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2021年08月31日

将棋:藤井二冠が竜王位に初挑戦決める(8月30日)

◆藤井二冠がさらに強くなった!
 8月30日、将棋・竜王戦の挑戦者決定三番勝負第2局が行われた。
 藤井二冠が永瀬王座を破り、2連勝で、初の竜王挑戦を決めた。
 まさに、圧勝・快勝で、藤井の強さが際立った。

 現在の将棋界は、8個のタイトルを4人の棋士が押さえている。
 渡辺(名人・棋王・王将)、豊島(竜王・叡王)、藤井(王位・棋聖)、永瀬(王座)。
 四天王ということだ。ところが∴。

 今年度、棋聖戦は、藤井が渡辺を3タテで下し、初防衛。
 ついで、王位戦では、藤井が豊島を4勝1敗で退け初防衛。
 さらに、竜王戦では、藤井が永瀬を2タテで押さえ、初挑戦権獲得。

 これはもう「一強」に近い。
 藤井は、このところ、一段と強くなった。
 課題とされてきた考慮時間も、最近はかなり残す余裕を見せている。

◆天敵の克服も近い
 藤井は、昨年度まで、豊島に1勝6敗であった。
 まさに、天敵で、豊島相手だと不思議に。指し手が縮む。
 今季王位戦の第1局も、その傾向で完敗だった。

 しかし、第2局で逆転勝ちをしてからは、指し手が伸びている。
 挑戦者として進行中の叡王戦では、豊島叡王に2勝2敗。
 9月13日の第5局で決着がつく。

 さらに、二人の対局は竜王戦七番勝負へと進む。
 藤井が優勢に見えるが、どうなるか。
 「一強」に歩を進めるか、阻止するか、注目の秋の陣だ。

2021年03月04日

世相:新型コロナ対応(3)~病院船が新型コロナのNY市医療を支援

◆米海軍の病院船がNY市の港に到着
 作年(2020年)3月30日、米海軍の病院船「コンフォート」がNY市の港に到着した。
 ベッドも医療品も医療スタッフも足りない新型コロナとの闘いを支援するためだ。
 一方、西海岸のLA市には姉妹船「マーシー」が3月27日に到着した。

  <病院船「コンフォート」> (画像は、時事通信HPより)
   **********

 ◇NYの医療を支援
  コンフォートは、新型コロナ感染者以外の救急患者を受け入れる。
  大病院並みの医療機能で市内の病院にかかる負担を軽減する。
  新型コロナに対応するための時間と資源を増強することになる。

 ◇大病院並みの設備
  同船には、病床が1000床、ICU(集中治療室)が80床、12の手術室がある。
  また、血液バンク、医学研究室、薬局、放射線室、CTスキャン装置なども備えている。
  医療スタッフは約1100人で、ほとんどが海軍の現役軍人だ。

 ◇「コンフォート」の船歴など
  コンフォートは、全長約280m、6万9360排水tの大型船である。
  姉妹船のマーシーとともに、1976年に石油タンカーとして建造された。
  1987年に海軍によって取得され、病院船に改装された。

  戦闘で負傷した兵士の治療と看護を、迅速かつ柔軟に実施できるように設計された。
  平時には、政府系機関の要請で、災害被災者や人道被害者に対して医療支援を行う。
  同船がNY市に派遣されるのは、2001年の同時多発テロ以来のこと。

  同船は、通常、ボルチモア湾で待機している。
  最低限の乗員数で維持・管理されている。
  運用指令があると、5日以内に乗員補充・物資補給を行い、出航する。

◆日本でも病院船を建造しよう
 日本には、「コンフォート」や「マーシー」のような大型病院船はない。
 地震や津波、豪雨、火山の爆発、そして新型コロナのような感染症の流行、…
 離島やへき地が多く、海に囲まれた日本には、病院船がぜひ必要だ。

 ◇イージス・アショアより役に立つ
  対北朝鮮のミサイル防衛を名目に導入されるイージス・アショア。
  実践的にはほとんど役に立たない無用の長物で、戦艦大和級だ。
  このために新造されるイージス艦2隻より、国民を直接守るのは病院船2隻だろう。

 ◇ダイヤモンド・プリンセス号を改装しては?
  新型コロナの集団感染の始まりは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。
  不運なこの船を改装して、感染症治療も可能な病院船にするのも一案だ。

2021年02月23日

世相:新型コロナ対応(2)~米の検査キット自販機設置

◆ネットで見る具体策(米)

 ◇米でコロナ検査キットの自販機設置
  原資料:テレ朝 NEWS 2021/02/04 13:49
      → こちら
  <要約>
  米カリフォルニア州の空港に新型コロナの検査キットの自販機が登場した。
  自販機が設置されたのは、オークランド国際空港。
  空港に到着した旅行者が自宅などで検査を受けることを想定している。

  日本円で約1万5000円の検査キットは、唾液の検体を入れて宅配便で送る。
  1日から2日後に携帯電話上のアプリで結果が伝えられるという。
  同州では、サンディエゴの大学内にも学生や教職員向けに自販機が設置されている。

  <追記>しばらく前、CNNで検査キットがAmazonでネット購入できると報道していた。

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  翻って、日本の新型コロナのPCR検査体制は、全く不十分だ。
  検査を受けたい人がいつでも安価に検査を受けられる状態にはない。
  IT時代に遅れた保健所と医療体制のまま、現場が必死にやりくりしている。

  市中には、無症状・無自覚の感染者が散在している。
  現状のモグラたたきのような対応では、これらの潜在感染者は把握できない。
  ウィルスは社会に残り、感染流行の危険が消えることはない。

2021年02月22日

世相:新型コロナ対応(1)~中国の大規模隔離施設建設

◆どうしようもない日本の政治とメディアのコロナ対応
 政府のコロナ対応は、後手続きで小出し、緊急事態宣言は国民の自粛協力が頼み。
 国民が信頼して安心できるような大胆な施策は一つもない。
 ワクチンに託しているが、接種も遅れが確実で、オリンピックにも間に合わない。

 メディアのコロナ報道には、踏み込んだ取材調査がほとんどない。
 感染者数の推移を毎日並べて、まるで小学生の夏休み朝顔日記レベルだ。
 CNNの報道と自らの報道を比較してみると、恥ずかしくならないか。

◆ネットで見る具体策(中国と米)
 海外のじ事情はどうだろうか。
 中国のそこまでやるかという隔離施設建設の実行力はうらやましい。
 米国のPCR検査キットの販売機設置は、行政サービスの姿勢の差を実感する。


 ◇突貫工事で建設される大規模隔離施設(中国) )
  原資料:時事通信HP 2021年01月20日09時12分
      → こちら
  <要約>
  中国河北省石家荘郊外で、新型コロナ隔離施設が、24時間態勢で建設されている。
  13日に着工し、あと数日で完成予定。
  建設現場は、武漢で昨年初めにわずか10日で設置された仮設病院を想起させる。

  この施設はプレハブで、各室は、浴室、WiFi、エアコンを完備している。
  ウイルス感染者の濃厚接触者らを4,000人以上受け入れるという。
  国家衛生健康委員会は、来月の春節で感染が拡大することに備えている。

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  比較して、日本政府の無為無策ぶりが際立つ。
  第三波が予想され、12月には感染者が急増した。
  1/7に緊急事態宣言を発したが、国民に自粛を要請する一方、政府の積極行動はゼロ。

  その後、医療現場の逼迫から、隔離・入院難民が数千人も発生した。
  病状急変で死亡したり、コロナ孤独死も相次いだ。
  一般病棟にも影響し、多くの患者の治療に支障が出た。

  大規模なな隔離施設を突貫工事で建設する中国と無策の日本。

  果断な決断も行動力もない無能な政治家達。
  それを批判できない、同じく無能なメディア。
  これが情けない日本の現状だ。

2021年01月13日

世相:新型コロナ『緊急事態宣言』の虚妄

◆『緊急事態宣言』発出
 1/7、『緊急事態宣言』(1/8~2/7)が、一都三県に「発出」された。
 「発出」とは役所用語で、菅政権の上から目線の表現だ。
 国民と共にコロナと戦うという姿勢は全く感じられない。


◆後手の後手
 既に初夏の頃から、寒くなればウィルスが本格的に流行すると予測されていた。
 政府のやったことは、GO TOキャンペーンの前倒し実施だった。
 コロナ対策どころか、人の移動を促し、気の緩みを誘い、緊急事態の下地を作ってしまった。

 12月になり、東京の感染者数がジワジワと増加し、危険な兆候が感じられ始めた。
 GO TOの一時中止は決めたが、未練たらたらで12/27まで続けた。
 下旬の三連休、クリスマス、忘年会は、自粛の呼び掛けだけでスルーしてしまった。

 12/25、菅首相は『緊急事態宣言』は考えていない、と明言した。

 12/31、東京の感染者数が1,300人台に跳ね上がった。
 これは約二週間前には感染が爆発的に増えていたことを示している。
 さらに、先週末には、東京は三日連続で2,000人超、各地でも最高値を更新している。

 『緊急事態宣言』は緊急事態になる前に宣言すべきだ。
 天井に火が回ってから、火事だと騒いでも手遅れだ。
 このままでは、強力な外出自粛に追い込まれそうだ。


◆的外れ
 今回の『緊急事態宣言』では、飲食店をターゲットにしている。
 飲食が元凶というが、実態は感染源不明がほとんどだ。
 市中に広く分散し、動き回る無症状・無自覚の若年感染者こそが問題だ。

 これらの感染者を速やかに検出し、隔離しなければならない。
 それには、PCR検査を数十倍に増やし、徹底的に実施すべきだ。
 (米国では、低価格のPCR検査キットがAmazonや自動販売機で売られているという)

 しかし、政権はクラスター封じにこだわり続け、方針転換に全く関心がない。


◆小出し、後追い、先がない
 小出しの極みは、宣言を一都三県に限定したことだ。
 宣言直後に、大阪・京都・兵庫が追加を要請し、愛知・岐阜も続きそうた。
 ダラダラと後追いで小出しするお粗末さ。

 1ヶ月経っても感染は収束するはずはない。
 評判の悪い小出しの宣言だが、政権は「これが決め手」という姿勢。。
 新型コロナを甘く見て、ワクチンで抑え、五輪を開催できるというのだろう。

 無知・無能・無策の先に、次の手は全く見えてこない。
 単なる延長は世論の支持は得られず、政権は立往生すると思われる。
 危うし!菅政権。

2020年12月17日

世相:米大統領選で選挙人投票

◆米大統領選選挙人投票でバイデン氏が勝利
 12/14、米大統領選の選挙人による投票が、全米50州と首都ワシントンで行われた。
 選挙人538人が投票し、バイデン氏が306票、トランプ氏が232票であった。
 民主党のジョー・バイデン氏が過半数の票を獲得し、当選が正式に確定した。

◆トランプ大統領の悪あがき
 しかし、トランプ大統領は選挙に不正があったとして、依然、結果を受け入れていない。
 これは、米民主主義の根幹である大統領選挙制度を毀損するものだと思う。
 ただ、四年前にこんな大統領を選んだのも、同じ選挙制度であったのは皮肉だ。

2020年11月26日

世相:Go To キャンペーンの迷走

◆Go To トラベル キャンペーン
 新型コロナ感染は冬に向かって相当に拡大しそうだ。
 人の往来が増えれば、感染者も増える。
 にもかかわらず、政府はGo To キャンペーンに突っ込んだ。

 これまで約4千万人が参加したという。
 そのツケが回ってきて、感染者数は過去最大を更新し続けている。
 国民のコロナ疲れ、気の緩みとも相まって、予断を許さない状況だ。

◆キャンペーンには乗らない
 キャンペーンは確かにずいぶんとおトクで魅力的だ。
 しかし、参加する人達は、「感染はしないだろう」と思っているに違いない。
 そんな人達に混じっていくのは、きわめて危ない、君子危うきに近寄らず、に決めた。

◆政府、キャンペーンをわづかに見直し

  ◇キャンペーン見直し~菅首相(画像はNHKより拝借)
    Image is null!


