世相:新型コロナ対応(3)~病院船が新型コロナのNY市医療を支援
◆米海軍の病院船がNY市の港に到着
作年(2020年)3月30日、米海軍の病院船「コンフォート」がNY市の港に到着した。
ベッドも医療品も医療スタッフも足りない新型コロナとの闘いを支援するためだ。
一方、西海岸のLA市には姉妹船「マーシー」が3月27日に到着した。
<病院船「コンフォート」> (画像は、時事通信HPより)
◇NYの医療を支援
コンフォートは、新型コロナ感染者以外の救急患者を受け入れる。
大病院並みの医療機能で市内の病院にかかる負担を軽減する。
新型コロナに対応するための時間と資源を増強することになる。
◇大病院並みの設備
同船には、病床が1000床、ICU(集中治療室)が80床、12の手術室がある。
また、血液バンク、医学研究室、薬局、放射線室、CTスキャン装置なども備えている。
医療スタッフは約1100人で、ほとんどが海軍の現役軍人だ。
◇「コンフォート」の船歴など
コンフォートは、全長約280m、6万9360排水tの大型船である。
姉妹船のマーシーとともに、1976年に石油タンカーとして建造された。
1987年に海軍によって取得され、病院船に改装された。
戦闘で負傷した兵士の治療と看護を、迅速かつ柔軟に実施できるように設計された。
平時には、政府系機関の要請で、災害被災者や人道被害者に対して医療支援を行う。
同船がNY市に派遣されるのは、2001年の同時多発テロ以来のこと。
同船は、通常、ボルチモア湾で待機している。
最低限の乗員数で維持・管理されている。
運用指令があると、5日以内に乗員補充・物資補給を行い、出航する。
◆日本でも病院船を建造しよう
日本には、「コンフォート」や「マーシー」のような大型病院船はない。
地震や津波、豪雨、火山の爆発、そして新型コロナのような感染症の流行、…
離島やへき地が多く、海に囲まれた日本には、病院船がぜひ必要だ。
◇イージス・アショアより役に立つ
対北朝鮮のミサイル防衛を名目に導入されるイージス・アショア。
実践的にはほとんど役に立たない無用の長物で、戦艦大和級だ。
このために新造されるイージス艦2隻より、国民を直接守るのは病院船2隻だろう。
◇ダイヤモンド・プリンセス号を改装しては?
新型コロナの集団感染の始まりは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。
不運なこの船を改装して、感染症治療も可能な病院船にするのも一案だ。
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