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2011年03月31日

原発事故:記者会見の「脳度」

◆低レベル「脳度」の記者会見
事故に関する記者会見の「脳度」は、実に低レベルである。(放射能濃度は高レベル)
先日、東電の記者会見が、まるでドタバタの喜劇のようだと酷評した。
その後、他も含めて、ずいぶんと改善されてきた。

一方で、質問する側の記者達の「脳度」の低さが際立ってきた。
彼らは、会見で提供される情報をもとに記事を書く。
そこで、記事を補間する質問をするのだが、これが実に低レベルなのだ。

・質問が冗長で、趣旨のあいまいなものが目立つ。
・「えー」や「あのー」が混じり、質問に全く迫力がない。
・長々と状況を説明し、Yes/Noを問う質問がある。(質問は長く回答は一言)

・発表内容の範囲内でしか質問しない。(余計なことには触れない自己規制)
・枝葉末節の質問がきわめて多い。
・答える立場にない相手に、答えようのない質問を浴びせる。

発表側(官房長官、保安院、東電)は、学習効果でソツがなくなった。
記者側は、相変わらず低レベル「脳度」のままだ。
国民の知りたいことを問うのではなく、己れの記事を書くための質問しかしないのである。

◆記者クラブの弊害
これらの記者会見は、各省庁や業界団体に設置されている<記者クラブ>が運営している。
<記者クラブ>は、大手の新聞社、テレビ局、通信社などで構成されている。
フリーランスの記者や外国メディアなどは排除され、原則、これらの記者会見に参加できない。

この閉鎖性が積年にわたり、官民癒着の構造を作り上げてきた。
情報を押さえる省庁が上位で、それに依存する<記者クラブ>は下位となる図式が定着した。
記者会見は、省庁の意を汲んだ馴れ合いのセレモニーとなった。

その中で、記者の批判的精神は薄れ、思考はマンネリ化し、「脳度」は低レベルとなった。
政府権力を監視するというマスコミ本来の機能は、大きく失われている。
<記者クラブ>はわが国の深刻な病根の一つで、早急に除去すべきものと思われる。

2011年03月30日

原発事故:NHK報道に疑問符

◆NHKの事故報道に疑問符
わがNHKに対する信頼はきわめて高い。(高かった!)
質の高い番組は、当ブログでもいくつか紹介してきた。
そのNHKが、原発事故では明らかに偏った報道をしている。

◆禁句:チェルノブイリ
現在、NHKでは<チェルノブイリ>は「禁句」=「放送禁止用語」的だ。
国民に福島原発→<チェルノブイリ>を連想させてはならない、との意図だ。
おそらく政府の意を汲んで、自ら報道をゆがめている。

アナウンサーや解説者は、<チェルノブイリ>を決して口にしない。
ゲストが<チェルノブイリ>に触れると、即座に話題を切り替える。
実に徹底して巧妙で、かつ狡猾だ。

最悪の事態としての<チェルノブイリ>が、再現されてはならない。
悲劇の教訓として、この機に国民は歴史の真実を知るべきだ。
そこで果たすべき役割を、NHKは自ら放棄し、逆に阻害している。

◆禁句:コンクリートポンプ車
現場で、放水作業に大活躍中の2台のコンクリートポンプ車。
NHKはこれを「特殊な車両」と表現している。
最初のニュース(3/22)では、「場所を絞って放水できる特殊な機械」といっていた。

東京消防庁や自衛隊の放水活動は、丁寧に報道し、隊員へのインタビューまでやる。
今や、使用済核燃料プールへの放水は、コンクリートポンプ車に100%依存している。
それを、29日になっても「特殊な車両」で片付けている。なぜか?

「コンクリートポンプ車」は、チェルノブイリで「セメントの棺」を作った車両なのだ!!!

つまり、NHKにとって「コンクリートポンプ車」は、はなはだ都合が悪い存在なのだ。
国民には、絶対にチェルノブイリを連想させてはならない。
東電・政府・NHKがひたすら願う、浅はかな幻想なのだが。

もうひとつ、NHKは「コンクリートポンプ車」を提供した中央建設(株)を完全に抹殺している。

そもそも「コンクリートポンプ車」は、社員の発案を受けた会社が政府に提供を申し出たものだ。
その自発的な善意が、今、深刻な事態の一端をなんとか支え続けている。
賞賛すべき中央建設を、地方の無名の土建会社としてか、無視するNHKの態度は不遜だ。

◆NHKのやるべきこと
まずは国民に、<必要>な情報を<正確>に届けることだ。(当り前!)