 感染者数の全国的な急増を受けて、政府はついにキャンペーン見直しを発表した。
 この三連休までメンツをかけて続けた、というところ。
 明らかに遅すぎる対応で、今後出てくる感染者数が気がかりだ。

 ところで、見直しを発表した際の菅首相の表現に疑問を持った。
 「感染の拡がっている地域へのGo Toは控えていただきたい」という。
 具体的には、札幌圏には行かないで、ということだ。

◆追い込まれて思い付きの愚策
 Go Toの目的地に除外地域を設けようというもの。
 しかし、これでは東京圏、大阪圏などの大感染地の旅行者が、他の地域へ回るだけだ。
 新型コロナが、さらに全国に拡散してしまう。

 また、除外地域は、順次、追加または削除されていく。
 そんな不透明な中で、旅行プランを立てて予約するのは全く楽しくない。
 旅行業者の予約システムの運用も難しくなるし、キャンセル対策も厄介だ。

 Go To キャンペーンは、スッキリと、全国一律で一時休止か中止すべきだろう。

◆全国の感染の実態把握が先決
 安倍前政権も菅政権も、新型コロナ対策は、後手で雑でピントはずれだ。
 経済にこだわり、五輪開催にこだわり、感染の実態から国民の目をそらしている。
 検査数を抑えて、感染者数を少なく見せている。

 今は、自覚症状の出た人やクラスターを検査し、その確認数を公表しているに過ぎない。
 これでは、市中に潜む感染者(ウィルス拡散者)の数を推測できない。
 精密な統計的調査でウィルス感染状況を数値で把握することだ。
 
 ある地域で千人に一人の感染者なら、通常の対策で生活すればよい。、
 しかし、十人に一人だと、ちょっと集まれば感染者が含まれる恐れがある。
 数値で示せば、どういう対策が必要か分かるのである。
 
 モグラたたきのようなクラスター型検査体制では、市中拡散型の感染は抑止できない。

2020年07月18日

世相:藤井七段が最年少・初挑戦でタイトル獲得

◆将棋~藤井七段が棋聖位を獲得
 7/16、棋聖戦五番勝負の第4局が行われた。
 藤井七段が渡辺棋聖を破って3勝目を挙げ、棋聖位を獲得した。
 藤井七段は最年少(14歳11ヶ月)のタイトル初挑戦で、メディでも注目を集めていた。

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    (ABEMA TVのスクリーン・ショット)


◆とにかく強い、自粛期間にさらに強くなった!
 中盤でリードすると、安定して押し切る。
 劣勢に立たされても、ギリギリで持ちこたえ、隙を見ながら、いつの間にか逆転する。
 将棋AIの最善手を超える手を指したことで、大きな反響を呼んだ。

 緊急事態宣言の自粛期間には、自己研鑽に励み、課題を研究したという。
 将棋AIを大いに活用したであろう。
 伸び盛りの高校生が将棋に没頭できたのだから、これはもう天の恵みだった。。

   ◇ ◇ ◇

 6月に対局が再開されて、藤井七段の過密日程が続いている。
 その中で、棋聖戦と王位戦の挑戦権争いを勝ち抜いた。
 挑戦者決定戦では、共に、永瀬二冠(叡王・王座)を破った。

 棋聖戦五番勝負では、3勝1敗で渡辺棋聖に勝利した。
 王位戦七番勝負では、木村王位に2勝0敗で、現在進行中。
 藤井七段が二冠となるか、熱戦を期待して観戦したい。

2020年01月15日

世相:『牛肉』に見る日米の異次元的格差

◆米国~温暖化防止のため『牛肉』離れが進む
 1月12日(日)、CNNにチャンネルをあわせた。
 地球温暖化への危機感から、米国で『牛肉』離れが進む事情をレポートしていた。
 予想を超える米国社会の変化に驚いた。

 なぜ『牛肉』が温暖化の犯人とされるのか?
 牛は餌を食べると4つの胃を使って反芻し消化する。
 その過程でさかんにゲップを繰り返す。

 ゲップの主成分はメタンガス。
 メタンガスは、おなじみの二酸化炭素(炭酸ガス)より格段に温暖化に寄与するという。
 米国の『牛肉』の大量生産、大量消費は、メタンガスの大量放出につながっている。

 また、牛の飼料を栽培する農地は食料の生産効率が悪い。
 同じ農地で人の食料を栽培する方が、『牛肉』よりも多くの食料を生産できる。
 さらに、肉食から健康志向の食事に変えようとする流れもある。

    ◇ ◇ ◇

 今、脚光を浴びているのが農作物から、直接加工される植物性の肉。
 米国では、行政、研究所、大学、民間企業などが、鋭意、その開発に取り組んでいる。
 これが『植物由来の肉』で、既に、いろいろな商品が市販されている。

 類似の食品に、植物油を加工して作られる「イクラ」がある。
 本物そっくりで、低価格でコレステロールが少なく、植物由来で環境にも優しい。
 人工魚卵の「イクラ」は、消費者に十分受け入れられている。

 同様に、 数年後には、『植物由来の肉』が食肉市場に定着するかもしれない。
 新しい「植物肉」が従来の「動物肉」を圧倒しているかもしれない。
 この動向からは眼が離せない。

 『牛肉』離れに直面する米国は、貿易交渉でそのハケ口を日本に求めるのは当然だろう。

 
◆日本~安くなった米国産『牛肉』にはしゃぐ
 同じ日、Abema TV(テレビ朝日のニュース)を見た。
 関税引き下げで値下がりした『牛肉』にはしゃぐスーパーと消費者をレポートしていた。

 日米貿易協定で関税が今年から引き下げられた。
 今月から38.5%が26.6%になり、以後段階的にダげられ、2033年には9%。
 それだけ原価が下がるので、消費者価格も下がる。

 早速、先乗りのスーパーが正月早々に『牛肉』値下げバーゲンを打ち出した。
 大盛況で、売上は大埴に伸び、担当責任者はホクホク顔。
 バーゲンに駆け付けた顧客は『牛肉』パックを手に大満足のエビス顔。

 それほどまでに『牛肉』を食いたいか?
 
  ・国内酪農家の苦境は気にならないのか。
  ・『牛肉』環境汚染は気にならないのか。
  ・食料の輸入依存増は気にならないのか。

  ・Win-Winという貿易協定は、日本完敗の関税下げであることは気にならないのか。
  ・食の健康志向にもとる『牛肉』に飛びつくことは気にならないのか。
  ・『植物由来の肉』の国内開発・販売の遅れは気にならないのか。


    ◇ ◇ ◇


◆温暖化対応に出遅れの日本
  主食は『牛肉』 といわれてきた米国。
  それに比べれば、安くなった米国産『牛肉』の輸入量の増加はたかがしれている。
 しかし、『牛肉』を介して見える温暖化対応の日米の相違は、異次元的な格差といえる。

 昨年、二度の国際環境会議で、某環境大臣は日本の環境無策ぶりをさらけだした。
 環境先進国であるべき日本は、世界の潮流に2~3州遅れとなってしまった。
 世界に発信され、冷笑された汚名を挽回するのは容易ではない。

 政権ヨイショの無能マスメディアは、この深刻な状況の報道を避けている。
 彼らがタレ流すのは『牛肉』 狂想曲のあおり報道、そこで踊る笑顔の消費者達。
 目先の利益、目先の風潮にどっぷりと浸る日本の現代社会。

2019年08月06日

世相:参院選2019についての所感

 7月21日(日)に、第25回参院選が行われた。
 投票結果は、なかなかに興味深いものだったので所感をまとめてみた。
 報道でいろいろな評価が成されているが、有権者の意思が読み取れるのである。

 (自分は、期日前投票ではなく、選挙を実感したくて当日投票に出かけた)

◆投票率48.8%
 選挙区の投票率は48.8%で、過去最低だった1995年の44.5%に次ぐ低水準だった。 
 有権者が政治の現状に期待と関心を持てないことが原因であろう。
 過半数の有権者が棄権した選挙に、政治責任者の首相はまずは陳謝すべきと思う。
 

◆比例区の得票結果
 選挙の得票結果は、比例区にはっきりと現れる。

参院選2019~比例区党派別/議席数&得票

党派改選今回男性女性得票得票率
自民191915417,712,37235.40%
立民48627,917,72015.80%
公明77616,536,33613.10%
維新45504,907,8449.80%
共産54314,483,4119.00%
国民43213,481,0787.00%
れ新02112,280,2534.60%
社民11101,046,0112.10%
N国0110987,8852.00%
安死0000269,0520.50%
幸福0000202,2780.40%
オリ0000167,8970.30%
労働000080,0550.20%
合計4450401050,072,192100%


◆表の勝者:れ新とN国
 今回の勝者は、明らかに、れ新とN国である。
 れ新は比例区で、N国は選挙区合計で、得票率が2%を超え、政党要件を満たした。
 議席確保まで、マスメディアはこれらを「諸派」として十把一絡げで黙殺していた。

 れ新は、重度障碍者の2名を当選させた。
 これにより、国会議事堂のバリアフリー化が行われ、障碍者支援の法改正も進みそうだ。
 実績をあげ、公約で掲げた新しい経済・財政政策の実現に向かって欲しいと思う。

 N国は、「NHKにスクランブル放送を」のOne Issueで1議席を獲得した。
 Abema TVに出演した立花代表の主張は、単純・明快できわめて説得力があった。
 スクランブルどころか、NHKの基盤を揺るがし、解体・再構築までも進みかねない。

 れ新とN国は、SNS、YouTube、演説会で選挙活動を展開し、選挙資金も寄付で集めた、
 わずか2議席と1議席で、社会の岩盤の一角を、誰にも見える形で変えようとしている。
 従来はなかった新しい政党の誕生及び成果と評価できるだろう。

◆裏の勝者:さまよえる有権者
 既成政党にうんざりし、投票先のなかった有権者が動いた。
 比例区でれ新とN国に投票した約300万人の有権者は、確かな達成感を得たと思う。
 自らの投じた一票が、議席獲得に生きたことを実感したからである。

 このことに共感する有権者は、棄権者を含め、案外多いかもしれない。
 百貨店的な政策を掲げる政党よりも、専門店的な政党が支持を集めるかもしれない。
 無党派層には、体感できる政策を求めてさまよう多様な有権者が存在していたのだった。

◆表の敗者:立憲民主党
 立民は、議席数こそ伸ばしたが、存在感はうすかった。
 一人区で野党共闘を実現して、衆院選小選挙区への布石はできた。
 それにしても、比例区の得票率15%ははいかにも低く、25%は必要だろう。

 現行の比例区では、記名投票があって、その票数の多い順に当選者が決まる。
 立民の得票率が低いので、記名票の多い組合出身者が当選枠をほぼ独占したのだった。
 組合の党に見えてしまうイメージが強まり、無党派層の離反を招く恐れもある。

 非現実的と批判される経済・財政政策は、抜本的に見直す必要がある。
 このままでは、れ新のやや過激な経済・財政政策が論議の主導権を握ると思う。
 旧来型政党に戻ったような立民の正念場である。

◆裏の敗者:マスメディア
 選挙期間中に選挙報道をしないマスメディアは、ネット(特にYouTube)に完敗した。
 低投票率志向の政権・与党、それに忖度(そんたく)したマスメディア。
 48.8%の低投票率は期待以上であったろうが、中身は衝撃的だった。

 諸派として黙殺していた「れ新とN国」が、ネットを駆使して議席を獲得した。
 マスメディアに依存せずに、ネットで選挙を戦えることが証明されてしまった。
 黙殺と忖度はマスメディアの驕りであり、自己の存在否定となってしまった。

 もはや、有権者は選挙情報はネットから取得し、マスメディアは見向きしなくなる。
 そのマスメディアが、唯一ネットに勝るのが、開票速報だけ。
 しかし、やがて、電子投票の時代になれば、本来は無意味なこの中継番組も消滅する。

◆勝者を装う敗者:自由民主党
 「国民の信を得た」と首相は語ったが、これはフェイクだ。
 自民は改選で9議席も減らし、3議席増の公明を合わせてやっと改選過半数だ。
 さらに3議席増の維新を加えても、改憲発議に必要な3分の2を割り込んだ。

 与党は固定票を生かして勝つ戦略として、低い投票率を狙っていた。
 国会を軽視し、質問をはぐらかし、説明責任も全く果たさない。
 有権者は政治への期待を失い、政治への関心を薄めてきたのは、与党の思うツボだ。

 選挙結果は、公明の固定票が相対的に際立ち、皮肉にも自民への浮動票が大きく減った。
 そもそも比例区で自民の得票率は35%で、有権者総数の20%にも満たない。
 「国民の信を得た」とは、笑えないジョークだ。
 
◆転機の兆し
 「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」は政治・社会に衝撃を与えた。
 強く行動して、社会の共感を呼び起こせば、固い岩盤も崩れる。
 選挙で一票を投じることで、それに参加できる。

 有権者の政治不信のマグマは根強い。
 今回の参院選をきっかけに、このマグマは動き始めるのだろうか?
 与野党、マスメディアはそれにどう対応するのだろうか?

