城下町散策を考える~バーチャル散策
◆『バーチャル』散策とは
『バーチャル』(virtual)とは、「仮想」とか「非現実」というような意味である。
『バーチャル』散策では、仮想の<城下町>をイメージして、実際の『町』を歩く。
そこがコンピュータの分野でいう「バーチャル・リアリティ(VR)」とは異なる。
具体的には、
<古地図の要素を現代地図上に投影し、その「新・古地図」の町筋に沿って散策する>
ということになる。
当HPのトップページからアクセスできる『新発田散策マップ』は、その一例となる。
新・古地図(デジタル)の作成方法は、ここでは省略する。
実際の作成には相応の労力を要する。
新・古地図上の散策では、アニメーションを利用して、たとえば、
・藩主の参勤交代の帰城ルート
をたどれば、ゆるゆると進む行列でお篭に乗るお殿様の気分に浸ることができる。
・長旅を終え、やっと城下に無事到着した安堵感
・城下に変わりはないか、賑わっているであろうか
・町民は快く迎えてくれているであろうか
・出迎える大勢の家臣からかかる声
・我が本丸はやはりすばらしい
・今宵は久しぶりに地元の肴と酒が味わえる
など、『バーチャル』なお殿様になりかわるのである。
現実ではなく、心に浮かぶ仮想の世界。
想像するイメージは、完全に自由で奔放だ。
『バーチャル』散策では、そういうイメージを抱いて現実の<城下町>の道筋を辿る。
つまり『バーチャル』な行列が進む「時間と空間」を実体験することになる。
<仮想>+<現実>の世界へ誘(いざな)う<ストーリー>を楽しむのである。
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みごとな天守閣や保全された武家屋敷、町家などを見れば、大きな感動を覚える。
ただし、従来型散策では個別の感動の繰り返しだけで、<ストーリー>は存在しない。
「はい終わり、つぎ」という散策に過ぎないのである。
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