 ・チェルノブイリ事故で住民が受けた放射能汚染の実態(情報不開示による被害の拡大)
 ・広島と長崎の被爆による放射能汚染の実態(両地とも立派に再生している)
 ・福島原発の予想される最悪の事態(ハザードマップの公開)
 ・最悪の事態における政府の対応策(国民と住民に覚悟と備えと安心のための情報を提供)

とくに、政府の対応策は未定と思われるので、厳しく作成・開示を求めるべきだ。

原子炉の状態だとか、電気が通じたとか、汚染した水をどこへ運ぶとか、‥‥。
日々の現象ばかりを追いかける報道に終始しているだけではないか。
それで安心や安全を連呼されても、国民は納得しない。

事態はますます悪化している。NHKはまともな姿に変身できるであろうか。

2011年03月26日

原発事故:<想定外>で逃げる

◆<想定外>という逃げを許すな
今回の原発事故は、巨大地震と大津波によって発生した。
M9.0と10mを越える津波は、<想定外>とされている。
今、懸命な修復作業が進められている。

懸念は、放射性物質が継続的な放出で、汚染が累積・拡大すること。
また、突発的な大量放出が発生し、高濃度の汚染が住民を襲うこと。
「そういうことは<想定>されません」と政府・学者はいう。

万一、実際に起ると彼らは「<想定外>でした」とヌケヌケいうだろう。
自ら<想定>の範囲を狭めて楽観し、<想定外>として責任を逃れる。
そんなヤツらを中心に報道を展開する超アホなマスコミ。

日常の修復作業では、<想定外>事故の連続だ。
建屋を吹っ飛ばした水素爆発が二回、高濃度の汚染水で作業員が被爆などなど。
野菜や原乳汚染による経済的打撃、水道水汚染による東京の動揺などなど。

<想定外>の大津波に直面しながら、まだ<想定外>を無視するのか。
福島第一原発の事故は、人類未曾有の経験であり、世界が注視している。
常に<想定外>に備えることこそが、求められているのである。

◆歴史の教訓から
約400年前、加藤清正が築いた熊本城。
その本丸の石垣(現存)は、高さが<約30m>もある。
熊本城は、1877年(明10)の西南の役で、薩摩軍の猛攻に耐え抜いた。

原発事故:チェルノブイリの教訓

◆原子炉が制御不能になったら
最悪のシナリオは、原子炉が制御不能になることだ。
3/24付け日経新聞でも懸念を示している。
そして、某大学教授の「そうなる可能性は低い」というコメント。

ひとつの原子炉でも制御不能になれば終わり、と案じて記事は店じまいだ。
備えについては全く触れない、アホなマスコミの素顔丸出し。
綱渡りの現在の修復作業で、ついに作業員の被爆事故が発生した。(3/24)

◆チェルノブイリの教訓
1986年のチェルノブイリ原発の事故は、多くの教訓を残した。
最後の手段として採用されたのが、「セメントの棺」。
原子炉を鉄筋コンクリートの建物で覆ったものという。

放射性物質の拡散は防いでいるが、問題も多く抱えている。
やっつけの突貫工事で建設されたため、ひび割れなどで劣化が激しい。
崩壊の恐れがあって、補強工事も行われている。

放射能が遮蔽されていないので周囲は放射能の危険地帯のままだ。
雨水が建物に沁み込み、放射性物質が地下の土壌を汚染しているという。
チェルノブイリは終っていないのだ。

25年間のチェルノブイリの教訓を、正確に、客観的に再評価する必要がある。
目をそらすことなく、教訓を直視すべきなのだ。
「チェルノブイリの再現」は、絶対に回避しなくてはならない。

しかし、やや軽微で部分的ながらも、状況は既に「再現」されつつあるように見える。
30km圏外で、野菜や原乳、水道水から、基準を越える放射性物質が検出されている。
特に、水源地が汚染されたら、水を絶たれた巨大都市・東京は完全にお手上げである。

◆<福島方式>で備える
原発事故では、「可能性が低い」最悪の事態が発生したら、<オシマイ>なのだ。
最悪の事態に備えるのは、まさに政府の責任だ。
無責任でノーテンキな学者やアホなマスコミや私企業の東電ではない。

制御不能になった原子炉を封じ込めるには、チェルノブイリを参考にすることだ。
ただし、チェルノブイリの「セメントの棺」には多くの欠陥がある。
世界の英知を集め、新たに<福島方式>の「棺」を構築しなくてはならない。