2019年05月02日

世相:天皇陛下の退位と即位

◆天皇陛下の「お言葉」を聴く
 4月30日、天皇陛下(現上皇)「退位礼正殿の儀」。
 5月1日、天皇陛下の「即位朝見の儀」。
 それぞれの「お言葉」をAbema TVの生中継で拝聴した。

 いずれも心のこもった格調の高い内容であった。
 国の象徴としての天皇の位置づけを、「平成」から「令和」へ継承して欲しいと思う。
 世界に比類のない伝統である天皇制は、これからも大切に保持していきたいものだ。

2017年10月28日

世相:2017衆院選雑感~①東京8区の得票状況

◆ 野党乱立で、39%の与党が勝利
 我が東京8区では、立憲民主党/希望の党/共産党が立候補した。
 野党の乱立で、与党は39%の得票率で当選するというモデル選挙区となった。
 (これは、現時点の内閣支持率に近い)

 詳細な得票データはつぎの表の通り:

東京8区(杉並区)
順位得票数氏 名得票率党 派年齢新旧
199,863石原 伸晃39.2%自民(公)60
276,283吉田 晴美30.0%立憲民主45
341,175木内 孝胤16.2%希望51
422,399長内 史子 8.8%共産29
511,997円 より子 4.7%無所属70
62,931斎藤 郁 1.2%諸派29


 この選挙区の状況は極めて興味深い。
  ・自民党は、約2万票の公明党のゲタをはいている
  ・ 自民単独と立憲民主はほぼ互角
  ・自民+公明と立憲民主+共産もほぼ互角
  ・野党共闘が実現すれば容易に逆転できる
  ・立憲民主が希望に差をつけた
  ・当選した石原氏は、石原慎太郎氏の長男であるか、次回はかなり厳しそうだ

◆次の選挙に興味津々
 このような状況の選挙区は、他にもかなりあるが、野党は共闘できるか。
 舵を失ったように見える希望の党は空中分解してしまうだろうか。
 立憲民主党は、新しいリベラルのイメージを確立できるのだろうか。

 次の選挙でも、東京8区から目が離せない。

2017年10月26日

世相:横浜DENA vs 広島戦の真相は?

◆横浜DENAがCSシリーズを勝ち抜く
 プロ野球セ・リーグのCSシリーズで、3位・横浜DENAが首位・広島に勝利した。
 これで、横浜は日本シリーズ進出する。
 シーズンを独走で優勝した広島は、あえなく敗退した。

◆「14.5ゲーム差からの下克上」なのか?
 早速、マスメディアは、熱く報道した。
 横並びのワンフレーズ: 14.5ゲーム差からの下克上
 表面的には、確かにその通り。

◆真相は …
 しかし、ホントかな?
 実は、圧倒的強者・広島に対し、唯一、横浜は「13勝12敗」で勝ち越していだ。
 3試合連続のサヨナラ勝ちも含まれている。\\

 つまり、横浜は広島に強いのである。
 逆に、広島は横浜が苦手なのである。
 しかも、横浜は2位・阪神を降して勢いがあった。

 14.5ゲーム差も下克上も 関係のないガチンコ勝負だった。
 結果は、初戦の雨コールドゲームでは負けたが、一気に4連勝で決めた。
 CSという 変な制度の下、横浜はチャンスにうまく乗ったのである。

◆アホな横並び報道はやめてくれ!
 通常シリーズにおける両チームの戦いの分析をした中継も報道もなかった。
 結果を表面的にワンフレーズで報道するだけのアホなマスメディア。
 衆院選の結果についても、同じくアホな報道が繰り返されている。

2017年09月29日

世相:民進党が破綻

◆:民進、ついに破綻
 安倍自民への対抗軸を打ち出せず、
 リベラル(古い感覚の)の旗手にもなれず、
 市民感覚の新しいリベラルの受け皿にもなれなかった。

◆希望の道にすがりつく
 民進党に明日はなかった。
 就任早々の前原代表にとって、衆院解散は大ピンチであった。
 そんな時、小池都知事の「希望の党」の設立は、渡りに舟となったに違いない。

 合流とはいえ、民進党議員は離党して小池氏の選別を受け、公認される。
 いわば、屈辱的な無血開城だ。
 それを受け入れざるを得ない民進党の現状だった。

◆新しいリベラルは誕生するのか?
 希望の党は、保守である。
 民進党とともに旧来のリベラルも消滅した。
 リベラルの受け皿は、共産党以外にはなくなった。

 若手の政治リーダーによる新しいリベラルの誕生を待つしかない。

◆ 一首献上

  前の原 振りさけ見れば 影薄く 小池の淵に  沈む月かも

2017年09月27日

世相:唐突な衆院解散

◆「国難突破解散」?
 25日、 安倍首相は衆院解散を正式に発表した。
 解散理由を、くどくどと説明した。
 しかし、顔にも唐突で。大義がない。

 北朝鮮危機と少子高齢化を国難だという。
 それを突破するための解散だと主張した。
 空々しく、こじつけの詭弁に過ぎない。

◆真の国難は…
 国会で議論せず、国民にも説明していない。
 自己都合、自己保身の身勝手解散だ。
 そんな人物を国会は首相に選び、その議員を国民が選んだのだった。

 で、結論の一句:

  憂うべき  真の国難  この首相

2017年03月27日

「コウノトリの郷」公園の紹介

◆新横綱・稀勢の里、連勝から暗転
 大相撲の春場所、稀勢の里は、12日目まで全勝であった。
 このまま千秋楽まで行く勢いがあった。
 復調した大関・照ノ富士が、1敗でピタリと後を追う。

 13日目、白馬富士に圧倒され完敗、土俵下に転落、左肩を負傷。照ノ富士と並ぶ。
 14日目、鶴竜に、一方的に押し出され、2杯目。照ノ富士は1敗を堅持。
 千秋楽は、照ノ富士戦。

 まともな相撲が取れず、優勝は絶望的、休場かと思われたが、それでも出場。
 しかし、照ノ富士に一気に土俵の外に押し出されるに違いない。
 そんな稀勢の里の姿は見たくなかった。

◆奇跡が起こった
 で、千秋楽は相撲中継は見ずに、選抜高校野球の方を見ていた。
 すると、画面にテロップが流れた。
 「横綱・稀勢の里が連続優勝」


Kisenosato2_320.png


 な、なんということだ!!
 すぐ、総合テレビにチャンネルを切り替えた。
 ちょうど、優勝決定戦で、稀勢の里が照ノ富士を右小手投げで破ったビデオ。

 本割では、右からの突落としで勝ち、優勝決定戦に持ち込んだのであった。
 つまり、左肩を負傷して使えないところを、右を使って照ノ富士に連勝したのである。
 とても勝てると思われなかったところを、みごとに勝利を収めた。

 まさに奇跡としか言いようがない。

◆「見えない力」が見えた
 千秋楽(3/26)の夜、NHKテレビのインタビューで、稀勢の里が語っていた。

 「左が使えないので、右を使って思いがけなく勝つことができた。
  自分の右にそんな力があるとは、今まで見えていなかった。
  見えない力を見たことは、これからの場所で自信につながると思う。」

 これは、なかなか哲学的である。
 逆境に追い込まれたとき、「見えない力」が見えてける。
 日頃の努力の賜物であろう。

 これで稀勢の里は一段と強くなり、ファンも増えると思われる

2017年01月29日

世相:横綱・稀勢の里の誕生を祝す

◆19年振りの日本人横綱
 待望久しい日本人横綱が誕生した。
 とっくになれていたはずの稀勢の里。
 あと一歩をついに乗り越えた。

 モンゴル出身力士に支えられている相撲界。
 特に白鳳は、すばらしい横綱だ。
 しかし、その白鳳にもやや陰りが見え始めている。

 稀勢の里は白鳳と互角に渡り合える。
 これから強くななる可能性も感じる。
 横綱というプレッシャーなどはねのけて、大相撲を盛り上げて欲しい。

 明治神宮での奉納土俵入りは、日本人ならではの様式美があった。

2017年01月24日

世相:トランプ大統領の就任演説は「選挙」演説

◆ジョーカーの裏もジョーカーだった
 表も裏もジョーカーのトランプ(カード)がある。
 マジックで使われ、観客の眼を欺いて、予想外の結果を演出する。
 観客は、タネ(仕掛け)のあることを知りつつ、マジックに拍手喝采する。

◆就任演説は「選挙」演説だった
 21日のトランプ大統領の就任演説は、選挙中の演説のままだった。
 どんな内容になるか、世界中が期待と不安を込めて見守っていた。
 結局、ジョーカーの裏は、やはりジョーカーだった。

  ◇ ◇ ◇

 世界や人類の理想を掲げ、アメリカがそれをリードする。
 そんな理念やビジョンには、ひとかけらも触れなかった。
 もっぱら国内の支持者向けに語り掛けることに終始した。

◆これからのアメリカとの関係
 アメリカ第一主義は、目先はプラスでも、やがて大きなマイナスが見えてくるだろう。
 アメリカ第一主義は、世界の当惑、反発、混乱を招くだろう。
 そうなると、実利オンリーのトランプ氏の政策は行き詰まる可能性がある。

 しばらくはアメリカの行方を見守るのがよさそうだ。

2017年01月19日

世相:米次期大統領は本当に大丈夫が?

