いたギンナン。むいて塩を付ける。
一人で静かに焼酎を楽しむ。

そこへ、お煎餅が出てきた。
ママの母上(90歳)が、今、火鉢で手焼きされたという。
炭にはこだわり、京都から取り寄せたものを浸かっている。

アツアツの焼き立てをいただく。
香ばしく軽くパリッとしている。
年季の入ったお煎餅の貴重な風味を味わった。

◆トイレ
トイレは元郵便局の木製ドアの向こうの<別世界>にある。
しかし、ココではその紹介を控える。
直接お店を訪れて、感動していただきたいからである。

◆帰りにゴツン
10:30 ごちそうさま。焼酎お代り込みのお会計は、1,700円。
出がけに、小木戸でおでこをゴツン! 
あぁ、早くこの『隠れ家』のなじみにならなくては。

2008年05月24日

奈良:「キリマンジャロ」珈琲とジャズ

◆奈良の珈琲
5月10日、冷たい雨の中、横丁の喫茶店。
昨日通りがかりにチラッと見て、「良さそう」と感じてた『Rakan』。
11時、ちょうどチャーミングなママさんが開店準備中。

「いいですか?」「どうぞ」
店内はカウンター席が12位、店頭にテーブル席がある。
「キリマンジャロ」を入れてもらう。

◆キリマンジャロ
酸味の珈琲である。
このお店で一番酸味が強いとのこと。
一口飲む、コクも香りもいい。

昔、ストレートで初めて飲んだのが「キリマンジャロ」だった。
ヘミングウェイの「武器よさらば」を読んでいた頃である。
「キリマンジャロの雪」は読まなかったけど、タイトルには惹かれていた。

◆ジャズが流れる
軽いピアノのジャズが心地良い。
「これ有線?」(失礼なことを聞いてしまった)。
「知合いのマスターから貸してもらいました」

◆おしゃべり
「奈良には『大仏商売』という言い方があるんですよ」とママさん。
大仏様がおられるからお客には困らない、という商売。
「フジの花は地面に着く位長くて、『砂ずり』と言われていました」などなど。

◆極楽浄土
雨の朝、ジャズを聴きながら、おしゃべりと珈琲。
これはもう極楽浄土。
奈良の喫茶店『Rakan(羅漢)』のひととき。

 ◇ ◇ ◇

「うちはもともと豆屋なんです」
一杯280円!
帰りに「キリマンジャロ」を挽いてもらった。

今、ペーパードリップで入れて楽しんでいる。
凄ご味で、粉の量を控え目にしているが、もうクセになっている。
また奈良まで買いにいかなくては。