放射性物質と放射能を封じ込める「棺」は、実現可能であろうか。
早急に、実現可能な「棺」の仕様を検討して、公表すべきだ。
いつ建設するかは、それから決めればよい。

現在進められている「修復作業」は、全く先の見えない応急作業に過ぎない。
二度の水素爆発もあり、修復不可能な箇所があれは、綱渡りの不安定さが続く。
放射性物質の拡散が止まらないとすれば、真の悲劇が始まる。

<福島方式>の「棺」の建設を、政府は必死で検討しなくてはならない。
政府・学者・マスコミは「チェルノブイリ」を禁句にして、あえて「棺」を無視する。
<しびれを切らしたアメリカ>が提案してくれるのを待つしかないようだ。

2011年03月23日

原発事故:真相を探る

◆放射能汚染の影響が拡がっている
連日、原発事故の状況が報道されている。
放水や電源回復によって、事態は改善に向かい始めたかにみえる。
しかし、期待を持たせようとする政府や東電の思惑がチラチラしてならない。

その思惑も崩れ始めている。
野菜や牛乳、さらに水道水までが放射能汚染されていることが明らかになった。
福島県や茨城県などの農畜産物は売れなくなり、その経済的損失は甚大になる。

昨日(3/22)になって、海水に含まれる放射性物質調査の結果が公表された。
「すぐに健康に害はない」と政府や学者は言うが、かなり気になる数字であった。
さらに、原発の40km地点の土中からも、通常より多い放射性物質が検出されている。

今まで伏せておいた観測結果を、数値が下がってきたので公表したのではないか。
明らかに、政府・東電は都合の悪いデータを隠蔽し、マスコミもそれを追求しない。
その間にも、安全といいながら汚染は進み、さらに周辺の県にまで波及していく。

◆現在の対応策のリスク
政府・東電・マスコミは、現在の対応策の枠内でのみ議論を展開している。
その対応策のメドは立っておらず、「最大限の努力」のみが空しく強調される。
外部への放射性物質の漏れを停止できるのか、いつできるのか。

放射性物質は漏れ続け、汚染は蓄積し、拡がる。
突発的に放射性物質が放出され、30km圏を越える可能性はないのか。
子供達を守るため、即刻、80km圏位より遠方に避難させるべきではないか。

原発の現場の作業員の被爆も深刻な問題だ。
長期にわたり、危険な環境に交代要員を次々と送り込んでいかなくてはならない。
そんなことが許されるであろうか。

◆最後の切り札の準備
いずれにしても、現在の対応策に<期限>を公式に設定すべきである。
<期限>までにメドが立たない場合、速やかに<次の対応策>に切り替えることだ。
<次の対応策>は、最後の切り札として準備しておかなければならない。

現在の対応策は、『技術』で原子炉を制御しようとするものだ。
<次の対応策>は、『力技』で原子炉を封鎖しようとするものだ。
『力技』とは、セメントで原子炉を埋め固めてしまう<チェルノブイリ方式>である。

政府・東電・マスコミは、このチェルノブイリ方式について、一切触れない。
マスコミに登場する学者も、一切触れない。
みごとなまでの国民の眼をそらせる連携プレーだ。

2011年03月20日

原発事故:情報欺瞞

◆政府の情報欺瞞を許すな
3/19 土曜夜、福島県の原乳と茨城県のホウレンソウから放射能が検出されたと発表された。
食品安全基準の暫定値を越える量である。
アホ政府とアホ学者はくり返す:

「毎日、普通の量を1年間食べても、直ちに健康を害することはない」

冗談じゃない!
ハクサイもキヌサヤもキュウリもナスもシュンギクもリンゴもモモも、毎日いろいろ食べる。
もちろん、米は毎日食べる。汚染の影響は食べる物全部の足し算なのだ。

牛乳だって冗談じゃない!
牧場で乳牛は汚染された牧草を毎日々々大量に食べていて、その牛乳だ。
乳牛はどうなるのだ? 肉牛も同じではないか?

政府や御用学者の言っていることは、部分的真実に過ぎない。
全体的には真実ではなく、情報の欺瞞なのだ。
マスコミはそれをそのままタレ流す。

◆情報欺瞞を演ずるアホ集団
部分的情報だけを公表して欺瞞する政府、その片棒を担ぐ学者、欺瞞を追及しないマスコミ。
揃いも揃って、無為無策無能無責任な日本のアホ集団。
彼らを津波と放射能の彼方へ永久追放しなくてはならない。

原発事故:無能な政府

◆無能な政府は国民を守れない
「予断のできない状況が続いている」:菅総理の18日のコメント
「得られた情報は全て公開する」:同じく菅総理のコメント
「政府は目前の事態の収拾に全力をあげている」:19日の官房長官のコメント