年末年始には、世の中は比較的落ち着いていたと思う。
それが中旬になって、流動的な様相が見え始めた。
どうやら今年は昨年以上の波乱の一年になりそうだ。

◆トランプ氏はトランプ氏のまま 
 大統領選後の初の記者会見(1/10)は、トランプ氏の本質を公にした。
 政策ビジョンは語らず、世界や社会に訴えることは何もなかった。
 大統領としての品格も全く感じられなかった。

 大統領になれば変わると期待する見方もある。
 そう見込んで、ドルが買われ、株価は上昇した。
 しかし、この記者会見で、変身はきわめて怪しくなったと思う。

  ◇ ◇ ◇

 トランプ大統領を野放しにするのは危険だろう
 「殿のご乱心」への備えが必要だ。
 そうして、まともな副大統領が職務を代行するというシナリオになるかもしれない。

2016年08月30日

世相:SEALDsの解散

◆SEALDsが解散会見
 YouTubeで、SEALDsの解散会見ビデオを見た。

 昨年、安保関連法案反対の国会デモで名を馳せたSEALDsが解散した。
 SEALDsは、政治的な無関心・無気力がはびこる社会に、貴重な衝撃を与えてくれた。
 とくに、代表の一人である奥田氏の国会質問は、実に見事であった。

 昨年5月3日憲法記念日に発足し、参院選を越えて8月15日終戦記念日に解散。
 これは、既定の路線であったようだ。
 学生らしく潔くて、それぞれが新しい道を歩むことを祝福したい。

  ◇ ◇ ◇

 SEALDsは、国民に政治への関心を持ち、行動する重要性を訴えた。
 国会デモはそれを現実にした。
 既存 野党やリベラル派といわれるグループでは、これは成し得なかった。

  ◇ ◇ ◇

 激烈な誹謗中傷の中、よく耐えたと思う。
 ネットの匿名性を隠れ蓑にしたことばの暴力は、卑劣で、果てしがない。
 会見に臨んだ各メンバーの解散の辞は、爽やかで、SEALDsを誇りにしていた。

 メンバーの中には、自らの経歴に付きまとうマイナスを心配する声もあった。
 しかし、遠くない将来、SEALDsで活動したことを誇れる日がきっとくると思われる。
 社会の意識は、彼らが意図した方向へ、着実に変わっていくであろうから。

  ◇ ◇ ◇

 SEALDsの活動目標と自分の政治的信条は一致しないところがある。
 それでも、SEALDsを支持し、その行動力に敬意を表したい。
 沈滞する国民の政治意識を、一部であったとしても、覚醒させてくれたからである。

2016年08月22日

世相:リオ五輪~陸上400mリレー

◆陸上男子の400mリレー。
 リオ五輪で、第一に注目していた種目であった。
 これまでにも銅メダルの実績があり、有望視されていた。
 結果は、輝かしい「銀」メダルであった。

◆リオ五輪の写真、これ一枚!

 Rio400m_320.jpg
(日経電子版より転載)

 先頭を爆走するジャマイカのボルト、追走する2位のケンブリッジ飛鳥。
 二人の体格差は歴然、衝撃的でさえある。
 ハンディ戦でない、真っさら勝負。

 後方からは3位のアメリカ(失格)、4位のカナダ(3位)が迫る。
 写真としては、そこまで入れたのを掲載して欲しかった。
 小柄な飛鳥が、一層、際立ったであろうから。

◆不可能を越えた技
 400mリレーでメダルなど、不可能だと思い込んでいた。
 2008年北京大会の銅メダルの時は奇跡だと思った。
 それが「銀」メダルにアップしたのである。

 各国チームの4人のタイムの合計では、日本は決勝に残れるかどうか。
 それを埋めたのは、バトンの高速アンダーパス。
。圧倒的な体格のハンディを『リレーの技』で克服した。
 
 スキ間の発想というか、発想の転換というか。
 もちろん、4人の選手の個々の走力が基本にある。
 400mリレーは、日本人のチーム力のすばらしさを改めてアピールした。

2016年08月01日

世相:小池百合子氏、初の女性都知事に

◆即、当選確実!
 7月31日投開票の都知事選は、締切り直後に、NHKが小池氏の当選確実を報道した。
 圧勝であった。
 自分は、女性であることに期待して、小池氏に投票した。

 今回は、21名も立候補したが、実質、三名の争いとなった。
 投票率は、59.7%と高かった。
 投票結果は以下の通りである。(NHKオンラインより一部を転載)

東京都知事選挙結果

候補者名得票数備考
小池 百合子291万2628票当選
増田 寛也179万3453票自民・公明他推薦
鳥越 俊太郎134万6103票民進・共産他推薦
上杉 隆17万9631票(以下略)


◆所感
 圧勝した小池氏は、早出しジャンケンでリードし、選挙運動の演出も巧みであった。
 都民への政策も分り易くアピールし、支持の輪を急速に広げた。
 今後は公約通り、政権・都議会と馴れ合いに陥らぬよう、難題に挑戦して欲しいものだ。

 完敗した増田氏は、岩手県知事や総務大臣を歴任しながら、印象に残る成果は見えない。
 首都東京の知事には地味過ぎる印象で、華やかな小池氏の前では影が薄かった。
 推薦した自民党は、都民の候補者鑑別力を完全に甘く見ていた。

 惨敗の鳥越氏は、都政に何のビジョンも持たずに立候補したことを露呈した。
 反核や護憲などを打ち出し、都知事としての適格性にも欠けていた。しかも高齢者。
 そもそもこんな候補者を担いだ民進党幹部の政治感覚はどうなっているのだろうか。

2016年07月24日

世相:『ポケモン GO』所感

◆『ポケモン GO』の体験
 22日、日本でも配信が始まった。
 たちまち、街にはスマホをかざす人達が繰り出したようだ。
 いつもはこうしたゲームに縁のないようなラジオのキャスタ達も体験を語っていた。

 夜半に、iPhoneにダウンロードしておいた。
 23日、iPad Air2を開いたら、なんと『ポケモン GO』がインストールされていた。
 iPhoneと連動したようだ。

  ◇ ◇ ◇

 早速、ゲームをスタート。
 iPadは画面が大きいので、メッセージが読みやすくて助かる。
 初期画面の地図が表示された。

 すぐにiPadが振動し、ポケモンが現れた。
 仕入れていた手順通りに、それをタップし、モンスターボールを投げてゲット。
 まだ、一歩も動いていないのに、一匹捕獲の「成功体験」。

 どうやら、ゲーム入門者用の特別サービスのようだ。
 心憎いおもてなし。
 成功体験があると、つい、先へ進みたくなる。

  ◇ ◇ ◇

 『ポケモン GO』は、自分のレベルで充分楽しめるし、レベルアップするのも楽しみだ。
 GPS機能を使うので、戸外を歩き回るのも新しいゲーム・スタイルだ。
 ただ、どんなポケモンがどこで現れるか分からず、スマホ歩きが多く問題になっている。

  ◇ ◇ ◇

 この後、『ポケモン GO』に入れ込むことはなさそうだ。
 それにしても、その奥行きの深さはすごいと思う。
 優れたところを少しでも参考にして、「旧町名標柱巡り」ゲームをデザインしてみたい。

2015年09月20日

世相:日本を変える若者の発言20150915

◆参院公聴会で大学生が発言
 15日、参議院で安保関連法案の特別委員会の中央公聴会が開催された。
 ここに「SEALDs」の奥田愛基(あき)さん(23、大学生)が招かれた。
 TV中継された口述(スピーチ)に、衝撃的な感動を受けた。

 YouTubeの録画画像(→ こちら
 
 これは、日本の民主主義の基本を問う<歴史的>名スピーチであった。
 多くの国民の共感を呼ぶに違いない。
 聴く者の心を動かし、さらに行動に駆り立てる迫力がある。

◆発言が訴えるもの
 ここ数か月は、安保関連法案を巡る論議に関心を持ってきた。
  ・憲法とは何か
  ・日本の平和とは何か
  ・民主主義とは何か

 しかし、国会審議での安倍首相は、虚妄虚言にまみれつつ、強引に法案を成立させた。
 憲法も平和も民主主義も、踏みにじるものであった。
 国民をバカにし、国会を軽視し、独裁者気取りである。

 国会の絶対多数をカサに、やりたい放題の暴走を止めるのは、少数野党には難しい。
 従来型の組織的な国会デモも効果は薄い。
 国民は黙って見ているほかはないのか。

 奥田さんの発言は、その単純明快な解決法を提示してくれた。
 虚しさや無力感にさいなまれている人々に勇気を与えるものである。
 無関心な人々の心を呼び覚ますものである。
 
  ・国民一人一人が良く考え、それを外に出てデモで表現しよう

◆今回の国会デモ
 今回の国会デモは、このことを鮮明に実現していた。
 一人一人がそれぞれの思いを持って集結したデモである。
 (15日、出勤途中に、急遽、午前中を休暇にしてデモに参加した若い会社員もいた)

 遅れていたTVやラジオの取材も増えた。
 国会の野党も背中を押されて、ムダな抵抗であっても、よく粘った。
 参院特別委の委員長不信任動議への野党議員の賛成意見は、十分に聴きごたえがあった。

◆参院選挙が勝負
 より多くの国民が目覚め、行動するか。
 流れを継続して、来年夏の参院選で結果を出せるか。
 それこそ、国民一人一人の真価が問われる。

 
 若者たちの投じた貴重な一石に感謝し、行動を共にしなければならないと思う。

2015年06月19日

世相:党首討論20150617

◆党首討論を聴く
 17日(水)、国会で党首討論が行われた。
 NHKラジオの中継で聴いた。
 討論は、安保関連法案に集中した。

 民主党の岡田代表は、論点も論理も迫力不足で、首相の対応もこれまでの繰り返し。
 維新の党の松野代表は、今国会での成立に世論の反対が多いことなど指摘した。
 共産党の志位委員長は、論点を「後方支援」に絞り、鮮やかな論理で一本を取った。


◆「後方支援」の詭弁(きべん)
 首相は、「安全な場所を選んで後方支援する」と主張している。

 志位氏は、「後方支援などというものは、国際的に存在しない」
 「軍事的には、後方支援=兵站(Logistics)であり、兵站活動=武力行使だ」
 「武力行使と一体でない後方支援など世界では通用しない」と批判した。
 
 そして、「武力行使と一体でない後方支援の国際法的根拠を示せ」と首相に迫った。

 首相は、かなり追い詰められた感じで、つぎのように答弁した。
 「後方支援とは、憲法9条との関連で、国内向けのもの」
 これは苦しい言い逃れで、詭弁の崩壊に近い。

 面一本!
 後方支援という首相の詭弁=まやかしの論理を論破するのは、正論の論理である。
 志位氏はそれをみごとに実証した。

 明快な論点と論理で丁々発止の議論が展開するのは爽快だ。
 民主党には、これが無い。
 詭弁に付き合って、すれ違いの議論ばかりしている。

2015年05月20日

世相: 「大阪都構想」僅差で破れる

◆橋本市長の「大阪都構想」
 17日(日)、大阪市で都構想の賛否を問う住民投票が行われた。
 結果は、ごく僅差で否決された。
 開票率92%でも、まだ「当確」が出ないほどの大接戦であった。

  ◇ ◇ ◇

 「負けは負け」と、橋本氏は市長の任期をもって政治家を引退すると表明した。
 維新の党の江田代表も辞任した。(理由はよく分からない)
 維新の党はどこへ行くのだろうか。

  ◇ ◇ ◇

 今回の住民投票は、「大阪都構想」に対する賛否の二者択一であった。
 そこで約半数の指示があったことは重要だ。
 また、反対といっても、橋本構想ではない改革案を求めた市民も多かったのではないか。


◆「大阪」の位置
 今回の結果について、多くの評価や分析がなされている。
 そのほとんどは、大阪の問題は、「他の政令都市でも共通している」というもの。
 それはそうだが、「大阪」は違う。

 「大阪」は、「東京を補間する第二首都」にふさわしい。
 他の政令都市とは、決定的に違う位置付けをすべきであろう。
 「民の活力」の中に「官の首都機能」を包含しだ『新・大阪ビジョン』を期待したい。


<落首>
 あと一歩 「都」になれなかった 大阪の「府」

2014年03月23日

世相:消費税増税前の駆け込み需要

◆あと10日で増税
 TVなどで、消費税増税前の駆け込み需要が過熱している、と報道している。
 やや、煽っている感じだ。
 TVのニュース画像としては面白いからだろう。

 デパートの食品売り場で、カートを山盛りにしている人達が多く映し出される。
 皆、興奮気味だ。
 ある客は、レジで2万3千円ほどだったから、消費税節約は700円也!

