世相:衆院選2012の所感
◆民主惨敗・自民圧勝
12/16(日)、衆院選が終わった。
事前の各社世論調査の通り、民主惨敗・自民圧勝であった。
衆院の3分の2以上を占める自公政権が発足する。
自民は笑いが止まらず、メディアはもてはやす。
民主はがっくり、維新は第二党をうかがう。
民主と自民の獲得議席数は、前回2009年衆院選の裏返しとなった。
◆比例区に見るクールな有権者
有権者は、支持を訴える候補者や騒ぐメディアより、はるかにクールであった。
バランス感覚がみごとに働いた。
それは、比例区の各党の得票率に表れている:
政党名 | 2012得票率 | 2012議席数 | 2009得票率 | 2009議席数 |
---|---|---|---|---|
自民党 | 27.6% | 57 | 26.7% | 55 |
民主党 | 16.0% | 30 | 42.4% | 87 |
日本維新の会 | 20.4% | 40 | - | - |
公明党 | 11.8% | 22 | 11.4% | 21 |
みんなの党 | 8.7% | 14 | 4.3% | 3 |
共産党 | 6.1% | 8 | 7.0% | 9 |
未来 | 5.7% | 7 | - | - |
比例区では、得票率が概ね獲得議席数と比例する。
(実際には、各党の議席数はドント方式で配分される)
有権者の動向はつぎのように読める。10Y
-- ・自民、公明は、組織票ベースでほとんど変わらず
-- ・崩壊した民主は激減
-- ・民主の減少分は、維新中心の第三極にバラけた
もし、比例区だけで衆議院が構成されるのならば、自民+公明では過半数に満たない。
安定過半数には、維新と連立を組むということになる。
その辺が有権者の民意であったと思える。
しかし、それを一変させたのが、劇薬=小選挙区の仕掛けだった。
◆小選挙区のマジック
まさに、劇薬マジックである。
小選挙区は、1区1人の300区で、得票トップの候補者だけが当選する。
各党の全国集計の得票率は、つぎのようであった:
政党名 | 2012得票率 | 2012議席数 | 2009得票率 | 2009議席数 |
---|---|---|---|---|
自民党 | 43.0% | 237 | 39.8% | 64 |
民主党 | 23.8% | 27 | 47.4% | 228 |
日本維新の会 | 11.6% | 14 | - | - |
公明党 | 1.5% | 9 | 1.1% | 0 |
みんなの党 | 4.7% | 4 | 0.9% | 2 |
共産党 | 7.9% | 0 | 4.2% | 2 |
未来 | 5.0% | 2 | - | - |
小選挙区では、候補者個人の人気や実績、政党の組織力などが影響を及ぼす。
有権者の支持政党は、比例区と概ね一致するであろうから、支持率に大差はないはずだ。
ところが、1区1人の小選挙区制度と政党乱立は、自民の圧勝をもたらした。
-- ・自民+公明は、組織票ベースで手堅く票を固めた
-- ・政治に嫌気した有権者の棄権が増え、投票率が10%も下がり、無党派票が減った
-- ・無党派票頼みの第三極の乱立政党や組織の弱い民主が、減った票を奪い合った
-- ・比較多数となった自民が<漁夫の利>で圧勝した
すなわち、自民が大いに期待され支持された結果ではない。
しかし、選挙制度上、この結果は受け入れなくてはならない。
ただ、メディアが大騒ぎするほど自民圧勝ではなく、有権者はクールに見ている。
◆落首
-- ・民主ダメ 3極乱立 政治不信 投票率最低 自民漁夫の利
(続く)
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