いずれも政府の無能無為無策をさらけ出している。

太平洋戦争末期の軍事政府と同じ様相だ。
記者会見は、いわば大本営発表と同じレベルに見えてならない。
原爆を投下されるまでの道を、再び歩んでいるようだ。

◆「予断を許さない状況が続いている」と総理は言った!
<予断を許さない>とは、「最悪の事態」を避けるメドが立たない、ということだ。
「最悪の事態」とは、原子炉の炉心の<メルトダウン>ということだ。
つまり、「放射能が広範囲に大量にバラ撒かれる可能性のある状況」ということだ。

そこで、「最悪の事態を防ぐため、全力を尽くしている」というのだ。
つまり、「現在の作業によって、最悪の事態を防ぐ」というのだ。
そして、ここで不毛の<思考停止>に陥る。

◆「政府は目前の事態の収拾に全力をあげている」と官房長官は言った!
<思考停止>とは、、「作業が失敗した場合にどうするか」を考えない状態だ。
だから、「目前の事態の収拾に全力をあげる」ことだけになる。
さあ、たいへんだ!

政府は、最悪の事態が起るかもしれない、といいながら目先のことしかやっていない。
放射能が大量にバラ撒かれた場合の具対策は、ゼロだ。
作業が不調で、さらに放射能汚染が進んでから、泥縄の避難命令を出すハメになる。

対策は後手後手に回り、住民や自治体は大パニックだ。
そうなってはならない、そならないで欲しい、そうならないだろう、そうならない。
これが悪しき日本人の<思考停止>パターンで、政府は既に<大本営>と化している。

◆最悪に備えることだ
炉心の最終的な<メルトダウン>に至るまでに、もはや、時間は限られている。
現在の作業の成功は祈りつつも、原子炉をセメントで固め込む準備を進めるべきだ。
チェルノブイリ事故の「セメントの棺」作戦だ。

この作戦で放射能を完全封鎖できることを、国民に周知徹底する必要がある。
現在の作業がうまくいかなくても万全の方法があるということだ。
そうであれば、国民は安心して、現在の作業を見守ることができる。

「セメントの棺」は、福島第一原発の6基の原子炉を封じ込める規模になる。
ダムを作る位のセメントを、高レベルの放射能の中で、短期に積み上げる必要がある。
今から必死で準備しておかないと、間に合わない。

そんなことにならないように願うが、政府はそういう備えをするべき存在だ。
総理や官房長官の頭には、全く意識が無い。
原発事故は、今や、無為無策無能な政府による『人災』になりつつある。

2011年03月18日

原発事故:事故の直視を

◆原発事故の深刻さを直視せねば
3月11日、東日本巨大地震が発生してから、一週間。
巨大津波で被害を受けた福島第1原発の状況は、きわめて深刻だ。
炉心の「メルトダウン」は既に進行中である、と認識しなくてはならない。

「メルトダウン」で発生する『セシウム』が各地で検出されている。
放射線量が少ないから安全だ、などと云っている場合ではない。
危険な放射性物質が大気中に放出されているということだ。

もはや東京電力の手には終えない段階だ。
東電は、原子炉の運転はできても、損壊した設備や装置を修復することはできない。
原発の製造・建設を担当したメーカー(日立、東芝など)の支援が必要だ。

日経新聞の報道では、メーカー技術者の本格的派遣は、ようやく17日に実現したという。
何という遅さだ!!!
もちろん、停電状態では手の打ちようがなく、その電源がようやく回復する状況ではあるが。

東電は、事態の深刻さを理解していなかった。
東電は、何とか自分達が中心になって対処しようとしていたのである。
その東電に全ての判断と対処を任せた政府と保安院は、誤った情報を国民に伝えている。

◆即、米軍専門部隊の派遣要請を!
「メルトダウン」は、グズナな政府や東電では収拾不可能だ。
菅首相は、即、オバマ大統領に米軍専門部隊の派遣を要請すべきだ。
米軍の指揮の下で、事態の正確な把握と対策を策定し、国民と国際社会に公表すべきだ。

非常事態なのである。
最悪の<地獄>を回避するには、チェルノブイリ原発のように『セメントの石棺』が必要になる。
被害を局地化できる可能性を明示して、社会の大パニックを防止しなくてはならない。

◆福島第一原発を安定させるのは至難の技!
福島第一原発には6基の原子炉ある。
5&6号機は、使用済み核燃料を保管するプールの冷却システムを修復すれば、安定する。
4号機は、使用中であった核燃料も保管するプールの冷却システムを修復すれば、安定する。