 でも、この人は、デパートまでの交通費を考えれば、むしろ赤字では?
 それにデパート側は、賞味期限の迫った商品や半端物、訳あり、などの在庫一掃狙い。
 割安としても、さほどお得でもなさそうだ。


◆家電や家具は買い時か?
 家電製品や家具も、駆け込みで売れているようだ。
 価格が高いから、3%も大きい。10万円で3千円の節約。
 この際、新品に買い替えようということであろう。

 でも、5月、6月には、需要の大幅減退でバーゲンになる。
 1割引き、2割引きとなったら、その時がお買い得だ。
 駆け込みで急ぐメリットはなさそうだ。


◆そう言いながら…
 食品は、残量が少ないものを前倒しで買っている。
 昨日は、シーチキン、豆板醤、チーズなど、ささやかに買った。
 来週には、珈琲豆と散髪といったところ。

2013年03月09日

世相:アベノミクスの危うさ

◆風が吹けば桶屋が儲かる?
アベノミクスは「風が吹けば桶屋が儲かる」のシナリオを掲げている。

-- → 大胆な金融緩和により、円安になる
-- → 円安になると輸出が伸び、製造大企業の業績が良くなる
-- → 製造大企業の好業績は、系列や関連企業に波及する
-- → 給与が上がり、設備投資が活発になる
-- → 経済全体が活力を取り戻し、デフレを脱却する

たぶん、二番目まではいける。
たぶん、そこで止まりそうだ。
たぶん、国民が豊かさを実感する(桶屋が儲かる)前に、シナリオは破綻する。

なぜなら、シナリオの二番目で恩恵を受けた大企業は、体力のあるうちに、
-- 余剰な正社員を削減し、非正規社員に切替える
-- 余剰な設備を廃し、市場に近い海外に設備投資をする
-- 余剰な資金は金融機関に返済したり、株主への配当に充てる

かくして、
-- 給与はスズメの涙ほどしか上がらない
-- 大企業の生産はさらに海外に移転し、系列・関連企業は仕事を失う
-- 金融機関は融資先が見つからず、国債を買うしかなくなる


◆『禁じ手』を政策にするアベノミクス
アベノミクスに賛同する経済学者や経団連は、<経済>至上主義だ。
<経済>が現代の高度な<社会>を作ってきた、と考えている。
<経済>が正しく機能すれば、<社会>も正しく機能する、と考える。

さりながら、バブル崩壊後のデフレの下で<経済>は、かつての輝きを失った。
もはや、<経済>を活性化するには、『禁じ手』(=金融大緩和)しかない。
あえて、非常手段の『禁じ手』を政策として掲げるのが、アベノミクスだ。


◆シッポがイヌを振る?
確かに、戦後は<経済>の発展によって、豊かな<社会>がもたらされた。
しかし、バブルの崩壊は、それまでの<経済>のあり方の崩壊でもあった。
<経済>が<社会>を作る時代ではなくなったのである。

<社会>があってこその<経済>である。
<経済>では測れない<社会>のニーズが増大している。
国民は、安心して生活できる<社会>を求めている。

イヌはシッポを振れるが、シッポはイヌを振れない。

2012年12月29日

世相:衆院選2012の所感2

◆低かった投票率
今回の衆議院選挙の投票率は前回から約10%もダウンした。
前回:69.28% → 今回:59.32%
これが小選挙区において、自民党に漁夫の利の圧勝をもたらした。


◆低投票率の理由
前回(2009)の衆院選では、政権交代の期待から、民主党が圧勝した。
無党派層が大量に投票に参加し、投票率を約10%も押し上げた。
そのほとんどは民主党に流れ、政権交代が実現した。

その民主党政権が行き詰まり、今回の選挙となった。
無党派層は困惑した。
投票先の選択枝が無いのであった。

-- ・幻滅させたてた民主党には入れたくない
-- ・既に見放した自民党にも入れたくない
-- ・第三極も期待が持てない

無党派層が大量に投票を棄権し、投票率を約10%も押し下げた。
民主党と第三極は、大幅に減った無党派層を奪い合った。
かくして、組織票ベースの自民党+公明党が小選挙区を制した。

 ◇ ◇ ◇

声無き声は何を語るか
今回は、白票も多く投じられたという。
投票所へ向かったが、途中で引き返した、とブログに書いている人もいた。
かく言う自分も、危うく棄権するところであった。

有権者総数は約1億436万人。
投票率が約10%減少したということは、棄権者が約1,000万人増加したということ。
次は、この約1,000万人を投票に引き戻す魅力ある選挙を期待したいものだ。


◆投票率の推移

衆議院選挙の投票率(小選挙区比例代表並立制)
第41回第42回第43回第44回第45回第46回
1996年10月2000年06月2003年11月2005年09月2009年08月2012年12月
59.65%62.49%59.86%67.51%69.28%59.32%


今回選挙は、現行制度で最低の投票率であったといれる。
しかし、上の表を見れは、最低とはいっても、ほぼ平常だ。
むしろ、前2回が異常に高かったのだ。

-- ・2005年は、小泉劇場の郵政民営化選挙で、無党派層が動いた
-- ・2009年は、民主党への政権交代選挙で、無党派層が動いた
-- ・2012年は、いつも投票する人が投票した選挙で、無党派層が逃げた

と、見られる。
投票先が見つからない選挙になってしまった。
政党の政策、議員の資質、選挙制度など問題山積の状態だ。

2012年12月20日

世相:衆院選2012の所感

◆民主惨敗・自民圧勝
12/16(日)、衆院選が終わった。
事前の各社世論調査の通り、民主惨敗・自民圧勝であった。
衆院の3分の2以上を占める自公政権が発足する。

自民は笑いが止まらず、メディアはもてはやす。
民主はがっくり、維新は第二党をうかがう。
民主と自民の獲得議席数は、前回2009年衆院選の裏返しとなった。


◆比例区に見るクールな有権者
有権者は、支持を訴える候補者や騒ぐメディアより、はるかにクールであった。
バランス感覚がみごとに働いた。
それは、比例区の各党の得票率に表れている:

比例区の得票率と議席数
政党名2012得票率2012議席数2009得票率2009議席数
自民党27.6%5726.7%55
民主党16.0%3042.4%87
日本維新の会20.4%40--
公明党11.8%2211.4%21
みんなの党8.7%144.3%3
共産党6.1%87.0%9
未来5.7%7--


比例区では、得票率が概ね獲得議席数と比例する。
(実際には、各党の議席数はドント方式で配分される)
有権者の動向はつぎのように読める。10Y

-- ・自民、公明は、組織票ベースでほとんど変わらず
-- ・崩壊した民主は激減
-- ・民主の減少分は、維新中心の第三極にバラけた

もし、比例区だけで衆議院が構成されるのならば、自民+公明では過半数に満たない。
安定過半数には、維新と連立を組むということになる。
その辺が有権者の民意であったと思える。

しかし、それを一変させたのが、劇薬=小選挙区の仕掛けだった。


◆小選挙区のマジック
まさに、劇薬マジックである。
小選挙区は、1区1人の300区で、得票トップの候補者だけが当選する。
各党の全国集計の得票率は、つぎのようであった:

小選挙区の得票率と議席数
政党名2012得票率2012議席数2009得票率2009議席数
自民党43.0%23739.8%64
民主党23.8%2747.4%228
日本維新の会11.6%14--
公明党1.5%91.1%0
みんなの党4.7%40.9%2
共産党7.9%04.2%2
未来5.0%2--


小選挙区では、候補者個人の人気や実績、政党の組織力などが影響を及ぼす。
有権者の支持政党は、比例区と概ね一致するであろうから、支持率に大差はないはずだ。
ところが、1区1人の小選挙区制度と政党乱立は、自民の圧勝をもたらした。

-- ・自民+公明は、組織票ベースで手堅く票を固めた
-- ・政治に嫌気した有権者の棄権が増え、投票率が10%も下がり、無党派票が減った
-- ・無党派票頼みの第三極の乱立政党や組織の弱い民主が、減った票を奪い合った
-- ・比較多数となった自民が<漁夫の利>で圧勝した

すなわち、自民が大いに期待され支持された結果ではない。
しかし、選挙制度上、この結果は受け入れなくてはならない。
ただ、メディアが大騒ぎするほど自民圧勝ではなく、有権者はクールに見ている。


◆落首
-- ・民主ダメ 3極乱立 政治不信 投票率最低 自民漁夫の利

(続く)

2012年03月11日

世相:大震災一周年に思う

◆早や一年
犠牲者並びに被災者の方々に哀悼の意を捧げたい。
復興というコトバの陰で、個々の被災者の苦しみは大きい。
福島第一原発の放射能汚染地域では、子供達が危険に曝されたままだ。

◆日本は変わったか?
3.11以後、確かに日本は変わったと思う。
自分も『親原発』から『反原発』へと180度変わった。
そして『反・経済効率主義』の考え方は一層強まった。

多くの国民の意識がシフトしていく中で変わらない構造がある。
<政・官・産・学・マスメディア>を支配する既得権構造だ。
さすがに表面的には静かではあるが、実質は何も変わっていない。

現在、既得権益者達がやっていることは、実に狡猾な防衛作戦だ。
権益を損なう「分子」を洗い出し、個別にツブしていく。
(原発事故の情報隠蔽を追及し続けた「CS朝日ニュースター」は3月末で閉局となる)

権益を損なう「運動」は徹底的に無視し、あたかも何事もないかのごとく装う。
(脱原発のデモ・集会は報道されず、低放射能被ばくの危険性は看過されている)
一方で、原発安全神話の再構築を図り、電力不足をあおり、企業の海外逃避を喧伝する。

◆苛立つ国民
国民は、既得権益者とのギャップに苛立っている。
いっそ、既得権益者をブッ飛ばせ!
かくして「橋下・維新」が人気を集める構図になっているのだ。

2012年02月10日

世相:橋下維新への期待と危うさ

◆政治の停滞
もはや、いかんともし難い。
みんながそう思っている。
大震災も原発事故も、ダメな政治を変える機会とはならなかった。

自民・公明が行き詰まり、政権が交替した。
しかし、民主も早々に自己崩壊してしまった。
二大政党がこの体たらくでは、次の総選挙で国民の選択肢はない。

◆橋下維新への期待
停滞する政治への不信感は、破壊的なリーダーを求める。
脚光を浴びているのは、橋下大阪市長だ。
その政治的パフォーマンスは、きわめて華やかだ。

橋下氏は「大阪維新の会」を率いて府知事に当選した。
そして、非協力的な大阪市長にダブル選挙を仕掛け、これを放逐した。
府知事には「維新の会」の幹事長か当選し、大阪の府・市を一挙に制した。

通常では為し得ないことを、鮮やかにやってのけた。
閉塞した政治・行政を一気に破壊してくれる可能性を秘めたヒーローに見える。
そこにすり寄る政党や政治家、軽薄なマスメディア。

◆つぎは国政
「維新の会」は国政への進出を図り、3月に「維新政治塾」を開講するという。
400人の塾生募集に対し、2,400人の応募があったという。(10日締切時点)
相当な吸引力を発揮したといってよいであろう。

◆現状打破への期待と危うさ
この勢いが続けば、つぎの総選挙で第三党になる可能性がある。
「維新の会」がキャスチングポートを握った時、国政はどうなるか。
何がどう破壊され、あとはどうなるのか、まるで分らない。

