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2020年03月24日

音楽:CDで失われた高周波数音は貴重な音楽要素

◆放送大学の授業を聴く
 つい最近、ragikoで「放送大学」の授業科目「「音楽・情報・脳」を効いた。
 「放送大学」は、時々、興味のある授業科目を探しては聴いている。
 この授業科目は第1回(全15回)であったので、巡り合わせもよく、聴き始めた。

 第1回~第4回は、『音』の周波数と人の聴覚・脳の関係の授業であった。
 今まで『音』について疑問に思っていたことが分かってきた。
 西洋音楽と他の音楽(和楽を含む)の相違点の説明もあった。

 目からウロコが落ちるような衝撃を受けた。

 ウッカリ、第5&6回を聴き逃してしまった。(この授業はragikoタイムフリー対象外)
 第7回はそれまでのまとめ。
 その後は内容が変わったので、聴くのを中止した。

 大学院の授業なのでやや難しく、教材テキストも買わなかったので、聞き流しに近い。
 新年度(2020)のカリキュラムで再聴講するつもりだ。
 ここでは、せっかく取得できた知識を忘れないようにメモして置くことにした。
 
 要点は3項目:
  ・音楽CDで高周波数音がカットされた理由
  ・高周波数音と聴覚の関係
  ・高周波数音と脳の関係


◆音楽CDで高周波数音がカットされた理由
 音楽CDは、1980年にフィリップスとソニーによって規格化され、1982年に発売された。
 記録可能な周波数の上限値は、22.050KHzとされた。
 つまり、高周波数音がカットされた。

   ◇ ◇ ◇

 (以下はネット情報より)
 この22.050KHzは、当時普及していたVTRの規格である。
 初期のデジタル録音ではこのVTRを使用していた。
 VTRの規格は、テレビ放送の規格をベースに検討された。
 
 当時、テレビ放送には、NTSC方式(北米、日本)とPAL方式(ヨーロッパ)があった。
 この両方に共通に対応できる周波数として、22.050KHzに決定された。(説)
 では、もともとのテレビ放送の上限周波数は、どう決められたのか?

 人の聴覚で聴ける周波数の範囲を調べた実験の結果によるものらしい。
 どんな実験だったのか?掘っても掘っても底が見えない。
 キリがないので、調査はいったん打切ることにした。

   ◇ ◇ ◇

 (以下は授業から)

◆高周波数音と聴覚の関係
 人の聴覚で聴ける周波数の上限は、約20KHzとされてきた。
 CDの収録上限の22.05KHzは、これに余裕をみた数値になっている。
 22.05KHzを超える周波数は「超高周波」と呼ばれる。

 しかし、近年、デジタル技術の進歩により、状況が変わった。
 聴こえないとされた高い周波数の音でも、実は聴こえていることが分かった。
 これは、高周波数の思いかけない特性が解明されたためである。

 高周波数の音は、聴覚に認識されるまでに、低い周波数より時間がかかる。

 いろいろな周波数の音を連続的に聴かせて判別するテスト方法には問題があった。
 ごく短い時間であると、高周波数音が聴覚に認識される前に、つぎの音が来てしまう。
 約20KHzを超える音は、こうしたテストで聴こえないことにされてしまったらしい。

   ◇ ◇ ◇

 LPレコードは高周波音を含んでいるので、豊かな音楽を聴かせてくれる。
 LPの全ての周波数を含むデジタルLPと、そこから22.05KHz以上をカットしたCDを作る。
 これらを聴き比べると、デジタルLPが音質でCDより優位であったという。

   ◇ ◇ ◇

 高周波を含んだ車内アナウンスは、騒音の中でも良く聴きとれるという。
 通常のアナウンスは、CDレベルである。
 音声が高周波を含んでいると、聴覚の音声間の選択機能が良く働くということらしい。