地震発生時に自動停止した1~3号機の安定は、至難の技だ。
安定に不可欠な冷却システムが機能せず、炉心の温度が上がり、やむなく海水を注入した。
(この時点で、非常事態を認識すべきであった)

これら3基では、二種の冷却システムを修復する必要がある。
 ・原子炉本体の冷却システム
 ・使用済み核燃料を保管しているるプールの冷却システム

原子炉本体には、地震による損傷、爆発による損傷、海水注入による汚染などがある。
1基でも「メルトダウン」が進めば、放出される放射性物質で周囲も大気も汚染される。
プールへの放水は一時しのぎで、全体の安定にはほど遠い。

◆官房長官記者会見とアホ・マスコミ
18日17時に官房長官記者会見が行われた。
長官の発言も記者の質問も、まるで<ノーテンキ>で、国際社会は目を疑うであろう。
喫緊の米軍派遣要請に、彼らは全く無関心だ。全員レッドカードだ!!!

◆菅総理の記者会見
この後、20時過ぎに、総理の記者会見が行われた。
原発事故については、<東電>、自衛隊、警察、消防などが必死の努力をしていると述べた。
米軍への支援要請には全く触れなかったし、記者の質問も無かった。

レッドカードが足りない!!!

2011年03月15日

世相:東日本巨大地震

◆大津波
3月11日、東日本沖の太平洋海底でM9.0の巨大地震が発生した。
10mを越える大津波が、三陸、宮城、福島の沿岸を襲った。
町や村を飲み込み、多くの人命を奪い、瓦礫の山と化した。

あまりのすさまじさに、被災者の方々にかけることばは見つからない。
ここは、国・社会が心を一にして、被災者を支え、力づけ、再起を応援するしかない。
日本と日本人の真価が問われる時だと思う。

◆頼りになるもの
被災状況の報道をTVで見るにつけ、感じることは、

 ・被災者の心の優しさ、強さ
 ・自衛隊、警察、消防、医療関係者などの献身的救援活動
 ・国民個々人の支援の動き

など、頼りになる日本と日本人の姿だ。
敬服し、感謝し、感動する。

肉親・家族を捜し求める人達の悲痛な声は、心に染みついている
「お母さ~ん!」と瓦礫に向って叫ぶ少女の涙声。
思い出すたびに、涙が込み上げてきて止まらない。奇跡を願う。

◆お粗末なもの
そうした被災地の現実に比べて、全く話にならないのは、

 ・指導力のない政府、政治家
 ・メルトダウンの東京電力

である。あまりにもヒドい。

 ◇指導力のないのない政府、政治家
  救援を待つ被災者を力づけるメッセージを発信できていない。
   ・「もうすぐ助けに行くので待っていて下さい」とくり返せ!
  国難にあたり、国民を鼓舞するメッセージを発信できていない。
   ・「今こそ、日本の底力を発揮しよう」と呼びかけろ!
  被災者救援、被災地復興への具体的政策の提示ができていない。
   ・当面の救援活動方針、復興のための基本方針などを明示しろ!
   ・方針実現のための政策、財政、体制、具体的計画を提示しろ!

 ◇メルトダウンの東京電力
  福島第1原発の状況は、きわめて深刻だ。

  1号機の冷却水注入の不具合に始った事故は、3号機に飛び火した。
  それらの処理に追われるうちに、2号機がおかしくなった。
  1号機が水素爆発を起し、3号機が続き、2号機の燃料棒が露出し、底部で爆発も。

  2号機から放射性物質が漏れたため、午前の総理談話で住民避難のレベルを上げた。
  停止していた4号機で火災が発生し、燃料プールの水の温度が上昇している。
  同じく停止していた5、6号機でも燃料プールの水の温度が上昇している。

  この間の東電の対応は、まるで後手後手だ。
  情報開示も遅れ遅れで、内容は不適切、不十分だ。
  住民や国民の不信感を招き、日本に対する国際的な信頼感も大きく損ねている。

  東電の記者会見(3/15 23:00~)のテイタラクは、もはや喜劇だ。
  あの’全員集合!’で楽しんだ「ダメ会社のダメ会議」のドタバタ劇そのままだ。
  東電という会社自体が<メルトダウン>状態にあると思えてならない。

  現場担当者の必死の努力にもかかわらず、会社の当事者能力には疑問符がつく。
  そんな会社が、人類のエネルギーの柱である「原子力」の命運を背負っている。
  世界が注視する中で、東電は<原発>を無事に制御することが求められている。

  (東電は、<計画停電>でも社会を混乱させている → 次回以降の記事で)

被災者&国民と政府&東電の間には大きな意識格差があります。