なんでもいいから、とにかく現状を打破して欲しい。
橋下ポピュリズムへの期待はその一点に集中しているようだ。危ういかな。
しかし、もっとも危ういのは、国民の期待とかけ離れて茶番を演じ続ける国会であろう。

◆落首

-- ◆独裁の におえる君を 憎くあらば 閉塞ゆえに 吾れ恋いめやも

世相:橋下維新への期待と危うさ

◆政治の停滞
もはや、いかんともし難い。
みんながそう思っている。
大震災も原発事故も、ダメな政治を変える機会とはならなかった。

自民・公明が行き詰まり、政権が交替した。
しかし、民主も早々に自己崩壊してしまった。
二大政党がこの体たらくでは、次の総選挙で国民の選択肢はない。

◆橋下維新への期待
停滞する政治への不信感は、破壊的なリーダーを求める。
脚光を浴びているのは、橋下大阪市長だ。
その政治的パフォーマンスは、きわめて華やかだ。

橋下氏は「大阪維新の会」を率いて府知事に当選した。
そして、非協力的な大阪市長にダブル選挙を仕掛け、これを放逐した。
府知事には「維新の会」の幹事長か当選し、大阪の府・市を一挙に制した。

通常では為し得ないことを、鮮やかにやってのけた。
閉塞した政治・行政を一気に破壊してくれる可能性を秘めたヒーローに見える。
そこにすり寄る政党や政治家、軽薄なマスメディア。

◆つぎは国政
「維新の会」は国政への進出を図り、3月に「維新政治塾」を開講するという。
400人の塾生募集に対し、2,400人の応募があったという。(10日締切時点)
相当な吸引力を発揮したといってよいであろう。

◆現状打破への期待と危うさ
この勢いが続けば、つぎの総選挙で第三党になる可能性がある。
「維新の会」がキャスチングポートを握った時、国政はどうなるか。
何がどう破壊され、あとはどうなるのか、まるで分らない。

なんでもいいから、とにかく現状を打破して欲しい。
橋下ポピュリズムへの期待はその一点に集中しているようだ。危ういかな。
しかし、もっとも危ういのは、国民の期待とかけ離れて茶番を演じ続ける国会であろう。

◆落首

-- ◆独裁の におえる君を 憎くあらば 閉塞ゆえに 吾れ恋いめやも

世相:橋下維新への期待と危うさ

◆政治の停滞
もはや、いかんともし難い。
みんながそう思っている。
大震災も原発事故も、ダメな政治を変える機会とはならなかった。

自民・公明が行き詰まり、政権が交替した。
しかし、民主も早々に自己崩壊してしまった。
二大政党がこの体たらくでは、次の総選挙で国民の選択肢はない。

◆橋下維新への期待
停滞する政治への不信感は、破壊的なリーダーを求める。
脚光を浴びているのは、橋下大阪市長だ。
その政治的パフォーマンスは、きわめて華やかだ。

橋下氏は「大阪維新の会」を率いて府知事に当選した。
そして、非協力的な大阪市長にダブル選挙を仕掛け、これを放逐した。
府知事には「維新の会」の幹事長か当選し、大阪の府・市を一挙に制した。

通常では為し得ないことを、鮮やかにやってのけた。
閉塞した政治・行政を一気に破壊してくれる可能性を秘めたヒーローに見える。
そこにすり寄る政党や政治家、軽薄なマスメディア。

◆つぎは国政
「維新の会」は国政への進出を図り、3月に「維新政治塾」を開講するという。
400人の塾生募集に対し、2,400人の応募があったという。(10日締切時点)
相当な吸引力を発揮したといってよいであろう。

◆現状打破への期待と危うさ
この勢いが続けば、つぎの総選挙で第三党になる可能性がある。
「維新の会」がキャスチングポートを握った時、国政はどうなるか。
何がどう破壊され、あとはどうなるのか、まるで分らない。

なんでもいいから、とにかく現状を打破して欲しい。
橋下ポピュリズムへの期待はその一点に集中しているようだ。危ういかな。
しかし、もっとも危ういのは、国民の期待とかけ離れて茶番を演じ続ける国会であろう。

◆落首

-- ◆独裁の におえる君を 憎くあらば 閉塞ゆえに 吾れ恋いめやも

2012年01月08日

世相:国民不在の政局政治

◆国民にそっぽ
政府は、「社会保障・税の一体改革」の素案をまとめた。
野田総理は「これをもって野党との協議を行う」と述べた。
しかし、素案の内容を国民に丁寧に説明しようとはしなかった。

自民党は早々に協議に応じないことを表明した。
もっとも、素案の内容よりも、マニュフェスト違反という政局的理由。
他の野党も、増税や改革の不十分さに反対が強い。

◆政局化するしかない政治
こうした野党や党内の増税反対意見に対抗するには、国民世論の支持が必要だ。
野田総理には国民などまるで眼中にないようだ。
国会内の与野党協議で政局化する道を選んだ。

国民の支持のない政策は、政局の混迷の中で頓挫する。
結果として総選挙に追い込まれ、国民の支持がないから、民主党は敗北する。
政界をまともな形に再編するには、その方がいいかも知れない。


◆政局政治への落首

-- <国民に 顔を向けない ドジョウ総理 田んぼで野党と 泥んこごっこ>

2012年01月05日

世相:総理年頭記者会見2012

◆幻滅的内容
4日午前10時から、野田総理の年頭記者会が行われた。
NHKTVの中継で見たが、予想通り幻滅的内容であった。
大震災後の年頭にあたって国民に語る内容とは、とても言えない。

平板なことばの羅列で、何も心に響かない。
国民よりも、目先の国会対策色の濃い会見だった。
年頭からこんな「ダメ」な総理を見ると、もう駄目だ。

記者の質問もひどいものだ。
木で鼻をくくったような回答しか返って来なことを聞く。
いつもながらの形骸化した記者会見だ。

「野党が協議に応じないならどうするのか?」→「まずは応じてもらうよう努力する」
「選挙で国民の信を問う」とでも言わせたいのだろうが、言うはずもない。
ある意味の慣れ合いで、応答に緊張感はなく、形式的で時間のムダ使いだ。

 ◇ ◇ ◇

むしろ、こんな内容の薄い記者会見そのものを厳しく批判すべきだ。
「どういう日本を実現しようとするのか」が見えない。
「そのために何が必要か」も「どういった政策で実現するのか」も全く不十分だ。

民主党はガタガタでバラバラだ。
自民党が政権に復帰すれば<元の木阿弥>だ。
そうなると国民は<橋下・維新の会>に雪崩れることになるのだろうか。

2011年11月30日

世相:大阪W選と大阪都構想

◆もの足りぬ大阪都構想
27日(日)の大阪W選挙は、維新の会が府知事・市長を制した。
橋下前知事は、「大阪都」構想を掲げて市長に立候補し、勝利した。
新府知事と共にこの構想の実現を目指していくであろう。

維新の会の勢いを見せつけられて、W選では対立した既存政党も態度を変え始めた。
構想実現に必要な地方自治法の改正などに協力しよう、などというものだ。
しかし、この「大阪都」構想は全くもの足りないものである。

◆必要な第二首都構想
そもそも必要なのは、大阪を首都東京をバックアップする第二首都に変換することだ。
3.11の大震災・原発事故の際には、東京のひ弱さが明確に証明された。
同時に、機能不全の東京をバックアップする機能が存在しなかったことも証明された。

大阪は、「第二首都」構想の下で「大阪都」を目指すべきなのだ。
大阪府・市だけの枠で改革するには惜しいチャンスである。
ここはむしろ、「第二首都」大阪の実現の方に期待したい。

2011年09月12日

世相:経産相交代

◆早々の経産相交代
野田内閣の経産相が交代した。
原発・エネルギーを所管する経済産業省。
その大臣ポストに、前任者は軽過ぎた。

後任の枝野前官房長官は無難な適任者であろう。
自民党のように人事にあれこれ関わっている暇はない。
国会はせっせと仕事をすべきだ。

◆落首

-- 経産相 お鉢が回って 政経塾 枝のウグイス 春は遠くに

2011年09月04日

世相:脱原発の新エネルギーは?(承)

◆<再生可能エネルギー>の単線思考
原発のエネルギーを<再生可能エネルギー>で代替可能であるという。
<再生可能エネルギー>の柱は、太陽光と風力であるという。
太陽光パネルを休耕田や浜辺にまで敷き詰めるという。

しかし、太陽光発電に過剰に期待し、過剰に推進することには問題がある。
これは<再生可能エネルギー>の単線思考である。
他の<再生可能エネルギー>の開発・普及にもマイナスだ。

◆太陽光発電の問題点
まず、太陽光で大容量の発電をするには、広大な敷地を要する。
日経新聞(8/23)によれば、大手住宅メーカーD社がメガソーラー事業に参入する。
同社が建設中のメガソーラーは、26,000平方米の企業敷地内で、1,000KWを発電する。

これは、一般家庭300世帯分の消費電力量に相当するという。(晴天の昼間の話)
このメガソーラーの敷地は、平均的な田んぼ(一反歩=1,000平方米)なら、26枚分だ!
この広さの田んぼでは、年に約200俵(12,000kg、約200人分)の米が獲れる。

日本は、将来、必ず襲来する世界的食料危機に備えなくてはならない。
電気は他の方法でも発電できるが、食料(米)の生産には田んぼが欠かせない。
電気はなくても生きていけるが、食料なくしては生きていけない、

また、
太陽光発電は、まだ、高コストで、低価格化はかなり先になりそうだ。
太陽光発電は、天候の影響を受け、夜間は発電できず、不安定な電源だ。

太陽光発電は、大手企業に有利で、地方は工事と保守の下請けに甘んじるしかない。
太陽光パネルは、既に、中国・韓国メーカーが市場を席巻していて、輸入することになる。
太陽光パネルは、かなり厄介な大量の産業廃棄物になる。

さらに、
太陽光パネルを農耕地に敷設すると、農業環境の均衡を崩し、周辺の農耕地をも破壊する。
太陽光パネルを農耕地に敷設すると、日本の原風景である田園風景を大きく損なう。

狭くて、自然豊かな日本では、太陽光パネルは主に屋根に敷設するのが妥当と考える。

◆農耕地はバイオマス発電に活用を
そもそも、農耕地は、太陽光エネルギーで農作物を育てる「光合成パネル」だ。
立派な太陽光パネルが、既に、全国的に展開されているのである。
農耕地だけでなく、牧草地も森林も野原も、緑に覆われているのが日本なのだ。

そこに、発電用の無機質な太陽光パネルを敷こうとしている。
休耕田や耕作放棄地が狙い目で、全国の可能発電量までが推定されている。
これは、農業を知らない都会の学者や官僚や企業やマスメディアの無能な発想だ。

農耕地にメガソーラーを建設する問題点は、前項で述べた通りである。
エネルギーの地産地消などというが、実際は農業や田園環境を破壊する愚作だ。
太陽光パネルは、農耕地にとっては「異物」なのである。

 ◇ ◇ ◇

農耕地の発電利用に最適なのは、バイオマス発電である。
太陽光をエネルギーに転換するのは、太陽光パネルだけではない。
生物由来の原料を利用するバイオマス発電は、もちろん、再生可能エネルギーだ。

たとえば、木材チップを燃料にして、あるいはゴミ焼却熱で発電する。
稲ワラや野菜クズからバイオエタノールを生成し、それを燃料に発電する。
日本の農耕地に適した「菜の花プロジェクト」というのもある。