◆高周波数音と脳の関係
 近年、大きく進歩した脳科学により、聴覚と脳の関係が明らかになってきた。
 聴こえていない高周波音が脳幹を活性化して、アルファ波の発生を促すという。
 LPレコードを聴くと心が和むのは、このアルファ波のおかげなのであろうか。


◆カットされた高周波を取り戻そう
 高周波数をカットしたデジタル音の時代は、40年以上も続いてきた。
 人に優しい音楽ではなく、無機質でクリアな音楽にドップリと浸ってきたのである。
 当然、人の精神にも良くない影響をもたらしたのは確かだ。

 高周波数音をカットしないデジタル音の世界を実現するのは、きわめて厳しい。
 マイクからスピーカーまで、全ての機器、ソフトなどを一新する必要がある。
 すでに、一部で高周波音を聴けるサービスが開始されているが、道はまだ遠い。

 失われた40年を10年位で取り戻せたら幸いなのだが…。

◆放送大学の授業を聴く
 つい最近、ragikoで「放送大学」の授業科目「「音楽・情報・脳」を効いた。
 「放送大学」は、時々、興味のある授業科目を探しては聴いている。
 この授業科目は第1回(全15回)であったので、巡り合わせもよく、聴き始めた。

 第1回~第4回は、『音』の周波数と人の聴覚・脳の関係の授業であった。
 今まで『音』について疑問に思っていたことが分かってきた。
 西洋音楽と他の音楽(和楽を含む)の相違点の説明もあった。

 目からウロコが落ちるような衝撃を受けた。

 ウッカリ、第5&6回を聴き逃してしまった。(この授業はragikoタイムフリー対象外)
 第7回はそれまでのまとめ。
 その後は内容が変わったので、聴くのを中止した。

 大学院の授業なのでやや難しく、教材テキストも買わなかったので、聞き流しに近い。
 新年度(2020)のカリキュラムで再聴講するつもりだ。
 ここでは、せっかく取得できた知識を忘れないようにメモして置くことにした。
 
 要点は3項目:
  ・音楽CDで高周波数音がカットされた理由
  ・高周波数音と聴覚の関係
  ・高周波数音と脳の関係


◆音楽CDで高周波数音がカットされた理由
 音楽CDは、1980年にフィリップスとソニーによって規格化され、1982年に発売された。
 記録可能な周波数の上限値は、22.050KHzとされた。
 つまり、高周波数音がカットされた。

   ◇ ◇ ◇

 (以下はネット情報より)
 この22.050KHzは、当時普及していたVTRの規格である。
 初期のデジタル録音ではこのVTRを使用していた。
 VTRの規格は、テレビ放送の規格をベースに検討された。
 
 当時、テレビ放送には、NTSC方式(北米、日本)とPAL方式(ヨーロッパ)があった。
 この両方に共通に対応できる周波数として、22.050KHzに決定された。(説)
 では、もともとのテレビ放送の上限周波数は、どう決められたのか?

 人の聴覚で聴ける周波数の範囲を調べた実験の結果によるものらしい。
 どんな実験だったのか?掘っても掘っても底が見えない。
 キリがないので、調査はいったん打切ることにした。

   ◇ ◇ ◇

 (以下は授業から)

◆高周波数音と聴覚の関係
 人の聴覚で聴ける周波数の上限は、約20KHzとされてきた。
 CDの収録上限の22.05KHzは、これに余裕をみた数値になっている。
 22.05KHzを超える周波数は「超高周波」と呼ばれる。

 しかし、近年、デジタル技術の進歩により、状況が変わった。
 聴こえないとされた高い周波数の音でも、実は聴こえていることが分かった。
 これは、高周波数の思いかけない特性が解明されたためである。

 高周波数の音は、聴覚に認識されるまでに、低い周波数より時間がかかる。 

 いろいろな周波数の音を連続的に聴かせて判別するテスト方法には問題があった。
 ごく短い時間であると、高周波数音が聴覚に認識される前に、つぎの音が来てしまう。
 約20KHzを超える音は、こうしたテストで聴こえないことにされてしまったらしい。

