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原発事故:事故の直視を

◆原発事故の深刻さを直視せねば
3月11日、東日本巨大地震が発生してから、一週間。
巨大津波で被害を受けた福島第1原発の状況は、きわめて深刻だ。
炉心の「メルトダウン」は既に進行中である、と認識しなくてはならない。

「メルトダウン」で発生する『セシウム』が各地で検出されている。
放射線量が少ないから安全だ、などと云っている場合ではない。
危険な放射性物質が大気中に放出されているということだ。

もはや東京電力の手には終えない段階だ。
東電は、原子炉の運転はできても、損壊した設備や装置を修復することはできない。
原発の製造・建設を担当したメーカー(日立、東芝など)の支援が必要だ。

日経新聞の報道では、メーカー技術者の本格的派遣は、ようやく17日に実現したという。
何という遅さだ!!!
もちろん、停電状態では手の打ちようがなく、その電源がようやく回復する状況ではあるが。

東電は、事態の深刻さを理解していなかった。
東電は、何とか自分達が中心になって対処しようとしていたのである。
その東電に全ての判断と対処を任せた政府と保安院は、誤った情報を国民に伝えている。

◆即、米軍専門部隊の派遣要請を!
「メルトダウン」は、グズナな政府や東電では収拾不可能だ。
菅首相は、即、オバマ大統領に米軍専門部隊の派遣を要請すべきだ。
米軍の指揮の下で、事態の正確な把握と対策を策定し、国民と国際社会に公表すべきだ。

非常事態なのである。
最悪の<地獄>を回避するには、チェルノブイリ原発のように『セメントの石棺』が必要になる。
被害を局地化できる可能性を明示して、社会の大パニックを防止しなくてはならない。

◆福島第一原発を安定させるのは至難の技!
福島第一原発には6基の原子炉ある。
5&6号機は、使用済み核燃料を保管するプールの冷却システムを修復すれば、安定する。
4号機は、使用中であった核燃料も保管するプールの冷却システムを修復すれば、安定する。

地震発生時に自動停止した1~3号機の安定は、至難の技だ。
安定に不可欠な冷却システムが機能せず、炉心の温度が上がり、やむなく海水を注入した。
(この時点で、非常事態を認識すべきであった)

これら3基では、二種の冷却システムを修復する必要がある。
 ・原子炉本体の冷却システム
 ・使用済み核燃料を保管しているるプールの冷却システム

原子炉本体には、地震による損傷、爆発による損傷、海水注入による汚染などがある。
1基でも「メルトダウン」が進めば、放出される放射性物質で周囲も大気も汚染される。
プールへの放水は一時しのぎで、全体の安定にはほど遠い。

◆官房長官記者会見とアホ・マスコミ
18日17時に官房長官記者会見が行われた。
長官の発言も記者の質問も、まるで<ノーテンキ>で、国際社会は目を疑うであろう。
喫緊の米軍派遣要請に、彼らは全く無関心だ。全員レッドカードだ!!!

◆菅総理の記者会見
この後、20時過ぎに、総理の記者会見が行われた。
原発事故については、<東電>、自衛隊、警察、消防などが必死の努力をしていると述べた。
米軍への支援要請には全く触れなかったし、記者の質問も無かった。

レッドカードが足りない!!!