農耕地でバイオマス発電用の農作物を生産するメリットは多い。
最大のメリットは、農耕地が保全される、ということだ。
農耕地は農耕を続けることでのみ保全される。

農家が得意な技で、エネルギー原料の生産に参加できるのも大きなメリットだ。
得意技を活かせる継続的・安定的な雇用が生まれる。
地方の農村地帯の振興になるのである。

自然との共生バランスも、概ね、保たれる。
田園風景も損なわれる恐れはない。
「異物」が侵入しないからである

休耕田や耕作放棄地では、バイオマス発電用の原料や飼料用作物を生産する。
太陽光パネルを敷き詰めてはならない。
先祖伝来で守ってきた農耕地は、農家が主役になって利用していくのが合理的だ。

とはいえ、農業の生産性には限界がある。
国産の食料とエネルギー原料と飼料を生産する農業を、環境保全を含めて、支援すべきだ。
再生可能エネルギー法案の「農業版」を立案し、未来志向の農業を実現したいものだ。

2011年09月02日

世相:野田内閣スタート

◆野田内閣がスタート
2日、野田内閣の閣僚の顔ぶれが決まった。
党内融和に配慮、代表選の論功行賞、と揶揄されるが、それはそれ。
全体のバランスを見ながら、しっかりと野田総理の意向が反映されている。

主要閣僚に若手を配したこと、女性二閣僚を登用したことは、高く評価したい。
安住財務相、玄葉外相、細野環境相、古川経済財政・戦略相、蓮ホウ行革相は、40代。
女性閣僚の小宮山厚労相と蓮ホウ行革相は適任のようだ。

若ければ良いわけではないし、女性の方が良いわけでもない。
しかし、現在の日本には、若いエネルギーと女性の感覚が、ぜひ必要だ。
野田総理はそういう内閣をある程度まで実現した。ぜひ、成果を挙げて欲しいものだ。

◆落首

-- 泥んこの 課題ゴロゴロ ドンブリコ ドジョウが出てきて 「泥臭くやります」

2011年08月30日

世相:民主党新代表決定(2011/08)

◆新代表は、野田氏
29日に実施された民主党代表選挙で、野田財務相が新代表に選出された。
決戦投票では、脱小沢・野田氏が215票、親小沢・海江田氏が117票であった。
野田氏の説得力のある演説が、小沢色の強い海江田氏を押さえたと思う。

TV中継で、最初から視ていたが、野田氏の演説には説得力があった。
前首相、現首相ともに言葉の軽さが目だった。代表候補の前原氏も同じくだ。
政治家には『ことば』による説得力が必要であることを、改めて鮮明にした。

◆巧みな演説
野田氏の演説は、分り易い「例え」が巧みで、よく印象に残る。
相田みつをの詩から「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」を引用。
自らを泥臭い「どじょう」に例えて、地道な実践家であることをアピールした。

政権担当を、坂道でだんだん大きく重くなる雪だるまを押し上げることに例える。
みんなで力を合わせなければ、雪だるまはたちまち坂道を転げ落ちてしまう。
こうして党内の一致結束を呼びかけた。

◆実行力に期待
30日に指名された新総理には、実行力を期待する。
「脱原発・新エネルギー政策」を含め、精力的に課題に取り組んで欲しい。
(<脱原発>は、代表選では封印され、マスメディアも追及しなかった)

◆まずは新総理に、落首

-- 演説の妙 田んぼのドジョウ 新総理 金魚のフリせず 沢には住まず

2011年08月27日

世相:民主党代表選告示(2011/08)

◆代表選に5人が立候補
民主党代表選が27日告示され、5人が立候補した。

-- ・前原誠司前外相(49)
-- ・馬淵澄夫前国土交通相(51)
-- ・海江田万里経済産業相(62)
-- ・野田佳彦財務相(54)
-- ・鹿野道彦農相(69)

共同記者会見で所見を述べた。
各自各様であるが、抱負や政局への姿勢の表明が中心である。
社会や国家のビジョンは語られなかった。

もともと、明確なビジョンを持った政治家は、ほとんど目立たない。
もっぱら数の力で駆け引きをしたり、党派的権力争いを演じる政治家が幅をきかせている。
民主党だけではない日本全体の深刻な政治危機は続いていく。

◆二人の争いの予想
実質的には、前原氏と海江田氏の争いであろう。
脱小沢対親小沢、主流派対反主流派、若手中心対ベテラン中心、などというところか。
どちらにも、代表(=首相)としての期待感はあまりない。残念だが‥‥。

◆勝手にやって下さい、落首二題

-- ◇前の原 ふりさけ見れば 民主なる 寄合世帯に 出でし月かも

-- ◇いざ行かん 丸に「小」紋の 陣羽織 槍の穂先に 鳩ポッポ

2011年08月22日

世相:悲惨な民主党代表選挙

◆総理退陣、さて次は?
ようやく、菅総理の退陣が決まった。
で、次の民主党代表=総理の選出へと舞台は移った。
何人かの議員が立候補の名乗りを挙げ始めている。

その顔ぶれを見れば、誰しも悲惨な結果を思うに違いない。
指導力もなければ、ビジョンもなければ、政策もない。
誰が選ばれても、凡庸な総理が誕生する。

◆政治が壊れる
ヨタヨタの民主党政権が続いて、日本は停滞する。
旧体質のままの自民党にも、全く期待が持てない。
やがて、民主党はメルトダウンし、政治は水素爆発に見舞われ、混迷の総選挙へ。

◆悲惨な政治状況に落首

-- ◇指導力も ビジョンも政策も なにせむに 勝れる宝 脱菅にしかめやも

2011年08月17日

世相:脱原発の新エネルギーは?(起)

◆空回りするエネルギー論
3.11以後、脱原発への流れは概ね日本社会のコンセンサスになったといえる。
しかし、脱原発までの具体的プロセスについては、議論が定まっていない。
その原因は、原発継続派と脱原発・再生エネルギー派の議論が空回りしているからだ。

議論のテーマは、『原発の発電量を再生エネルギーでまかなえるか?』である。
脱原発・再生エネルギー派は<Yes>といい、原発継続派は<No>という。
ああ云えばこう云うといった水掛け論に近い。感情的対立も生じている。

心情的には、脱原発・再生エネルギー派を応援したいが、いささかの疑問も感じる。
もちろん、原発継続派の「安全な原発」など信用できるわけもない。
そこで、現在の対立の構図に欠けている、より広い視点でこの問題を考えてみたい。

◆新エネルギー開発のポイント
脱原発のためには、つぎの対応策を進めるのがよいと思う。
十年間の国家的国民的努力で、脱原発は相当に進展する。
新技術が開発され、新産業が興り、社会も活性化すると期待する。

-- ・太陽光及び風力は自然と景観に配慮しながら時間をかけて推進する
-- ・天然ガスのコジェネレーション発電システムを最優先で普及させる
-- ・社会生活及び産業構造を電力多消費型から省電力型へと転換させる

-- ・総電力の有効利用のためのスマートグリッドを速やかに実用化する
-- ・電力事業の発電と送電配電の機能を分離し自由競争環境を整備する

-- ・海流発電及びバイオエタノール燃料電池の開発を積極的に支援する
-- ・世界的な温暖化ガス削減のために日本の石炭火力の技術を輸出する

次回から、それぞれをやや詳しく論じてみたい。

2011年08月01日

世相:菅総理の粘り腰

◆与党は締まらず野党は政局
野党が政局で揺さぶる限り、菅総理は退陣しないと思う。
政局で混乱させる野党には、「粘るが勝ち」だからだ。
与野党は、真剣な<政治>をやるべきだ。

◆むしろあっぱれで落首

-- ◇メッタ打ち 皮の破れた 菅太鼓 縁を叩いて トコトントコトン

2011年07月29日

世相:「上を向いて歩こう」

◆心を勇気づけてくれる名曲
六八九コンビの「上を向いて歩こう」。
今、東北の被災地で、静かにヒットしているそうだ。
哀しい心、傷ついた心を癒し、生きる希望を与えてくれるからだろう。

九ちゃんは、独特の歌い方で聴かせてくれた。
世界中で繰り返しヒットして、多くの歌手が歌っている。
メロディーも歌詞も、世界の人々の心を優しく捉えるのであろう。

◆youTube:「上を向いて歩こう」(サヨコ)
その三度目の世界ヒットが、1995年にあった。
当時の日本経済新聞(1995/02/07)のコラムでそれを知った。
サヨコが歌って、CMソングにも採用されている、と紹介されていた。

ちょうど、かなり落ち込んでいた時期だったので、つい、そのCDを買った。
聴くと、九ちゃんとは全く別の、すばらしい歌と演奏であった。
聴いては感動し、また聴いて、大いに勇気づけてもらったのだった。

ぜひ、このサヨコ・バージョンを聴いてみて欲しい。
youTubeで公開されている。
(元ゼルダの高橋佐代子さんの歌うスキヤキソングです)

なお、CDには、英語版も入っていて、これもすばらしい。

2011年07月25日

世相:隠蔽体質中国流

◆鉄道事故の証拠隠滅
中国の新幹線で列車の追突事故が発生し、多数の死者が出た。(7/23)
落雷による列車運行システムの故障が原因、と発表された。
事故現場は修復され、列車の運行も再開されたという。

そこへ驚きの事実が報道された。
なん! 現場では事故車両を破砕し、ショベルカーで掘った穴に埋めている!
その動画もネットに流されているという。

さすが中国、ということか。
政府に都合の悪いことは、全て視界から消してしまう。
なりふりかまわず、独裁権力で徹底的にやる。

中国新幹線は、各国の技術の「いいとこ取り」で建設されている。
ただ、「列車制御システム」は自前で開発したという。
寄せ集めの脆弱性が今回の事故原因であろう、と指摘されている。

中国は、世界の技術を統合して中国がまとめた新幹線、と宣伝していた。
これまで加速度的に進めてきた、開発優先政策にホコロビが出る。
ゆえに、断固、証拠を隠滅すべし、なのだろうか。

◆原発事故の情報隠蔽
ひるがえって、日本は中国の措置を批判できるか。
政府・東電の原発事故情報の隠蔽は、全くの相似形である。
裏には、「知らしむべからず 依らしむべし」の性根(しょうね)がある。

中国では、国家権力がマスメディアを統制している。
日本では、マスメディアが国家権力にすり寄っている。
いずれのマスメディアも、国民に真実を伝えられない。

◆あきれて一首

--  ◇事故車両を ショベルカーで埋める 中国流 原発情報を スプーンで配る日本流

2011年07月06日

世相:思いつき総理

◆原発再稼動の混乱
延長国会で、ようやく審議が開始された。(7/6)
そこで海江田経産相が、突然、表明した。
「全原発のストレス・テストを実施する」

え~っ?

