将棋:藤井七段が敗れるも魅せた名局
◆魅せた名局
7/22、将棋竜王戦本戦トーナメントの藤井七段と豊島名人・王位の対局があった。
竜王位への挑戦者決定の準決勝進出をかけた一局で、天才高校生対最強の名人・王位。
結果は、豊島名人が藤井七段を退けた。
この将棋はAbema TVのライブ中継で観戦、深い感銘を受けた。
注目された舞台で、豊島名人に大胆に果敢に挑戦した。
敗れはしたが、魅せる名局を残した。
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朝起きると強くなっているといわれる17歳。
トップクラスの棋士との対局で経験を積めば、才能にさらに磨きをかけると期待される。
藤井七段からはますます目が離せない。
◆変幻自在の着想
この将棋は、先手と後手が膠着状態になりやすい形となった。
互いに手待ちを繰り返すと千日手(引分け再試合、先後交代)になる可能性が出てくる。
これは先手の藤井七段にとって望ましくないことになる。
局面を打開すべく、藤井七段はあえて動いた。
8筋に囲った玉を、5筋へと移動させる作戦を実行したのだ。
合わせて守備の二つの金も移動して、計5手で新たな陣を構えた。
最強の豊島名人がスキを窺う面前で、堂々と大胆不敵な遷都作戦。
ここでスキを突かれる恐れはないという緻密な読み。
移動後に仕掛ける果敢な攻撃構想。
これらをさほどの考慮時間もかけずに着想し、実行し実現して見せた。
藤井七段の面目躍如。
爽快な魅せる将棋である。
◆力及ばず
後手の豊島名人は、わずかに陣形を整えながら、ひたすら先手の仕掛けを待っていた。
先手が仕掛けてしばらくは、優劣不明の状態だった。
しかし、名人は深い読みと鋭い応手で徐々に優位を築き、リードを広げて勝利した。
豊島名人に一日の長、今は一枚上手。
藤井七段は得意の終盤で力及ばなかった。
あと一歩と思えるし、ハイレベルでの一歩はなかなかの差ともいえる。
両者の次の対局はどう展開するのであろうか。
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