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参考書~「城郭の見方・調べ方ハンドブック」

◆城郭の見方・調べ方ハンドブック
お城について、かなり入れ込んで調べている。
西荻図書館で参考書を何冊も閲覧し、借りたりした。
建築の書棚にあった1冊を紹介する。

・城郭の見方・調べ方ハンドブック
   西ヶ谷恭弘ほか編著 東京堂出版 2008年 2,520円

前回紹介した「城郭みどころ事典(東国編),(西国編)」の姉妹本だ。
城別ではなく、天守、櫓、門、堀、石垣などからの見方をまとめてある。
これも、NHK教育TVの「にっぽんの城」テキストの広告に載っていた。

◆説明文も写真もかなり充実
天守にば、望楼型と層塔型があること、飾り屋根(破風)の種類などが理解できた。
櫓や門についても、あいまいだったところが理解できるようになった。
写真は、見方のポイントを押さえているものが多く、参考になる。

◆ハンドブックとはいえない!
要点がまとまっておらず、文章全体を読み直さないと、知りたいことがつかめない。
書いてはあるが、どこに書いてあるかが見つけにくいのだ。
小見出しがあまり適切でなく、歴史と特徴と実例の記述が混在していて、ややこしい。

表にまとめてないから、一目では内容が分らない。
入母屋や切り妻のような初歩的基本用語(?)の説明が無い。
索引も無い。

つまり、持ち歩いて気軽に参照することは困難で、とてもハンドブックとはいえない。

◆ネットで補ってみたけれど
足りないところは、ネット検索で探す。
検索用のキーワードが豊富になったので、かなり有効なHPが見つかった。
しかし、結論を言えば、理解は進んだが、欲求不満も高まった。

昨年11月に訪れた『彦根城』の天守は、「どういう天守なんだろう?」
上の本で説明されている「天守」の構造や破風の分類のどれに当てはまるのか?
情報はバラバラに散らばり、しかも不完全だから、具体的な「天守」では迷宮入りだ。

『姫路城』は実例になっているから分るのだが、ほとんどの他の城の天守はダメだ。
文章も写真もイラストも、誰でも分るようにはなっていない。
「何でまともで具体的なな天守説明が無いんだよ?」というストレスだ。

◆自分で調べるしかない
とはいうものの、この前の『彦根城』紀行の写真も、ただ撮っただけのレベルだった。
とても『彦根城』天守を語る写真には使えない。特徴を掴む「視点」がない。
「視点」を定め、自分で調べるれば、納得できる写真が撮れる。

たぶん、3月中には『彦根城』天守紹介の速報版を公開できると思うので、乞御期待。
『岡山城』天守も紹介したい。天守巡りも城下町機構のテーマに加えよう。
「天守」が急浮上したけれど、城郭や城下町についても、同じ欲求不満を抱えている。