   ◇ ◇ ◇

 LPレコードは高周波音を含んでいるので、豊かな音楽を聴かせてくれる。
 LPの全ての周波数を含むデジタルLPと、そこから22.05KHz以上をカットしたCDを作る。
 これらを聴き比べると、デジタルLPが音質でCDより優位であったという。

   ◇ ◇ ◇

 高周波を含んだ車内アナウンスは、騒音の中でも良く聴きとれるという。
 通常のアナウンスは、CDレベルである。
 音声が高周波を含んでいると、聴覚の音声間の選択機能が良く働くということらしい。


◆高周波数音と脳の関係
 近年、大きく進歩した脳科学により、聴覚と脳の関係が明らかになってきた。
 聴こえていない高周波音が脳幹を活性化して、アルファ波の発生を促すという。
 LPレコードを聴くと心が和むのは、このアルファ波のおかげなのであろうか。


◆カットされた高周波を取り戻そう
 高周波数をカットしたデジタル音の時代は、40年以上も続いてきた。
 人に優しい音楽ではなく、無機質でクリアな音楽にドップリと浸ってきたのである。
 当然、人の精神にも良くない影響をもたらしたのは確かだ。

 高周波数音をカットしないデジタル音の世界を実現するのは、きわめて厳しい。
 マイクからスピーカーまで、全ての機器、ソフトなどを一新する必要がある。
 すでに、一部で高周波音を聴けるサービスが開始されているが、道はまだ遠い。

 失われた40年を10年位で取り戻せたら幸いなのだが…。

2017年02月27日

文化:「古事記と万葉集」を聴講(放送大学)

このところ、radikoで放送大学の講義を聴いている。
授業としてではなく、興味のあるものをぽつぽつと選ぶ。
文学・文化・歴史などが主な分野である。

◆「古事記と万葉集」(45分、全15回)
 前半の古事記の部分では、あいまいだった知識が一歩は進んだと思う。
 特に、出雲から大和への「国譲り」の話は、かなりはっきりと理解できた。
 その時、交換条件で壮大な出雲大社が創建されたという。

 後半の万葉集の部分では、歌の新しい解釈が紹介された。
 これまでの「万葉ロマン」のイメージを打ち砕く内容であった。
 しかし、学術的解釈は変わっても、「万葉ロマン」の解釈は抱き続けたいと思う。

  ◇ ◇ ◇

 放送大学のこの番組は、radikoのタイムフリーで、再聴取することはできない。
 当講義では内容確認のため、テキスト(印刷教材)をAmazonで購入した。(\2,916)
 万葉集をこのテキストで復讐してみたい。

◆道を極める~日本人の心の歴史(45分、全15回)
 26日現在で第3回、毎日連続放送中。
 文学や芸術において、道を極めたとされる人物を紹介してゆく。
 紀貫之に始まり、西行、藤原定家、鴨長明、吉田兼好と続いている。

2013年03月23日

文化:フェルメール『真珠の耳飾りの少女』

『真珠の耳飾りの少女』
フェルメール (1632-1675)
真珠の耳飾りの少女
マウリッツハイス美術館


◆フェルメール『真珠の耳飾りの少女』
この絵は、17世紀のオランダの画家フェルメール(1632-1675)の傑作。
別名で、『青いターバンのの少女』とも呼ばれる。
描かれたのは、1665年-1666年頃とされ、当時流行した「風俗画」に分類されている。


◆すっかり魅せられて
先日、NHK BSプレミアムの「額縁をくぐって物語の中へ」で紹介された。
フェルメールのシリーズの最初の作品であった。
そして、すっかり魅せられてしまった。

