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世相:出生率でメダル独占の徳之島

◆「無責任」に翻弄される徳之島
このところ、無責任政治と無責任マスコミに、鹿児島県徳之島が翻弄されている。
政治が事態を混乱させ、マスコミがそれをあおる。
バカバカしい茶番劇を見ているようだ。

◆徳之島は日本社会の未来モデルを示唆
そんな中、興味深い新聞記事が目に留まった。
(日本経済新聞 コラム「大機・小機」 5月13日付け)
コラムの見出しは「徳之島と日本の未来」で、要点は、

・徳之島の人口は、ここ15年間で約25%減少した。
・徳之島の老年人口比率は、30.6%に達している。
・徳之島3町は、合計特殊出生率(2003-2007)で、全国市区町村のトップ3!!!

つまり、徳之島は、
『人口減少、高齢化、少子化』の三重苦の日本の未来に希望の光を与えてくれるのだ。
『人口減少、高齢化』であっても『少子化』ではない社会のモデルなのである。

◆合計特殊出生率について
早速、厚生労働省のHPから、出生率データをダウンロードした。(Excel形式で可)
そのままでは全く使いにくいので、データベースに変換し、ランキングを作った。
リストのトップ10を、下表に示すが、みごとに徳之島3町がメダル独占である。

◇市区町村別「合計特殊出生率」(2003-2007)のベストテン◇
順位都道府県市区町村合計特殊出生率合計人口
1鹿児島県伊仙町(徳之島)2.427,244
2鹿児島県徳之島町(徳之島)2.1812,839
3鹿児島県天城町(徳之島)2.186,982
4鹿児島県和泊町(沖永良部島)2.157,403
5長崎県壱岐市('壱岐)2.0931,386
6沖縄県南大東村(南大東島)2.061,426
7鹿児島県長島町(長島)2.0511,883
8熊本県山江村2.033,899
9沖縄県宮古島市('宮古島)2.0253,316
10鹿児島県屋久島町(屋久島)2.0213,690


合計特殊出生率が『2.08』を下回る状態が長く続くと人口が減少する。
医療水準が上って平均寿命が長くなると人口の高齢化も急速に進むことになる。
この『2.08』を上回る市区町村は、わずか4町1市で、他の1,900余は、これ以下だ。

◆あるべき社会モデル
日本全体では『1.31』で、『人口減少、高齢化、少子化』の真っ只中にある。
徳之島的モデルをめざすとすれば、社会の抜本的改造が必要になる。
そこでは、大都市ではなく、地方が主役になる。

明治維新後の近代化、敗戦後の経済成長は、地方からの人材に依存して達成された。
今、地方は疲弊し、必要とされる人材(質と量)を供給する力は消滅している。
日本の再生は、優れた個性の人材を育成できる地方の再生無くしては実現しない。