日本のあり方:経済から文化へ(起の巻)
◆【文化】を基盤とする国家へ
これからの日本は【文化】国家を目指すべきと思う。
経済大国ではなく、文化大国へ。
経済立国ではなく、文化立国へ。
◆経済主導の行き詰まり
現代は、経済主導の時代で「経済」=GDP成長こそが国家を支えるという考え方だ。
企業が成長→従業員の給与上昇→消費が増大→企業の売上増加、という循環。
持ちつ持たれつの大量生産・大量消費で、みんなが「経済」的に豊かになっていった。
しかし、高度成長が行き詰まり、余剰資金で土地バブルが発生、やがてはじけた。
少子高齢化も加わり、内需が落ち込み、輸出依存の低成長時代に入った。
暗中模索の失われた十年が経過し、打開を図った小泉構造改革も格差をもたらし挫折。
◆経済至上主義の終焉
気が付けば、経済を追い求めた末、日本社会は規格化・単純化・均質化されていた。
地方は独自の【文化】を喪失し、過疎と高齢化にあえいでいる。
日本はこんな国ではないはずだ。 だれがこんな国にしてしまったのだ。
自嘲を込めて怒る国民は、先の8月の衆議院選挙で政権交代を選択した。
自民党政治=経済至上主義、に決別した。
大量生産・大量消費の経済至上社会を終焉させる、政治的機会が訪れたといえる。
◆【文化】で日本を再生
日本が「経済」の成果を輸出して社会を発展させる時代は終わった。
これからは【文化】を創出して社会を発展させる時代になる。
資源輸入→加工→輸出の「経済」から、伝統→熟成→創出の【文化】への大転換だ。
【文化】は、石油や鉄などのハードな資源と違い、汲めども尽きぬソフトな資源だ。
条件を整えれば、千年でも自己再生産を繰り返す。
ハードな「経済」からソフトな【文化】への転換に日本の未来がかかっている。
■