輝く真珠の耳飾りがいい、青いターバンがいい。
口元が魅惑的で、眼差しに心が吸い寄せられる。
ふと振り向いたポーズは絶妙で、すぐそこに座っているかのようだ。

爽やかでありながらコケティッシュで、ごく庶民的だ。
約350年前に描かれたのに、現代の作品のようだ。
肖像画や宗教画とは全く異なる。

少女の真珠の耳飾りは、フェルメールの財産目録に載っているという。
青いターバンと合わせて装ったモデルから、画家が創作した少女像らしい。
写真では表現できない美の世界だ。


◆フェルメールの時代のオランダ
オランダは、八十年戦争(1568-1648年)の結果、スペインから独立した。
当時のオランダは、ヨーロッパで最も富裕な国であった。
君主制やカトリック的伝統は破壊されていた。

貿易で利益をあげ、学問、芸術が栄えた。
富裕な商人向けに絵画が多く描かれたが、それらはほとんどが小型の風俗画であった。
大型の宗教画や肖像画に比べ低価格で、画家の生活は苦しかった。

そうした時代、フェルメールは名の売れた画家の一人であった。
『真珠の耳飾りの少女』、『牛乳を注ぐ女』、『手紙を書く婦人と召使』などを描いた。
しかし、1675年、彼は破産状態の中で死去した。

1678年、オランダはフランスのルイ14世(1638-1715)に侵略された。
その後、オランダは急速に輝きを失い、風俗画も消えていった。
フェルメーの名も、以後約200年間、ほとんど忘れられることとなった。


◆『真珠の耳飾りの少女』の有為転変
フェルメールは、破産状態で死去したので、残された作品も競売にかけられるなどした。
『真珠の耳飾りの少女』も、他の絵とともに1696年に競売された目録が残っている。
その後も転々と人手を渡ったようである。

1881年、ハーグのオークションで、ある人物がこの絵を購入した。
わずか2ギルダー30セント(およそ1万円)であったという。
絵は極めて汚れていて、ただの17世紀の風俗画と評価されたのであろう。

この人物には相続人がいなかった。
そのため、彼の死後、この絵はマウリッツハイス美術館に寄贈されたのであった。
なんという奇跡、なんという幸運!

それから何回か修復が行われたが、1994-1996年の修復は、きわめて徹底的であった。
ターバンの「青」は高価な宝石を原料とする絵の具であったことなども判明した。
その結果、フェルメールが描いた当時の絵に、非常に近いものになったという。

現在の『真珠の耳飾りの少女』の評価額は、100億円とも150億円ともいわれるそうだ。

2013年01月18日

文化:NHKラジオのカルチャー番組

◆NHKのカルチャーラジオ
この1~3月のカルチャーラジオが面白い。
ちょうど、興味を持っている内容がラインアップされた。
火・木・金の夜(20:30-21:00)は知的なラジオタイムだ。

◇火:歴史再発見『人類への贈り物「発明史」をたどる』
ルネサンス以降の主な発明と発明者のエピソードを解説。
-- ・第2回(1/15)グーテンベルクの活版印刷術
せっかく起業できた印刷工場を、借金のカタに取り上げられてしまった、という。

◇木:文学の世界『江戸に花開いた戯作文学』
田沼時代を中心に栄えた享楽的文化から生まれた江戸の俗文学を解説。
-- ・第1回(1/10)江戸に文学が誕生するまで
江戸の発展とともに次々と生まれた戯作の流れがよく理解できた。

◇金:詩歌を楽しむ『啄木再発見~青春、望郷、日本人の幸福』
啄木の人生をたどりながら、歌を解説。
-- ・第2回(1/11)さいはての駅に下り立ち~北海道流浪
わずか4ヶ月の北海道時代の啄木の生き方が興味深かった。


加えて、毎週土曜日(17:00-17:45)に「古典購読」を聴いている。

◇土:古典購読『平家物語、その歴史的背景を読み解く』
「平家物語」の朗読と解説。
4月から一年間の45分番組なので、かなり多くの部分が取り上げられ、充実している。
なんといっても「平家物語」はすばらしく、毎回、楽しませてもらている。。