菅総理の指示であるという。
IAEAも推奨するストレス・テストは、原発の安全性確保に有効であろう。
それなら、3.11以降の早い時期に、実施の方針を示すべきであった。

先日、海江田経産相は佐賀県を訪れ、玄海原発の再稼動への同意を要請した。
「国が安全性に責任を持つ」
現地町長は九州電力に再稼動同意を伝え、知事も同意の意向のようであった。

そこへストレス・テスト実施の方針である。
つまり、ストレス・テストで安全性が認定されないと、その原発は稼動できない。
テストの内容、実施方法、実施機関、日程などは、全て未定である。

そんな状況の変化で、玄海原発の再稼動は棚上げになるのは確実だ。
海江田経産相も町長も、まるでピエロである。
菅総理の思いつき政策が、またも国全体を混乱させている。

◆あきれて落首
-- ◇菅総理 絶えなば絶えね 長らえば 被災地も国も 弱りもぞする

(元歌)
-- ◇玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
-- 式子内親王 新古今集 百人一首

2011年07月05日

世相:復興相の暴言辞任


◆暴言で早々の辞任
つい先日(7/1)の記事で、松本復興相のことばを「国民の本音」と称賛した。
「3.11以降、自民党も公明党も民主党も嫌いだ」
その松本氏が、暴言問題を起し、早々に辞任した。

訪問先の宮城県知事との会談で暴言を連発したことを報道され、批判を浴びた。
「大臣」という立場を笠に着て、知事を見下した態度であった。
特に復興担当相に求められる態度にはほど遠く、辞任は当然であろう。

◆なにゆえに?
なぜ、こんな顛末になったのか。

ひとつは、当人は「大臣」として当然と思う態度に出ただけなのであろう。
ふたつは、当人に思いやりなどの人間的資質が不十分であったのであろう。
みっつは、こんな人物を復興相に任命した菅総理の不確かな判断力である。
よっつは、そもそも政治家全体に適材適所の人材不足が深刻なことである。
いつつは、これをまた材料に大騒ぎする与野党の政局政治家の存在である。

こう見てくると、日本の政治のダメさ加減が浮き彫りなのだ。

◆政治改革のための処方箋
上の五項を。逆にたどれば、これからの日本の政治の処方箋が分る。

-- ・政局政治家共を抹消すること
-- ・若手や女性に政治を託すこと
-- ・菅総理は早めに退陣すること
-- ・人間的な政治を心がけること
-- ・権力は謙虚に正しく使うこと

◆がっくりと落首
-- ◇心なき ことばに政治は なかりけり 復興相暴言 早々の辞任

2011年07月01日

世相:政局に本音がチラリ

◆政局にも本音がチラチラ
このところの政局のゴタゴタは目に余る。
マスメディアは格好の材料を得て、右往左往ではしゃいでいる。
旧態依然の低レベル報道が展開されている。

しかし、ガヤガヤとした報道ノイズの中に、まともに聞こえる本音もある。
新任の松本復興相は、記者会見で述べた。
「3.11以降、自民党も公明党も民主党も嫌いだ」

よくぞ言ってくれた!
自民党は総理退陣要求をはじめ政局に明け暮れる。
民主党は党内政局でメロメロのメルトダウン。

震災と原発事故の被災者を置き去りに、政局と政争をくり返す政治家たち。
復興相は、「もういい加減にして、政治家は政治をやれ」と思ったのであろう。
世論を代弁しているといえるのだ。

◆政局マスメディア
そうした中での本音発言を、マスメディアはあくまで政局レベルで扱う。
やれ、自公が怒っているとか、やれ、国会審議に影響する、とか。
そして、復興相は、1日に記者会見で釈明、陳謝した。一件落着。

本音の事実は、なにも変っていないのだが‥‥。

-- ◇自公嫌い 民主も嫌いと つい本音 世論の代弁 復興相キラリ

2011年06月30日

世相:国会は政局、また政局

◆菅総理の禁じ手?人事
国会では、復興庁の設置が決まり、会期も8月末まで延長された。
これを受けて、菅総理は復興大臣の任命と小幅な内閣改造を行なった。
そこに<禁じ手>と思われる奇策を仕組んだ。

自民党の浜田参議院議員を引き抜いて、総務政務官に充てたのである。
先の内閣不信任案の採決で棄権した前・政務官を罷免し、浜田氏を後任とした。
浜田氏は自民党を離党し、任命を受けた。

当然、自民党は猛反発し、与党との国会運営の協議を拒否した。
与党内からも反発が出て、両院議員総会で異論が強く出された。
党執行部も苦虫を噛み潰したような思いを表明した。

◆禁じ手の狙い
なぜ、退陣の花道を飾るべき時に、このような<禁じ手>を仕組んだのか。
それは、「再生可能エネルギー特別措置法」を参議院で可決するためだ。
この法案には、共産党・社民党の賛成が見込まれ、過半数にあと1人だったのである。

そこで、参議院自民党から1本釣りの形で、浜田氏を引き抜いた。
これで、菅総理が退陣のメドとする3法案は、全て成立の道筋が見えたことになる。
ただ、なりふりかまわぬ総理も総理なら、浜田氏も浜田氏、抜かれた自民党も自民党だ。

-- ◇野党振る 与党も聞かず 菅総理 禁じ手人事で 腹くくるとは

◆政局また政局
自民党と公明党は、延長国会の審議に応じる姿勢を転じた。
総理の民主党両院議員総会における、解散含みの発言にも反発。
松本復興相の「3.11以降、自民党も公明党も民主党も嫌いだ」発言にも反発している。

民主党は実にだらしない姿をさらしているが、自公両党は政局だけのカラ政党そのものだ。
内閣不信任案で小沢・鳩山Gの造反を期待するなど、震災復興を忘れ、政局オンリーだ。
震災・原発事故対応では、政府のあげ足取りに終始し、<脱原発>も打ち出せない。

◆政治廃(すた)れば官僚はびこる
こんなテイたらくの国会・政治が続いているから、官僚(霞ヶ関)主導の政策が進む。
財務省主導の、財政再建優先の増税路線。
経済産業省主導の、原発再稼動、東電救済・電力独占体制維持路線、など。

-- ◇流れゆく 政局の行方は 知らねども 霞に落ちる 政治の泥舟


◆元歌(もとうた)
-- ◇ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 韓(から)紅に 水くくるとは
--   (在原業平 古今集 平安初期)

-- ◇暮れてゆく 春のみなとは 知らねども 霞に落つる 宇治の柴舟
--   (寂蓮 新古今集 平安末期)

2011年06月29日

原発事故:経済産業省の動き

◆原発の再稼動
経済産業省は、定期点検を終了した原発の再稼動を進めようとしている。
もし、再稼動ができないと、約1年後には全ての原発が停止状態になる。
今年の夏が最大の供給電力ピンチであるが、不安定な状況はさらに悪化する。

それを避けるためにも、再稼動はぜひ実現させたいのだ。
そこで、経済産業省は画策する。
そのシナリオは、こうだ。

◆玄海原発2&3号機が狙い目
まずは、傘下の安全・保安院が、全国の原発の安全審査を実施する。
その結果、原発は安全である、と宣言する。
ついで、原発の地元自治体と知事に、海江田大臣自らが説明に出向く。

狙い目は、玄海原発2&3号機だ。
ここは、地元自治体と知事が再稼動受入れを表明しているという。
海江田大臣も現地入りし、シナリオは着々と進行しているようだ。

◆まやかしのシナリオ
このシナリオは、全く従来の手法と変っていない。
フクシマの事故にもかかわらず、である。
事故後に批判されている官僚的なれ合いの最たるものだ。

そもそも、フクシマの事故の原因分析は未だ着手されず、収束作業も先が不透明だ。
避難地域と避難住民の悲惨な状況を見れば、原発の危険性は現実の問題なのだ。
そんな状態で、何を以って、原発は安全だといえるのか。

また、地元住民への説明会も怪しい。
あらかじめ参加者をフィルターにかけて、無難な数人に対して実施したともいう。
フクシマの教訓は、風評被害も含めれば、広域的な意見聴取が必要なことを示している。

◆堂々の正論を
姑息な官僚的シナリオではなく、堂々とした正論で、原発の要否を語るべき時だ。
事故がなくても、原発からは、放射能を含んだ使用済み核燃料が後世に残される。
<脱原発>への実現可能なシナリオこそ、多くの国民が望んでいるものなのである。

相変わらずの官僚的手法がまかり通る社会。
相変わらずの政局に明け暮れる国会。
マスコミを含む原子力村を、まず、完全に破壊せねば。

-- ◇政・官・産 学・マスコミの 五稜郭 国民不在の 原子力村

2011年06月28日

世相:脱原発解散?

◆<脱原発>で解散総選挙?
今日(6/28)の午後、民主党の両院議員総会が開かれた。
この場で、菅総理(代表)の気になる趣旨の発言があった。
「エネルギー政策がつぎの総選挙の争点になる」

あるいは、秋に自らの手で衆議院解散に打って出るつもりがあるのか。
四面楚歌の下で<郵政解散>を演出し、大勝した小泉・元総理にならうのか。
それは決して許される政治手法ではない。

<脱原発>は、正しい方向であると思うが、国民的議論はまだ不十分だ。
<脱原発>でなくてはならないという強固な理念を、まず確立する必要がある。
<脱原発>は、<郵政民営化>とは比較にならない、国と社会の基本政策なのだから。

◆菅総理の終焉
菅総理には、唐突で、周到な準備を怠る傾向がますます顕著だ。
リーダーシップを履き違えているように思われる。
早期の交代は、もはや、止むを得ない。

-- ◇辞めざらん 総理の椅子の 思い出に いまひと夢の 脱原発解散

◆元歌(もとうた)
-- ◇あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの あふこともがな
--   (泉式部 後拾遺集 平安中期)

2011年03月15日

世相:東日本巨大地震

◆大津波
3月11日、東日本沖の太平洋海底でM9.0の巨大地震が発生した。
10mを越える大津波が、三陸、宮城、福島の沿岸を襲った。
町や村を飲み込み、多くの人命を奪い、瓦礫の山と化した。

あまりのすさまじさに、被災者の方々にかけることばは見つからない。
ここは、国・社会が心を一にして、被災者を支え、力づけ、再起を応援するしかない。
日本と日本人の真価が問われる時だと思う。

◆頼りになるもの
被災状況の報道をTVで見るにつけ、感じることは、

 ・被災者の心の優しさ、強さ
 ・自衛隊、警察、消防、医療関係者などの献身的救援活動
 ・国民個々人の支援の動き

など、頼りになる日本と日本人の姿だ。
敬服し、感謝し、感動する。

肉親・家族を捜し求める人達の悲痛な声は、心に染みついている
「お母さ~ん!」と瓦礫に向って叫ぶ少女の涙声。
思い出すたびに、涙が込み上げてきて止まらない。奇跡を願う。

◆お粗末なもの
そうした被災地の現実に比べて、全く話にならないのは、

 ・指導力のない政府、政治家
 ・メルトダウンの東京電力

である。あまりにもヒドい。

 ◇指導力のないのない政府、政治家
  救援を待つ被災者を力づけるメッセージを発信できていない。
   ・「もうすぐ助けに行くので待っていて下さい」とくり返せ!
  国難にあたり、国民を鼓舞するメッセージを発信できていない。
   ・「今こそ、日本の底力を発揮しよう」と呼びかけろ!
  被災者救援、被災地復興への具体的政策の提示ができていない。
   ・当面の救援活動方針、復興のための基本方針などを明示しろ!
   ・方針実現のための政策、財政、体制、具体的計画を提示しろ!

 ◇メルトダウンの東京電力
  福島第1原発の状況は、きわめて深刻だ。

  1号機の冷却水注入の不具合に始った事故は、3号機に飛び火した。
  それらの処理に追われるうちに、2号機がおかしくなった。
  1号機が水素爆発を起し、3号機が続き、2号機の燃料棒が露出し、底部で爆発も。

  2号機から放射性物質が漏れたため、午前の総理談話で住民避難のレベルを上げた。
  停止していた4号機で火災が発生し、燃料プールの水の温度が上昇している。
  同じく停止していた5、6号機でも燃料プールの水の温度が上昇している。

  この間の東電の対応は、まるで後手後手だ。
  情報開示も遅れ遅れで、内容は不適切、不十分だ。
  住民や国民の不信感を招き、日本に対する国際的な信頼感も大きく損ねている。

  東電の記者会見(3/15 23:00~)のテイタラクは、もはや喜劇だ。
  あの’全員集合!’で楽しんだ「ダメ会社のダメ会議」のドタバタ劇そのままだ。
  東電という会社自体が<メルトダウン>状態にあると思えてならない。

  現場担当者の必死の努力にもかかわらず、会社の当事者能力には疑問符がつく。
  そんな会社が、人類のエネルギーの柱である「原子力」の命運を背負っている。
  世界が注視する中で、東電は<原発>を無事に制御することが求められている。

  (東電は、<計画停電>でも社会を混乱させている → 次回以降の記事で)

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