« 城下町参考書を読む3 | メイン | 城下町散策マップ開発(3) »

世相:民主党代表に菅氏再選

◆妥当な結果
14日の民主党代表選での菅氏再選は妥当であった。
国会議員の票で僅差で上回り、地方議員票と党員等の票で圧倒した。
結果的には、獲得ポイントで完勝した。

菅氏の勝因と小沢氏の敗因は、いろいろと考えられる:
・世論の傾向
・頻繁な総理交替への批判
・小沢氏の立候補の適格性への疑問
・小沢氏の政治手法、バラマキ的政策への懸念

「世論の傾向」は明確に菅氏支持で、内閣支持率も高かった。
マスコミ各社の世論調査は、繰り返されても、その数値にほとんど差がなかった。
これは、地方議員と党員・サポータの意向にも近かったようだ。

マスコミの世論調査には問題もある。
固定電話の番号からサンプリング調査するが、それが世論なのか?
その数値を報道することで、本来の<世論>を誘導しているのではないか?

「頻繁な総理交替への批判」は、ごく当然だ。
「小沢氏の立候補の適格性への疑問」も当然だ。
鳩山・小沢の<ダブル辞任>からわずか3ヶ月、何をオメオメと首相をめざすのか。

「小沢氏の政治手法、バラマキ的政策への懸念」は根強い。
<豪腕>といわれる小沢氏は、力(権力と資金力)と駆引きの政治手法が特徴だ。
今の政治には、透明な議論が求められており、古い政治手法は嫌われた。

◆代表選の総括
今回の小沢氏の立候補は、<党内クーデター>である。
ダブル辞任で権力を失い、非小沢で支持を集める菅内閣に危機感を募らせた。
権力奪取を目指し、乾坤一擲の勝負に出た<クーデター>なのだ。

今回の機会を逃すと、次の代表選は<世代交代>が必然となる。
小沢氏の年齢からして、立候補の余地すら無くなる恐れがある。
バラマキ的衆院選マニフェストへの党内支持も、まだ十分に底堅い。

勝算は十分にあったのであろう。
しかし、結果は敗北で、ポイントから見れば、無残な大敗北だ。
で、小沢氏の今後はどうなのか。

「首相になったら、命を懸ける」と、小沢氏は言った。(菅氏も言った)
その戦いに敗れたら、潔く身を処したらよいと思う。
みごとに道化役を演じた鳩山前首相と<ダブル引退>するのがまともではないのか。

◆つぎの政界へ
もはや、小沢流政治の時代ではない。
野党第一党の自民党も、すでに党役員人事で大きく若返り、世代交代している。
野党第二党の公明党も、昨年の衆院選後に小沢世代の党ではなくなった。

これら二党のいずれかと組まない限り、参院の過半数には達しない。
そのための駆引きは、小沢流ではなく、国民の前に透明でなければならない。
世論も合わせ、既に、「外堀」は埋められている。

小沢城を守るとして参集した国会議員は、200名に達した。
菅氏にわずかに及ばなかったが、相当な人数だ。
世論との大きな乖離(かいり)は、民主党内における小沢氏の影響力の強さを物語る。

それをテコに、代表再挑戦を目指す動きがあるが、戦いは既に決着している。
今後、挙党体制で内閣を支えない限り、民主党政権自体が持たない。
内閣を支持する(せざるをえない)議員が増えれば、「内堀」も埋められていく。

また、代表選で政治を停滞させた民主党の責任はきわめて重い。
誰かが責任を取るべきであり、それは敗者をおいてない。
勝者は、与えられた業務に専念すればよい。

小沢氏にはその意識は全くないようだし、周辺にもなく、マスコミもだんまりだ。
いぜんとして影響力を維持し続けようとすることに、政局政治家の本質がある。
本丸落城の前に、ここでみごとな<舞い=お仕舞>を舞って欲しいものである。